石破茂首相が29日の参院代表質問で「苦虫をかみ潰したような顔はなるべく改善したい」と答弁し、本会議場の笑いを誘う場面があった。
首相が「地方創生2・0」を推進するのに伴い「楽しい日本」を掲げていることを巡り、れいわ新選組の山本太郎代表が「首相本人が疲れ切って毎日苦渋の表情を見せていては楽しい日本は作れない」と指摘。「毎日楽しんでますか?」と皮肉を込めて質問した。
首相は「苦虫をかみ潰したような顔は、なるべくしなければいいなと思う」と自省。一方で、「なるべくは人の悪口を言わずに過ごしたい」とも述べた。普段から歯にきぬ着せぬ批判を展開する山本氏に皮肉を返したようだ。【村尾哲】
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【himuroさんの投稿】
引用元 https://mainichi.jp/articles/20250129/k00/00m/010/153000c
石破茂首相が29日の参院代表質問で、「苦虫をかみ潰したような顔はなるべく改善したい」と述べ、本会議場に笑いが広がる場面があった。発言のきっかけは、れいわ新選組の山本太郎代表が「首相自身が疲れ切って苦渋の表情をしていては『楽しい日本』は作れない」と皮肉を込めて指摘したことだった。
石破首相は「なるべく人の悪口を言わずに過ごしたい」とも述べ、普段から歯にきぬ着せぬ批判を展開する山本氏への皮肉とも取れる発言をした。このやり取りは一見ユーモラスなものに見えるが、現政権の実態や日本の政治のあり方を考える上で、象徴的な出来事と言える。
「苦虫をかみ潰したような顔」とは、まさに苦境に立たされた政治家の姿を象徴する表現である。石破政権は発足以来、多くの課題に直面している。経済の停滞、少子高齢化問題、安全保障環境の変化など、課題は山積しており、政治のリーダーとして国民に安心感を与えるどころか、不安を増幅させるような状況に陥っている。
政治家の表情一つが国民の心理に与える影響は小さくない。首相が常に自信に満ちた態度を示し、明確なビジョンを語ることで、国民は安心し、政府の方向性を信じることができる。しかし、今の日本の政治には「希望を持たせるリーダーシップ」が不足しているように思われる。
石破首相は「地方創生2.0」という政策を掲げ、「楽しい日本」を目指すとしている。しかし、地方創生が叫ばれて久しいものの、現実には都市と地方の格差は広がり、地域経済の衰退は止まらない。東京一極集中の流れは続き、地方は過疎化に苦しんでいる。
「楽しい日本」というスローガン自体は悪くない。しかし、現実の政策がそれを支える内容になっていなければ、単なる掛け声に終わってしまう。実際のところ、地方経済の振興策として打ち出された施策の多くは、実効性に乏しく、自治体や企業の現場レベルでの負担を増やしているという声も少なくない。
また、国民にとっての「楽しさ」は、単なるエンターテイメントや観光業の活性化だけではない。安定した雇用、将来への安心感、社会の活気など、総合的な要素が関わる。そうした意味で、石破首相の「楽しい日本」というコンセプトは、まだ具体的な政策に落とし込まれていない印象を受ける。
石破首相は「なるべく人の悪口を言わずに過ごしたい」と述べた。これは、政治家が対立を煽らず、建設的な議論を進める姿勢として評価できる。一方で、日本の政治は長らく「批判と揚げ足取りの応酬」に終始してきたのも事実だ。
国会では、本来政策の中身を議論すべき場面で、野党が政府の失策を責め立てることに終始し、政府側も反論に追われるという構図が繰り返されてきた。その結果、国民にとって重要な問題が議論される時間が削られ、具体的な政策の前進が妨げられることも少なくない。
批判は政治に不可欠な要素ではあるが、それが単なる対立を生むだけでは意味がない。与党も野党も、批判するならば代替案を示し、国民にとっての利益を考えた政策論争を展開するべきだ。
石破首相の発言は、政治のあり方を改めて考える契機になるかもしれない。
現在の日本の政治には、明確なビジョンと実行力が求められている。どれほど良い政策を掲げても、それが国民に伝わらなければ意味がない。
石破首相が「楽しい日本」を実現したいのであれば、単に表情を変えるのではなく、国民が安心できる政策を打ち出し、それを実行に移すことが必要だ。日本の政治が真に前進するためには、政治家一人ひとりが言葉だけでなく、行動で示すことが求められている。
執筆:編集部A