【ヒノキ枝岐村さんの投稿】
引用元 https://x.com/sineaso/status/1883856815718637693?s=51&t=y6FRh0RxEu0xkYqbQQsRrQ
SNSのXで話題になっていた、2枚のエビの写真を使った投稿がとても印象的でした。1枚目には「額面」と書かれ、豪華なエビの写真が写っていました。身がぷりぷりで美味しそうなエビが写っており、一見して豊かさや満足感を感じる写真です。しかし、2枚目に目を移すと「手取り」と書かれており、殻や頭などがすべて取り除かれた後の、明らかに少なくなったエビの身が写っていました。この比較が示すものは、まさに日本の給料事情そのものです。
私がこの投稿を見たとき、「よくぞここまで簡潔かつ的確に表現したものだ」と感心しました。額面の給料が手取りに変わる過程で、どれだけの金額が税金や社会保険料として引かれているのか。この投稿はその現実を一目で理解させる力を持っています。単なる数字や表で説明するよりも、視覚的にこれほど伝わりやすいものはなかなかありません。
エビの例えが秀逸なのは、日本人にとってエビが身近であり、かつ「殻を剥くと身が思ったより少ない」という共通の体験に基づいているからでしょう。エビの殻を剥いたときの「思ったより小さいな」という感覚が、給料明細を見て「こんなに引かれているのか」と感じる驚きと重なります。この感覚は、特に社会人であれば誰もが一度は経験するものです。それをエビという身近な食品で視覚化した投稿は、非常に共感を呼ぶものだと思います。
また、この投稿が特に面白いのは、ただ皮肉を込めているだけでなく、現実を笑い飛ばすようなユーモアがある点です。現代の日本社会における高い税負担や社会保険料の問題は、多くの人が直面している課題です。しかし、深刻な話題だからこそ、こうしたユーモアのある視点で語られることで、問題が広く共有され、議論のきっかけになるのだと思います。
日本の税金や社会保険料の負担が重いことは、すでに多くの人が感じていることですが、具体的に何が引かれているのかを理解している人は少ないのではないでしょうか。所得税や住民税、厚生年金、健康保険料、さらには雇用保険料まで、給料明細には多くの控除項目が並びます。毎月の給与からこれだけの金額が差し引かれ、手取り額が大幅に減ってしまう現実は、多くの働く人々にとって悩みの種です。この投稿が広がった背景には、そうした不満や疑問が多くの人の中に潜在的に存在していることがあるのではないでしょうか。
また、税金や社会保険料がどのように使われているのかに対する不透明感も、この投稿に共感を呼ぶ一因だと感じます。例えば、引かれたお金がしっかりと年金や医療制度、福祉の充実に活用されているのであれば納得できるかもしれません。しかし、そうした使い道が明確に示されていない場合、人々の不満が蓄積するのは当然のことです。このエビの投稿は、まさにその感情を代弁しているようにも見えます。
それでも、この投稿は単なる批判に終わらず、見る人に笑顔をもたらす力を持っています。ユーモアや皮肉を交えつつも、日常的な事実を分かりやすく伝えることで、多くの人が「自分も同じだ」と共感し、話題を共有したくなるのです。現代社会では、SNSが情報発信の場として大きな影響力を持っていますが、このようにシンプルで効果的な表現が拡散されることで、社会的な問題が改めて注目されるという効果もあると感じます。
日本の税負担の高さや社会保険料の問題は、一朝一夕に解決するものではありません。しかし、こうした投稿をきっかけに、国民が現状について考える機会が増えれば、少しずつ変化が生まれるかもしれません。少なくとも、今の制度の中で何が課題であるのかを共有することは、解決に向けた第一歩になるのではないでしょうか。
最後に、この投稿の素晴らしさは、その表現力の高さと共感を生む力にあると感じます。エビという身近な例えを通じて、多くの人が感じる不満や驚きをユーモアを交えて伝えるこの投稿は、単なる批判を超えた価値を持っていると思います。今後もこうしたクリエイティブな発信が増え、日本の課題が多くの人々に共有されることを期待したいです。
執筆:編集部A