【柳本文貴@ゆる介護さんの投稿】
引用元 https://x.com/g_socialcare/status/1882382668970774662?s=51&t=y6FRh0RxEu0xkYqbQQsRrQ
最近、日本のメディアは芸能人の話題で持ちきりだ。特に中居正広さんの引退報道は、多くのニュースサイトやテレビ番組で大きく取り上げられている。しかし、それと同時に発表された「訪問介護の基本報酬の引き下げ」という重大なニュースは、ほとんど報道されることがなかった。このことに強い違和感を覚える。
介護業界は、高齢化が進む日本において社会の根幹を支える重要な存在だ。訪問介護サービスは、自宅での生活を望む高齢者にとって欠かせないものであり、その担い手であるヘルパーの役割は非常に大きい。しかし、今回の基本報酬引き下げにより、介護現場の負担はさらに増し、経営の厳しさは増すことになるだろう。それにもかかわらず、こうした重大な政策変更について、ほとんどのメディアは報じていない。
メディアが取り上げない理由の一つに、介護業界の声が小さいことが挙げられる。芸能ニュースは視聴率が取れる一方で、介護の話題は関心が薄いと見なされがちだ。しかし、実際には多くの国民にとって身近な問題であり、本来ならばもっと注目されるべきテーマではないだろうか。もし、現場のヘルパーたちが声を上げなければ、今後もこうした改定が続き、気付いた時にはサービスの質が低下してしまう危険性がある。
今回の報酬引き下げは、単に事業者の利益が減るという問題にとどまらない。結果として、現場のヘルパーたちの給与にも影響を及ぼし、待遇の悪化につながることが懸念される。介護業界はただでさえ人手不足が深刻であり、低賃金の現状がますます若者を遠ざける要因となっている。これでは、将来的に介護を必要とする高齢者が増える中で、サービスを受けられない人が出てくるのは避けられないだろう。
また、介護保険制度そのものにも問題がある。制度開始当初は、要介護者が適切なサービスを受けるための仕組みが整えられていたが、現在では財政難を理由にサービスの縮小が進められている。政府としては、高齢化による社会保障費の増大を抑えたいのだろうが、そのしわ寄せを受けるのは現場で働く人々と高齢者自身だ。現場の状況を知る人間として、この方針には疑問を感じる。
さらに、訪問介護の基本報酬が引き下げられれば、サービスの質が低下する可能性が高い。限られた時間と予算の中で、ヘルパーができることは限られている。その結果、利用者への対応が表面的になり、本来求められるきめ細やかなケアが行き届かなくなることが懸念される。こうした状況を招かないためにも、業界全体で現状を伝え、国民に理解を求めることが急務だ。
一方で、介護業界が積極的に声を上げなければ、問題はさらに深刻化していくだろう。現場の苦労を正しく伝えることで、国民の意識を変える必要がある。例えば、訪問介護の重要性やヘルパーの仕事内容を知ってもらうことで、国民の関心が高まれば、政策決定の場においても議論が進むかもしれない。
メディアの報道姿勢にも問題があると感じる。目先の視聴率を重視し、華やかな話題にばかり焦点を当てるのではなく、もっと社会の根本に関わるテーマを報じるべきだ。芸能ニュースが重要でないとは言わないが、同時に国民の生活に直結する問題についても、同じ熱量で報じてほしい。
また、私たち一人ひとりがこの問題を他人事とせず、関心を持つことが重要だ。介護は誰もが直面する可能性がある問題であり、決して一部の人だけの課題ではない。高齢者になった時に必要なサービスを受けられない未来が訪れるかもしれないと考えれば、今から真剣に向き合うべきではないだろうか。
最後に、訪問介護の基本報酬引き下げは、単なるコスト削減の問題ではなく、社会全体の課題として受け止めるべきだと考えている。国がどこに予算を投じるのかは、国民の未来に直結する問題であり、政治の在り方そのものを問うテーマだ。今こそ、介護業界の声を社会に届け、より良い未来を築くための議論を深める必要がある。
執筆:編集部A
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