奈良県は24日、10月に予定する韓国・忠清南道との日韓交流行事について、当初総額2億7000万以上とした県負担額を3000万円まで圧縮する案を示した。屋外ではなく屋内での開催が前提となる。予算が大きすぎると批判する県議に譲歩する姿勢を見せた。
県は2024年12月、奈良公園で入場無料のK―POPライブをする案を表明したが、県の負担総額が2億7000万円以上と見込まれることから、県議会が費用対効果を疑問視。2024年度12月議会で一部の議員が補正予算案に反対した他、賛成した議員も有料化や屋内開催を通じて費用節減を求める申し入れ書を山下知事に手渡していた。
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【毎日新聞さんの投稿】
引用元 https://mainichi.jp/articles/20250125/k00/00m/010/009000c
奈良県が韓国・忠清南道との日韓交流行事について、当初予定していた2億7000万円以上の県負担額を3000万円まで圧縮する案を示したというニュースを見て、予算削減の方向性自体は理解できるものの、そもそもこのイベント自体が本当に必要なのかという疑問が残る。
この交流行事は、奈良公園で入場無料のK-POPライブを開催するという案として発表されていた。しかし、多額の税金が投入されることに対して県議会から疑問の声が上がり、一部の議員は補正予算案に反対。最終的に有料化や屋内開催を通じて費用を削減する方向になった。
ここで考えるべきなのは、なぜ奈良県の税金を使って外国の芸能イベントを開催するのかという点だ。韓国との交流自体を否定するつもりはないが、奈良県の予算でK-POPイベントを実施する必要があるのかは疑問だ。文化交流を推進するなら、日本の伝統文化や奈良の魅力を発信するイベントにするほうが、地域振興にもつながるのではないか。
そもそも、2億7000万円という当初の予算額はあまりにも高額だ。税金を使う以上、費用対効果が求められるが、今回のイベントが奈良県にどれほどの経済的なメリットをもたらすのかは不透明だ。仮に観光客誘致が目的だとしても、そのために税金を投入するなら、日本文化を前面に出した企画の方が妥当ではないか。
また、県議会が指摘したように、イベントを無料で実施することにも問題がある。もし収益を得られないまま大規模な予算を投入するのであれば、負担はすべて県民にのしかかることになる。観光客を呼び込むためのイベントなら、ある程度は自己負担の仕組みを作るべきだろう。
今回、予算を3000万円まで削減する案が示されたが、それでも依然として県の負担は残る。最初に2億7000万円という予算が計上されていたことを考えると、そもそもなぜこれほどの規模で計画されたのか、その経緯を明確にするべきではないか。
県の財政を考えれば、このような交流イベントに多額の税金を投じるよりも、より県民の生活に直結する施策に予算を回すべきではないかという意見も多いだろう。例えば、教育や子育て支援、地域のインフラ整備など、奈良県内で優先すべき課題は他にもあるはずだ。
日韓交流自体は重要なテーマではあるが、その方法として外国の芸能イベントを開催することが最適解なのか、改めて考える必要がある。仮に交流を進めるなら、双方の文化を紹介し合うような内容にし、奈良県の魅力を発信する形にするべきではないか。
こうした税金の使い方については、県民の理解を得ることが何よりも重要だ。県民の関心が薄いまま進められれば、不信感が募ることになる。今後、どのように進めていくのか、透明性のある議論が求められる。
執筆:編集部B