【シリコンバレー=山田遼太郎】米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞の取材でスマートフォンに代わる生成AI(人工知能)専用端末の開発に乗り出すと表明した。独自半導体の開発にも意欲を示した。AIの普及はIT(情報技術)産業を一新する機会とみて、2007年のiPhone登場から約20年ぶりのデジタル機器の革新を狙う。
アルトマン氏は3日に石破茂首相と首相官邸で面会を予…
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【日本経済新聞 電子版さんの投稿】
引用元 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN290GF0Z20C25A1000000/?n_cid=SNSTW001
OpenAIのサム・アルトマンCEOが、新たなAI端末の開発を進めているというニュースは、テクノロジー業界にとって大きな注目を集めるものだ。スマートフォンに代わる「生成AI専用端末」という発想は、これまでのデジタル機器の在り方を根本から変える可能性を秘めている。
アルトマン氏は、AIの進化がIT産業そのものを一新する機会だと考えているようだ。実際、スマートフォンの登場から約20年が経ち、デジタル機器の革新が求められている。スマホが登場した当時は、それまでの携帯電話の使い方を一変させ、多くの人々が日常的にインターネットにアクセスできる環境を生み出した。それと同じように、AI専用端末が登場すれば、日常のあらゆるシーンでAIが自然に活用される時代が訪れるかもしれない。
特に注目すべきなのは、OpenAIが独自の半導体開発にも乗り出す意向を示している点だ。これまで、AIの計算処理にはNVIDIAやAMDなどの企業が提供するGPUが主流だった。しかし、AI専用の端末を開発するならば、ハードウェアとソフトウェアの統合が不可欠となる。独自の半導体を開発することで、AIの処理をより効率化し、既存のスマートフォンとは異なる体験を提供できる可能性がある。
現在のスマートフォンは、汎用的なOS(iOSやAndroid)をベースにしており、多くのアプリを動かせる環境が整っている。一方で、AI専用端末となると、従来のスマートフォンとは異なり、AIを活用することが前提となる設計が求められる。そのため、どのような形でユーザーに利便性を提供できるのかが重要になる。
例えば、AIがユーザーの習慣や好みを学習し、最適な情報を提供するようなインターフェースが実装されるかもしれない。日常のスケジュール管理、健康管理、情報収集などがすべてAIを通じて最適化されるならば、現在のスマートフォンよりも便利な存在となる可能性がある。
また、OpenAIが手掛ける以上、生成AIを活用した機能が中心になると考えられる。例えば、音声アシスタントの進化形として、テキストの要約やリアルタイム翻訳、さらには文章や画像の自動生成機能が搭載されるかもしれない。これまでPCやスマートフォンで行っていた作業が、より直感的かつシームレスに処理できるようになれば、確かに「iPhone以来の革新」となる可能性もある。
ただし、AI専用端末にはいくつかの課題もある。まず、スマートフォンに完全に取って代わることができるのか、という点だ。スマートフォンは、電話機能を含むコミュニケーションツールとしての役割が大きい。AI端末が同じように通話やメッセージングをスムーズにこなせるのかが問われる。
また、プライバシーの問題も避けて通れない。AIは膨大なデータを処理するため、ユーザーの個人情報をどのように扱うのかが重要なポイントになる。特に、OpenAIのような企業がデータをクラウドで処理する場合、どこまで安全性が確保されるのかが懸念される。
さらに、AI専用端末が普及するかどうかは、価格設定にも左右されるだろう。スマートフォン市場はすでに成熟しており、ユーザーが新しい端末に移行するためには、それに見合うだけのメリットが必要となる。もしAI専用端末が高価なものになれば、多くの人が導入をためらう可能性もある。
こうした課題を克服できれば、AI専用端末は新しいデジタル時代の入り口となるかもしれない。これまでのスマートフォンが果たしてきた役割を超え、AIがより深く日常生活に入り込むことで、人々の暮らし方そのものを変える可能性がある。
今後、OpenAIがどのような製品を発表するのか、そしてそのAI端末が実際にどれほどの革新をもたらすのかに注目が集まる。現時点では、まだ構想段階にすぎないが、開発が進めば、数年後にはスマートフォンに代わる新たなデバイスが登場する可能性も十分に考えられる。
AIの進化が止まることはない。今回の発表は、単なる新製品開発の話にとどまらず、私たちのデジタルライフの未来を大きく変えるかもしれない重要な動きだ。これからの技術革新に期待したい。
執筆:編集部A
以下,Xより 【南出賢一 /大…