都市を壊滅させるほどのサイズの小惑星が、2032年12月22日に地球に衝突するかもしれない。だが、その確率は非常に低いとアメリカ航空宇宙局(NASA)が2025年1月29日に発表した。
「この天体について特にパニックになったり、ひどく心配したりする必要はない」と、NASAの地球近傍天体研究センター(CNEOS)の技術責任者であるダビデ・ファルノッキア(Davide Farnocchia)がBusiness Insiderに語った。
それでも、この「2024 YR4」と呼ばれる小惑星は、ここ20年間で地球にとって最大の衝突リスクとなっており、すでに国際的な惑星防衛計画の検討が始まっている。
どの程度の脅威なのか
1月30日の朝時点で、2032年に衝突する確率は1.3%、つまり77分の1の確率となっている。
現在、NASA主導の国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)と、欧州宇宙機関(ESA)主導の宇宙ミッション計画諮問グループ(SMPAG)という2つの国際的な小惑星対応組織がこの状況を積極的に監視している。
ESAの1月29日の声明によると、SMPAGが2月初旬にウィーンで会合を開き、その時にリスクが1%を超えたままであれば、「宇宙船を用いた対応策の検討を開始する可能性がある」という。
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【絆さんの投稿】
引用元 https://www.businessinsider.jp/article/2502-asteroid-yr4-possible-earth-impact-2032-odds-nasa-esa/
小惑星「2024 YR4」が2032年に地球に衝突する可能性があるというニュースは、多くの人にとって衝撃的なものだろう。NASAの発表によると、その確率は1.3%、すなわち77分の1とされている。この数値だけを見れば、極めて低い確率にも思えるが、天文学の世界では異例の高確率とも言える。なぜなら、通常、小惑星が地球に衝突する確率は限りなくゼロに近いことが多いからだ。
しかし、こうした天体衝突のリスクに関するニュースを目にすると、人類が宇宙という広大な環境の中でどれほど脆弱な存在であるかを改めて考えさせられる。地球はこれまでにも何度も小惑星の衝突を経験しており、その影響で生態系が大きく変化したこともある。最も有名なのは約6600万年前に恐竜を絶滅させたとされる小惑星の衝突だ。あの時の衝突によって地球の環境は劇的に変化し、生態系の大部分が破壊されたとされている。
今回の「2024 YR4」は、都市を壊滅させるほどのサイズとされており、万が一地球に衝突すれば甚大な被害をもたらす可能性がある。だが、NASAの科学者は過度な心配は不要だと説明している。確かに、詳細な観測データが集まれば、衝突の確率がゼロになる可能性も十分にある。それでも、こうしたリスクが存在する以上、惑星防衛の必要性について改めて考えるべきではないだろうか。
現在、NASAやESA(欧州宇宙機関)は国際的な惑星防衛計画を検討しており、万が一の事態に備えて小惑星の軌道を変更するミッションの可能性を探っている。これは、単なる空想科学の話ではなく、すでに現実的な技術として開発が進んでいるものだ。実際、NASAは2022年に「DART(Double Asteroid Redirection Test)」というミッションを実施し、小惑星に宇宙船を衝突させて軌道を変える実験を成功させている。この技術が確立されれば、将来的に地球に衝突する可能性のある天体を事前に回避することも可能になるかもしれない。
しかし、こうした技術が発展しても、すべてのリスクを完全に排除できるわけではない。小惑星の観測には限界があり、現在発見されていない天体が突然地球に接近する可能性もある。実際、地球近傍天体(NEO)のうち、まだ発見されていないものは多数存在すると考えられている。そのため、継続的な観測と防衛技術の向上が必要不可欠だ。
一方で、小惑星衝突のリスクを考えることは、宇宙開発の重要性を見直す機会でもある。宇宙という広大な空間の中で、地球は非常に小さな存在であり、常に外部の脅威にさらされている。これに対処するためには、国際協力が不可欠だ。NASA、ESA、日本のJAXAなど、世界中の宇宙機関が協力してデータを共有し、技術を向上させることが求められる。
また、小惑星の衝突が地球にもたらす影響についても冷静に考える必要がある。仮に直径数百メートル級の小惑星が海に落下すれば、大規模な津波が発生し、沿岸地域に甚大な被害を与える可能性がある。陸地に落ちれば、爆発的な衝撃波が発生し、広範囲にわたって被害を及ぼすだろう。そのため、単に「衝突する可能性は低い」と安心するのではなく、万が一に備えた対策を真剣に考えるべきだ。
こうした脅威を前にして、我々にできることは何か。まずは、宇宙に関する知識を深め、天文学や惑星防衛の重要性を認識することが大切だ。次に、政府や研究機関が行っている小惑星観測や防衛計画に関心を持ち、支援していくことも必要だろう。さらに、未来の技術開発に期待を寄せながら、新しい宇宙開発の可能性を探ることも重要になる。
今回の「2024 YR4」のニュースは、決してパニックを引き起こすものではない。しかし、このようなニュースが報じられるたびに、地球が宇宙の中でどれほど無防備な存在であるかを改めて実感する。人類はこれまで科学技術の発展によって様々な危機を乗り越えてきたが、宇宙の脅威に対してはまだ十分な対策が整っていないのが現実だ。
この先、「2024 YR4」の軌道がどうなるのか、詳細な観測結果を待つ必要がある。しかし、仮にこの小惑星が地球をかすめるだけであったとしても、次にもっと危険な天体が発見される可能性は十分にある。今回のニュースを契機に、惑星防衛の取り組みをさらに強化し、将来のリスクに備えることが求められる。
最終的に、今回の小惑星衝突の確率が限りなくゼロに近づくことを願いたい。しかし、それと同時に、人類がこうした宇宙の脅威に対して真剣に向き合うきっかけとなることを期待したい。科学技術の発展が続く限り、私たちはこうしたリスクに対応できる可能性が高まる。だからこそ、この問題を一時的な関心事として終わらせるのではなく、長期的な課題として取り組んでいく必要があると強く感じた。
執筆:編集部A
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