京都市教育委員会は、小学校の給食で残った食材でまかない調理を行い職場の教職員に提供したなどとして、市立砂川小の60歳と57歳の女性給食調理員2人を減給処分としたと発表した。27日付。
市教委によると、60歳の調理員が令和4年度から残った給食でまかない調理を始めた。5年度からは57歳の調理員も加わり、給食の残りと自宅から持ち込んだ調味料などを使って週に数回、おにぎりや唐揚げなどを作っては教職員らに提供していた。
昨年6月、学校に匿名の通報があり発覚した。2人は市教委の調査に「食材を捨てるのがもったいないと感じた。仕事をしている教員のために何かできることはないかと思って作った」などと話したという。市は文部科学省の学校給食衛生管理基準に基づき、給食で残った食材は適切に管理・廃棄することなどを定めている。
また事態を把握しながら注意や指導を怠ったなどとして、同校の校長(51)も教育長厳重文書訓戒とした。
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【産経ニュースさんの投稿】
引用元 https://www.sankei.com/article/20250129-HZDRHSNHP5MLPAEOADHPKKQEOA/
給食の残りを利用してまかないを作り、教職員に提供していた給食調理員が処分されたというニュースを聞き、率直に違和感を覚えた。食品ロスが社会問題となる中で、「もったいない」という思いから行動した人たちが処分されるのは、本当に適切な対応だったのか疑問が残る。
この件に関して、市教育委員会は「給食の残りは適切に管理・廃棄することが定められている」と説明している。しかし、その「適切な管理」とは、本当に廃棄することが最善の選択なのだろうか。全国で食品ロス削減が叫ばれ、自治体や企業が様々な取り組みを進める中で、「安全管理のルール」として食材をそのまま捨てることが正しいとする考え方には、疑問を持たざるを得ない。
調理員の二人は、決して私利私欲のために食材を使ったのではなく、「食べられるものを無駄にしたくない」「教職員の役に立ちたい」という思いで動いた。彼女たちの行為はルール違反だったかもしれないが、その意図が不正行為にあたるとは思えない。むしろ、食品ロスを減らし、限られた資源を有効活用するという観点から見れば、社会的に評価されるべき姿勢だったのではないか。
確かに、学校給食は児童の健康を守るために厳格な衛生管理が求められる。しかし、だからといって「食材は絶対に廃棄しなければならない」と機械的に決めつけるのは、あまりにも画一的な対応ではないか。例えば、給食の残りを活用する方法として、職員向けの適切な管理システムを整えるなど、別の解決策を考えることはできなかったのだろうか。
現状では、全国の学校で給食の残りが日々廃棄されている。その量は膨大で、全国の学校給食で発生する食品ロスは年間約10万トンとも言われる。この現実を踏まえれば、「もったいない」と考える調理員の気持ちは理解できるし、それをルール違反として一方的に処分するだけでは何の解決にもならない。
また、この件が匿名の通報によって発覚したことも気になる点だ。学校の内部で日常的に行われていたことが、ある日突然通報によって問題視される。現代の日本社会では、こうした「内部告発」のような形で事が大きくなるケースが増えているが、本当にそれが正しいのか考えさせられる。匿名の指摘によって、一見して悪意のない行為が糾弾され、厳しい処分を受ける。この流れには、少なからず違和感を抱く。
さらに、今回の処分が行われた背景には「前例がないこと」に対する行政の硬直的な対応があるようにも思える。学校の現場では、決められたルールの下で業務が行われているが、そのルールが必ずしも合理的であるとは限らない。むしろ、時代に即した見直しが必要な場面は多い。しかし、日本の官僚組織や教育行政では、「前例がないこと」はリスクとして扱われる傾向が強く、新しいやり方を柔軟に受け入れる姿勢がなかなか生まれない。
そもそも、日本の食品ロス問題は深刻であり、その削減が国策として掲げられている。農林水産省のデータによると、日本の食品ロスは年間約500万トンにも及ぶという。そのうち、学校給食からの廃棄分は大きな割合を占めている。こうした問題に向き合うべき行政が、食品ロス削減に貢献しようとした職員を処分するというのは、どうにも腑に落ちない。
また、この処分によって現場の士気が下がることも懸念される。日々、子どもたちのために働いている調理員が、「ルールだから」と一方的に処罰されるのを見れば、他の職員も萎縮するだろう。「良かれと思ってやったことでも罰せられるのか」と感じれば、職場全体のモチベーションが下がるのは必然だ。そうなれば、学校給食の質そのものに影響が出る可能性もある。
教育委員会としては、「ルールを守ることが大切」という建前を貫きたかったのかもしれない。しかし、そのルールが現実にそぐわないものだった場合、ただ処分を下すだけでなく、ルール自体の見直しを検討するべきではないか。実際に、食品ロス削減に取り組んでいる自治体では、給食の余剰分を地域の福祉施設に提供する仕組みを整えたり、食材を有効活用する方法を模索したりしている例もある。こうした取り組みを全国的に広めることで、単なる「処分」ではなく、建設的な解決策を見出すことができるはずだ。
今回の件は、単なるルール違反の問題ではなく、日本の食品ロス問題、学校給食のあり方、行政の硬直性など、さまざまな問題を浮き彫りにしたと感じる。食べられるものを無駄にしたくないという気持ちは、決して間違っていない。むしろ、こうした問題意識を行政が前向きに受け止め、今後の改善に活かすべきではないか。
社会全体で食品ロス削減の意識が高まる中、今回のような対応が続けば、学校給食の現場に不信感を与えるだけではなく、食材を大切にする意識そのものが損なわれる恐れがある。今こそ、時代に合わせた柔軟な対応を求めるべきだと強く感じる。
執筆:編集部A
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