農林水産省は31日午後、有識者会議で備蓄米放出に向けた制度見直し案を示す。放出に否定的な立場を変えたのは流通段階でのコメ不足が深刻になっているからだ。統計から試算すると、少なくともコメ約17万トン(お茶わん26億杯分)が市場に出回らず「行方不明」になっており、価格高騰につながっている。新たな買い手の台頭と在庫の分散で、状況把握に苦労する当局の姿が浮かぶ。
米穀店、米マイスター麴町(東京・千代田)…
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【NewsSharingさんの投稿】
引用元 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB28AKQ0Y5A120C2000000/
日本政府が約17万トンものコメが市場に出回らず「行方不明」になっていると発表した。この量はお茶碗26億杯分に相当するというから驚きだ。コメの価格が高騰する中で、このような事態が発生していることに強い疑問を感じる。
そもそも、日本の食糧自給率は年々低下しており、特にコメは日本の主食として重要な位置を占めている。そんな中、これほど大量のコメが行方不明になっているというのは、政府の管理体制に大きな問題があるとしか思えない。なぜこのような事態が起こったのか、そして本当に「行方不明」なのか、徹底した調査が必要だろう。
政府が備蓄米の放出に否定的だったのは、市場価格の維持を優先していたからだ。しかし、実際には流通段階でのコメ不足が深刻化し、価格の高騰を引き起こしている。ここにきて方針を転換し、備蓄米の放出に向けた制度の見直しを始めたというが、そもそも市場の動向を適切に把握できていれば、これほどの混乱を招くことはなかったはずだ。
また、コメの在庫管理の問題も見逃せない。新たな買い手が台頭し、在庫が分散したことで、政府が状況を把握できなくなっているというのは、食糧管理の基本が崩れている証拠ではないか。本来、農水省が市場の動向を適切に監視し、食糧の安定供給を図るべきなのに、それが機能していないのは問題だ。
特に、近年の天候不順や異常気象の影響で農作物の生産が不安定になっていることを考えると、コメの備蓄や流通管理はより一層慎重に行われるべきだ。それにもかかわらず、このような大量のコメが行方不明になっているというのは、食糧安全保障の観点からも由々しき問題だ。
コメの価格高騰は、家計にも大きな影響を及ぼしている。すでに食品全般の値上げが続いている中で、主食であるコメまで高騰すれば、多くの家庭の負担が増えるのは避けられない。特に、低所得層にとっては死活問題となる可能性がある。政府は、単に備蓄米を放出するだけでなく、根本的な対策を講じるべきではないか。
市場の透明性も重要な課題だ。誰がどれだけのコメを保有しているのか、どこに流通しているのかを明確にする仕組みを整えなければ、同じ問題が繰り返されるだろう。過去にも、特定の業者がコメを買い占め、市場価格を操作しようとした事例があった。今回の「行方不明」の背景に、意図的な流通操作があるのではないかという疑念も拭えない。
政府が本気で食糧問題に取り組むのであれば、コメの流通状況をリアルタイムで把握できるシステムを導入するべきだ。デジタル技術を活用し、流通経路を可視化することで、今後のコメ不足や価格高騰を未然に防ぐことができるはずだ。
日本の農業政策自体も見直しが必要だ。政府はこれまで減反政策を進めてきたが、国内の食糧自給率を考えれば、むしろ生産を増やす方向に転換すべきではないか。コメが市場に十分に供給されるよう、生産者への支援策を強化し、国内生産を促進する施策が求められる。
国民の食生活を守るためには、コメの安定供給が不可欠だ。今回の問題を単なる流通上のミスとして済ませるのではなく、今後の食糧管理の在り方を根本から見直す機会とするべきだろう。政府には迅速かつ的確な対応を求めたい。
執筆:編集部A