立憲民主党の酒井菜摘氏は選択的夫婦別姓の導入について質問。「経団連も選択的夫婦別姓制度の早期実現を求めている。旧姓の通称使用拡大では、長期的なキャリア形成やグローバルな活躍に際し、多くの不都合が解消しないのではないか」と尋ねた。
石破茂首相は「いつまでも引きずっていい話だとは思っていない」とし、「いろんなお話を聞いて、自分の考えが変わったものもあるので、党の中で議論の頻度を上げ、解を見いだすことは、責任政党である以上、当然のことだ」と述べた。
[全文は引用元へ…]
【Toby Dadさんの投稿】
引用元 https://www.asahi.com/articles/AST1Z2JLXT1ZUTFK009M.html
選択的夫婦別姓をめぐる議論が続いている。立憲民主党の酒井菜摘氏は、経団連も早期導入を求めていることを指摘し、「旧姓の通称使用拡大では、長期的なキャリア形成やグローバルな活躍に際し、多くの不都合が解消しないのではないか」と政府の対応を問いただした。
一方、石破茂首相は「いつまでも引きずっていい話だとは思っていない」とし、議論を深める考えを示した。この発言からは、政府としても決して現状維持を前提としているわけではなく、慎重に検討を進めていることがうかがえる。
選択的夫婦別姓は、長年にわたり議論されてきたが、日本社会の価値観や家族制度の在り方に深く関わる問題であるため、意見が大きく分かれている。現行制度では、夫婦はどちらかの姓を選択しなければならず、結婚後も旧姓を使いたい場合は、通称としての使用に限られる。そのため、キャリアや社会的な信用の積み重ねがある人にとって、結婚による姓の変更が不便となるケースが多い。
特に、海外では夫婦別姓が一般的な国が多いため、日本の現行制度が国際的な標準と合わないという指摘もある。企業活動においても、ビジネスパートナーが日本特有の夫婦同姓制度を理解していない場合、説明が必要になることもあり、無駄な手間が発生することがある。こうした点から、経済界でも選択的夫婦別姓の導入を求める声が強まっている。
とはいえ、日本の家族制度は伝統的な価値観と密接に結びついているため、簡単に変更できるものではないという意見も根強い。夫婦が同じ姓を名乗ることによって家族の一体感が生まれるという考え方もある。また、子どもの姓をどうするかという問題も無視できない。仮に夫婦別姓を認めた場合、子どもがどちらの姓を名乗るのかについて新たなルールを設ける必要がある。
旧姓の通称使用が拡大されることで、一定の不便が解消されるという見方もあるが、酒井氏の指摘のように、通称使用だけでは限界があるのも事実だ。公的な場面では改姓が必要となるケースが多く、特に海外での活動が多い人にとっては、通称使用では対応しきれない問題が生じる。
現行の制度を維持するか、選択的夫婦別姓を導入するか、どちらが日本社会にとって最善なのかは慎重に議論されるべきだ。しかし、これまでの経緯を見ても、社会の変化に伴ってこの問題が解決されることなく先送りされてきたことは否定できない。石破首相が「いつまでも引きずっていい話だとは思わない」と述べたことは、政府としても本腰を入れて検討する姿勢を示したものといえる。
この問題を解決するには、日本の伝統的な家族観を尊重しつつも、現代社会に適応した柔軟な制度設計が求められる。国民の価値観が多様化する中で、全員が納得する解決策を見出すことは難しいかもしれないが、まずは冷静な議論を重ねることが必要だろう。
執筆:編集部A