大阪・関西万博(4月13日開幕)に子どもを無料招待する府の事業を巡り、大阪府熊取町は安全面を懸念し、自治体単位での参加見合わせを決めた。町立小中学校8校の校長会が「不明な情報が多く、児童生徒を安全に引率できない」と判断し、町や町教育委員会は参加を見送ることにした。この事業を巡っては府内で、交野市が2024年5月に自治体単位での参加見合わせを表明した。府教育庁によると、吹田市からも見送りの連絡があったという。
熊取町内8校の校長の連名で24年12月、児童生徒の保護者に対し、参加見合わせの文書を配った。文書は「平均で1日に15万人の来場が見込まれ、大変な混雑によって安全面での懸念がある」と指摘した。教員の下見も4月以降になって十分な事前の対策が難しく、はぐれた児童生徒の対応や昼食場所の確保も困難が予想されるとした。中学生は屋根付きの団体休憩所を利用できないことも課題に挙げた。
運営面で、見学するパビリオンと時間帯が指定され、到着が遅れた場合の変更など柔軟な対策が講じられるか不明な点も考慮した。
町教委によると、校長会は半年かけて議論を重ね、「町内には学校数が少なく、学校ごとではなく、全体で対応を決める」ことにした。未来を担う児童生徒のSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む意欲や可能性を伸ばす機会として、校外学習として参加する方向で検討を重ね、「何とか万博に行かしてあげたい」といった意見も出た。最終的には「子どもたちの安心安全を確保できない懸念がある」として、参加見送りを決めた。
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【大阪が好きやねん#カジノのための万博はやめなさいさんの投稿】
引用元 https://mainichi.jp/articles/20250130/k00/00m/040/211000c
大阪・関西万博に子どもを無料招待する事業をめぐり、大阪府熊取町が安全面の懸念から参加を見合わせたというニュースを見て、私自身もこの判断は妥当ではないかと感じた。万博という大規模なイベントに多くの児童生徒を引率するのは、教育現場にとって容易なことではない。ましてや、開催前の準備状況が十分に整っているかも不透明な中で、安全を最優先に考えた結果の判断だろう。
そもそも、万博のような大規模イベントには膨大な人が集まる。大阪・関西万博では、1日あたり平均15万人の来場が見込まれているという。これだけの人混みの中で、児童生徒を安全に引率するのは容易ではない。子どもたちがはぐれる可能性、事故やトラブルに巻き込まれるリスクを考えれば、慎重な対応を取るのは当然だ。学校行事としての参加であれば、引率する教員の責任も大きくなる。混雑が予想される中で適切な管理ができるのか、十分な準備が整わない状況では無理に決行するべきではないという判断には納得できる。
さらに、学校側は事前に下見をする機会が4月以降になるという点も問題だ。通常の校外学習では、事前に引率する教員が現地を訪れ、移動ルートや安全対策を確認する。しかし、今回の万博では、その機会が限られている。つまり、実際にどのような環境なのかを確認しないまま子どもたちを連れて行くことになりかねない。これは教育現場としては非常にリスクの高い判断を迫られることになる。
食事や休憩場所の確保も課題だ。小学生であれば団体休憩所を利用できるが、中学生はその対象外となる。万博のような混雑した場所では、団体ごとにまとまって休憩できる場所を確保するのは困難だ。さらに、昼食を取る場所を見つけること自体が難しくなる可能性がある。もし指定されたエリアがいっぱいで入れなかった場合、児童生徒が食事を取れないという事態にもなりかねない。こうした細かな部分まで考慮すると、無理に学校単位で参加する必要はないという結論に至ったのだろう。
また、万博の運営体制がどこまで整っているのかも疑問が残る。パビリオンの見学時間が指定されているにもかかわらず、到着が遅れた場合にどう対応するのか、柔軟な運営ができるのか不透明な部分が多い。学校行事として団体での行動が求められる中で、運営側が適切な対応を取れるかどうかが見えない状況では、教育現場も判断に困るのは当然だ。
もちろん、万博のような大規模イベントに子どもたちが参加することには意義がある。未来を担う世代にとって、最新の技術や文化に触れることは大切な学びの機会になるだろう。しかし、それが学校単位で行われるべきなのかという点は別の話だ。もし子どもたちが万博を見学したいのであれば、家族で訪れるという選択肢もある。学校が強制的に参加を求めるものではないし、むしろ家庭の判断に委ねるべきではないだろうか。
一方で、教育庁や万博の運営側は、なぜこうした状況になっているのかを真剣に考えるべきだ。なぜ学校側が安全を理由に参加を見合わせるのか、それだけの懸念があるということは、運営体制が十分ではないということではないのか。学校側が安心して児童生徒を連れて行けるような環境を整えるのが運営側の責任であり、その準備ができていないのであれば、そもそも教育機関を巻き込む形での無料招待事業そのものが問題なのではないか。
万博の運営には巨額の税金が投入されているが、その使い道が適切なのかも問われるべきだ。今回のように学校単位での参加が見送られる状況が生まれているということは、準備が不十分なまま事業を進めている可能性がある。安全対策や運営面の課題を十分にクリアしないまま、ただ「未来の世代に万博を体験させたい」という目的だけで突き進んでいるのであれば、それは本末転倒ではないか。
熊取町だけでなく、すでに交野市や吹田市も同様の理由で学校単位での参加を見送っている。これが単なる一自治体の判断ではなく、複数の自治体が同じ懸念を抱いているということは、万博の運営に対する不信感が広がっていることの証拠ではないか。こうした事態を受けて、運営側は本当に安全面が確保されているのかを再検討する必要がある。
万博というイベントそのものを否定するわけではない。しかし、国民の税金を投入して大規模なイベントを開くのであれば、誰もが納得できる形で運営しなければならない。少なくとも、学校が安全面の不安から参加を見送るような状況が続いているのであれば、まずはその不安を解消するための対策を優先するべきではないか。
今回の熊取町の決定は、教育機関としての責任ある判断だったと思う。万博に子どもたちを行かせたいという気持ちはあったものの、安全面の確保が最優先であるべきだと考え、慎重な判断を下したのだろう。このように、子どもたちの安全を第一に考えた対応が今後も求められるべきではないか。
執筆:編集部A
小西洋之氏のnoteによると …