米メタ(旧フェイスブック)が1月上旬、投稿内容の事実関係を確認する第三者による「ファクトチェック」を米国で廃止すると発表した。こうした動きは世界のさまざまな少数者(マイノリティー)を危険にさらしかねないと、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のフォルカー・トゥルク人権高等弁務官が懸念を表明する論考を朝日新聞に寄せた。
寄稿全文は次の通り。
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メタがコンテンツの適正化とファクトチェックに関するポリシーを全面的に見直すと発表したことは、表現の自由を懸念するすべての人に警鐘を鳴らすはずだ。これらの動きは言論の自由を守るためだと主張されるが、多くの人々やコミュニティーにとっては言論の自由を侵害するものだ。
メタはテロリズムに関連するものなど、いわゆる重大な違反のみを制限するようにコンテンツの自動適正化を再調整すると発表した。テレグラムやX(旧ツイッター)など他の企業が採用している方針と併せると、世界最大のソーシャルメディアプラットフォームのいくつかで、虐待的で憎悪に満ちたコンテンツがさらに増える可能性がある。
[全文は引用元へ…]
【朝日新聞さんの投稿】
引用元 https://www.asahi.com/articles/AST1T1DJZT1TUHBI028M.html?ref=tw_asahi
ネット上のヘイト規制は検閲ではない、という国連人権高等弁務官の寄稿文を読んで、非常に考えさせられる内容だと感じました。特に、メタが米国内でファクトチェックを廃止する方針を発表したことに関連して、表現の自由と安全の両立がいかに難しいかを改めて考えさせられました。
表現の自由は民主主義社会において重要な柱ですが、それが他者を傷つけたり、差別や暴力を助長するものであってはならないというのもまた事実です。メタをはじめとする大手ソーシャルメディアが自社のコンテンツ規制方針を緩和する中で、トゥルク人権高等弁務官が指摘しているように、虐待的な投稿や憎悪に満ちたコンテンツが増える可能性があるのは大変憂慮すべきことだと思います。
ヘイトスピーチや差別的な言動が増えることは、ただでさえ社会的弱者として生きるマイノリティにとって、さらに厳しい状況を生む危険性を高めます。国連人権高等弁務官がこうした懸念を表明したことは、国際社会における重要な警鐘だと言えるでしょう。
しかし、表現の自由を擁護する立場からすると、こうした規制の導入が検閲や言論統制につながるのではないかという懸念も理解できます。自由な言論空間を保つためには、政府や民間企業が主観的な判断でコンテンツを削除したり規制することが、正当な範囲を超える可能性があるという指摘も無視できません。この問題は、まさに「表現の自由」と「安全の確保」のバランスをいかに取るかが問われているのだと思います。
寄稿文の中で触れられている通り、メタの新方針がテロリズム関連や重大な違反のみを対象にするとしても、その「重大な違反」の基準がどこにあるのかが曖昧であれば、結果的にヘイトスピーチが拡散されやすい状況を生むことになりかねません。特にアルゴリズムの調整による自動化されたコンテンツ管理では、人間の目を通さないために微妙なニュアンスや背景が見逃されてしまう可能性もあります。これが、社会的弱者をさらに孤立させる原因となる危険性も否定できません。
SNSがもたらす情報の広がりは、現代社会にとって大きな恩恵である一方で、それが誤情報や憎悪表現の拡散という負の側面を持つことも事実です。表現の自由を守ることは重要ですが、憎悪や差別を助長する投稿が放置されれば、その自由が他者を傷つけ、社会全体の信頼を損なう結果になるかもしれません。寄稿文で強調されていたように、この点に関しての議論がいかに重要であるかを再認識させられました。
この問題を解決するためには、国際的な基準や透明性のあるルール作りが求められるのではないでしょうか。企業だけでなく、政府や国際機関、さらには私たち一人ひとりが、どのようにして「自由」と「安全」を両立させるかを真剣に考えなければならない時代に来ていると感じます。
また、寄稿文を通じて、こうした規制が決して「検閲」ではなく、むしろ社会の安全と信頼を守るための必要な措置であるという点が強調されていました。この点については、個人の表現の自由が公共の利益と調和する必要があることを改めて考える契機となりました。
現実的には、全ての問題を一気に解決することは難しいでしょう。しかし、これ以上、憎悪や差別が広がらないような環境を整えることが求められていることは明らかです。SNS企業には、表現の自由を守りつつも、安全な言論空間を構築する責任があります。私たち利用者もまた、どのような情報を発信し、どのように受け止めるべきかを日々考えていく必要があると思います。
執筆:編集部A
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