米国のトランプ大統領が20日に就任し、公約実現のために新たな政策を次々と打ち出している。就任初日から、早くも数十本の大統領令や覚書に署名した。どのような政策が盛り込まれているのか、主な分野ごとにまとめた。
不公正貿易を調査 | 米国の貿易赤字の原因や、他国による不公正な貿易慣行、為替操作などを調査する。結果によっては関税をかけることも検討する(1/20、覚書) |
カナダ・メキシコ・中国に関税発動 | メキシコとカナダからの輸入品に25%、中国には10%の追加関税を課す(2/1、大統領令) |
国境に国家非常事態を宣言 | メキシコとの国境への軍隊の派遣や、追加の壁の建設を命じる(1/20、大統領令) |
「侵略」する外国人の入国禁止 | 医療情報や信頼できる犯罪歴を提供できない外国人の入国を制限する(1/20、布告) |
米国籍を与えるルールの見直し | 米国で生まれた子どもには、ほぼ無条件で米国籍を得られる「出生地主義」を、大幅に制限する(1/20、大統領令) |
麻薬カルテルを外国テロ組織に指定 | 国境を越えて活動する麻薬カルテルやその他の組織を外国テロ組織に指定する(1/20、大統領令) |
難民受け入れの一時停止 | 難民受け入れプログラムに基づく難民の米国への入国を一時停止する(1/20、大統領令) |
グアンタナモ基地に移民を収容 | キューバのグアンタナモ米軍基地に、拘束した不法移民を収容する。3万人規模の計画だとされる(1/29、覚書) |
エネルギー非常事態を宣言 | 前政権でエネルギー供給が不安定になったとして、国内のあらゆる資源の活用を命じる(1/20、大統領令) |
国内のエネルギー資源の活用 | 電気自動車(EV)の普及策は撤廃し、液化天然ガス(LNG)の新規輸出許可の審査を再開する(1/20、大統領令) |
アラスカの資源活用 | アラスカの液化天然ガス(LNG)の開発を優先的に進める(1/20、大統領令) |
風力発電の見直し | 洋上や陸上の風力発電のため、連邦政府が管理する土地の貸与や認可を停止する(1/20、覚書) |
「政府効率化省」の新設 | 政府効率化省を大統領府内に新設する。トップには起業家イーロン・マスク氏が指名されている(1/20、大統領令) |
人事区分「スケジュールF」の復活 | 政府のキャリア職員の人事区分を変更する。これにより、解職が容易になると言われている(1/20、大統領令) |
リモートワークの終了 | 政府職員のリモートワークを終了し、職場勤務を義務づける(1/20、覚書) |
性別は男女の二つのみ | 男性と女性という二つの性だけを認めることを、国の政策として定める(1/20、大統領令) |
DEIの取り組みを廃止 | 「DEI」(多様性・公平性・包摂性)を推進する政府内の取り組みを廃止する(1/20、大統領令) |
トランスジェンダーの子どもの支援見直し | 19歳未満のトランスジェンダーの子どもがホルモン療法や性別適合手術をすることに対し、公的な医療保険の対象外にするなど支援をやめる(1/28、大統領令) |
学校教育での「過激な洗脳」を止める | 特定のジェンダーや人種を優遇する考え方を学校で教えることをやめ、代わりに愛国教育を推進する(1/29、大統領令) |
TikTok停止を猶予 | 中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国内でのサービス停止を75日間にわたり猶予する(1/20、大統領令) |
政府による検閲を終わらせる | 前政権では「偽情報」を理由にした検閲があったとして、政府による言論の自由の剝奪を禁止する(1/20、大統領令) |
世界保健機関(WHO)から脱退 | 米国が不当に高い分担金を要求されているとして、WHOからの脱退を通告する(1/20、大統領令) |
「パリ協定」から離脱 | 米国民に不当な負担をかけているとして、気候変動対策の国際ルール「パリ協定」からの離脱を通知する(1/20、大統領令) |
国際課税に参加せず | 経済協力開発機構(OECD)で合意した法人税に最低税率を導入する国際課税ルールは、米国では効力を持たないと通知する(1/20、覚書) |
海外援助の見直し | 米国の利益や外交政策に一致しない海外援助プログラムを見直す(1/20、大統領令) |
フーシを「外国テロ組織」に再指定 | 前政権の決定を覆し、イエメンの反政府武装組織フーシを「外国テロ組織」に再指定する(1/22、大統領令) |
米軍からトランスジェンダー思想を排除 | 米軍内での方針を見直し、トランスジェンダーの思想を徹底的に排除する(1/25、大統領令) |
米軍でのDEIの取り組みを廃止 | DEIを推進する米軍内の部署や取り組みを廃止する(1/25、大統領令) |
ワクチン接種拒否の兵士を復職 | 新型コロナウイルスワクチンの接種拒否を理由に除隊にされた兵士に復職の機会を与える(1/25、大統領令) |
ミサイル防衛システムの開発 | 極超音速ミサイルなどに対応した次世代のミサイル防衛システムの開発計画にとりかかる(1/25、大統領令) |
バイデン政権の政策取り消し | 前政権によって出された大統領令など78件を取り消し。人種の公平性実現への支援や、性自認に基づく差別の防止、気候変動への取り組みなどが含まれる(1/20、大統領令) |
議会襲撃事件をめぐる恩赦 | 2021年1月の連邦議会議事堂襲撃事件をめぐり、事件に加わった自らの支持者ら約1500人に恩赦を与える(1/20、布告) |
地名の変更 | アラスカ州の北米最高峰デナリを旧称のマッキンリーに戻す。メキシコ湾は「アメリカ湾」に改称する(1/20、大統領令) |
死刑の忠実な執行 | 死刑執行に消極的だった前政権から一転し、死刑を忠実に執行する(1/20、大統領令) |
デジタル金融技術の促進 | 暗号通貨などのデジタル資産の利用を保護、促進する。中央銀行デジタル通貨は禁止(1/23、大統領令) |
JFK暗殺事件の資料の機密解除 | ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件に関して非公開になっていた資料を公開する(1/23、大統領令) |
人工知能(AI)の既存の政策の取り消し | イデオロギー的な偏見のないAI開発のため、人工知能行動計画を策定する(1/23、大統領令) |
ロサンゼルスの山火事対策 | 大規模な山火事に対応するため、必要な水源の確保に向けた緊急措置を命じる(1/24、大統領令) |
中絶に関連する政府事業の廃止 | 女性が中絶や避妊などの医療にアクセスしやすくするために講じたバイデン前大統領の大統領令を撤回(1/24、大統領令) |
「反ユダヤ主義」対策を強化 | ユダヤ系の学生に対する大学構内での嫌がらせや暴力行為を問題視し、加害者の訴追や排除を命じる(1/29、大統領令) |
[全文は引用元へ…]
【朝日新聞デジタルさんの投稿】
引用元 https://www.asahi.com/articles/AST1L1T17T1LUHBI009M.html?ref=tw_asahicom
トランプ大統領が就任し、わずか数日で数十本の大統領令や覚書に署名したというニュースを見て、その行動力に驚かされた。これほどまでに次々と政策を打ち出し、公約を即座に実行に移すリーダーは、世界でも珍しいのではないか。
特に目を引いたのは、不公正な貿易の見直しや国境管理の強化、エネルギー政策の転換といった、大胆かつ即効性のある決定だ。例えば、カナダ・メキシコ・中国への追加関税発動は、国内産業の保護を最優先に考えた政策といえる。前政権ではグローバリズムの流れが強かったが、トランプ大統領は明確に「アメリカ第一」を打ち出し、自国の利益を最優先にする姿勢を貫いている。
また、移民政策に関しても、入国規制を厳格化し、不法移民に対しては厳しい措置を講じている。国境への国家非常事態宣言や、メキシコとの壁の建設推進、不法移民の収容施設の拡充など、強い意志を感じさせる。さらに、出生地主義の見直しにより、「アメリカで生まれたら自動的に市民権が得られる」という制度を制限する方針を示した。これにより、不法移民が子どもを利用して合法的な滞在資格を得る「アンカーベイビー」問題にメスを入れることになる。
エネルギー政策では、国内資源の活用を優先し、前政権が推し進めていたEV(電気自動車)普及策を撤廃した。これにより、アメリカのエネルギー自給率を高めると同時に、国内の産業活性化にもつながるだろう。風力発電の見直しやアラスカのLNG(液化天然ガス)開発推進も、実用性を重視した政策と言える。
また、軍事・安全保障面では、麻薬カルテルを外国テロ組織に指定し、国境を越えた犯罪組織への対応を強化。さらに、フーシ派を再びテロ組織に指定することで、中東政策の軸を見直す方針を打ち出している。こうした決定は、アメリカの安全保障だけでなく、国際社会にも大きな影響を及ぼすだろう。
国内政策においても、大きな転換が行われている。例えば、政府職員のリモートワークを終了し、職場勤務を義務付ける方針を発表した。コロナ禍以降、リモートワークが定着していたが、生産性の向上を目的として見直しを進めるようだ。また、政府の無駄を省くために「政府効率化省」を新設し、トップにイーロン・マスク氏を指名した点も興味深い。マスク氏のような実業家が行政の効率化を推進することで、官僚主義の弊害を取り除こうとしているのかもしれない。
さらに、トランプ大統領はDEI(多様性、公平性、包括性)の取り組みを廃止し、実力主義を重視する方針を示した。これは、「特定の人種や性別を優遇するのではなく、能力に基づいた評価を行うべきだ」という考えに基づいている。学校教育でも「過激な洗脳を止める」とし、愛国教育を推進する方針を打ち出している。
国際機関との関係でも、大きな決断を下した。WHO(世界保健機関)からの脱退を通告し、パリ協定からも離脱を通知した。これらの組織がアメリカにとって不公平な負担を強いているとの判断から、国益を最優先にするための措置だと考えられる。また、OECD(経済協力開発機構)で合意された国際課税ルールにも参加しない意向を示した。
こうした政策を見ていると、改めてトランプ大統領の行動力に感心する。日本では、政策を決めるまでに時間がかかり、決まったとしても実行されるまでに何年もかかることが多い。それに比べ、トランプ大統領は就任直後から矢継ぎ早に政策を打ち出し、すぐに実行に移している。これが本当の「リーダーシップ」なのではないかと思う。
アメリカが自国の利益を最優先に考えるのは当然のことだが、日本も同じように「日本第一」の政策を打ち出すべきではないだろうか。例えば、外国人への過剰な給付を見直し、日本国民の生活を最優先に考える政策を進めるべきだ。また、日本国内のエネルギー政策についても、現実的な視点で見直す必要がある。
もちろん、アメリカと日本では政治体制や経済状況が異なるため、すべてを同じように進めることは難しい。しかし、自国の利益を最優先に考えるトランプ大統領の姿勢は、日本の政治家も学ぶべき点が多いのではないか。特に、安全保障や経済政策において、国際社会の動向に流されるのではなく、日本の国益を守るための決断を迅速に行うことが求められている。
トランプ大統領の就任によって、アメリカの政策は大きく転換しつつある。この流れが日本にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目していきたい。
執筆:編集部B
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