フジテレビを巡る一連の問題を受け、23日、親会社のフジ・メディア・ホールディングスは日弁連のガイドラインに基づく第三者委員会の設置を決めた。
24日、これを受けて村上総務大臣は「昨日の第三者委員会の設置が決定されたことを受けて、同日、情報流通行政局長からフジテレビ及びフジ・メディア・ホールディングスの嘉納代表取締役会長に対して、第三者委員会において早期に調査を進め、その結果を踏まえ適切に判断・対応してほしいと要請した。コマーシャルの差し止めが相次いでいる事態は、広告によって成り立つ民間放送事業の存立基盤に影響を与えかねないばかりか、放送に対する国民の信頼を損ないかねない事態であると認識している」と述べた。
さらに、総務官僚がフジテレビへの“天下り先”を確保するために対応が甘くなっているのではないか、という指摘には「国家公務員の再就職に関しては、公務の公正性とそれに対する国民の信頼を確保することが重要であり、総務省としても、職員の斡旋等を禁じた再就職規制の遵守を徹底している。総務省職員の再就職については、同社が自らの判断で採用したものと理解している。府省庁が企業等に斡旋し再就職させるいわゆる天下りという事実はない。今後も引き続き、法に則り、放送行政を適切に担って参りたい」と答えた。
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【Yahoo!ニュースさんの投稿】
引用元 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6526928
フジテレビを巡る問題がますます深刻になってきている。23日、親会社のフジ・メディア・ホールディングスが第三者委員会の設置を決定した。これに対し、村上総務大臣は24日に「早期に調査を進め、適切に対応してほしい」と要請したが、果たしてこの動きが本当に問題解決につながるのか疑問が残る。
今回の問題の大きなポイントは、広告主の撤退が相次いでいることだ。テレビ局は広告収入によって成り立っているため、スポンサーが次々と離れていくのは死活問題である。これを受けて、総務省は「放送に対する国民の信頼を損なう事態」として懸念を示している。しかし、本当に問題なのは、こうした状況を招いたフジテレビ自身の体質ではないだろうか。
特に注目すべきは、フジテレビと総務省の関係だ。総務省の官僚がフジテレビに天下りしているのではないかという指摘があるが、村上総務大臣は「天下りという事実はない」と完全否定した。しかし、本当にそうだろうか。これまで多くの官僚がテレビ局や大手メディアに再就職してきたのは事実であり、放送業界と政府の関係は非常に密接だ。そうした背景を考えると、今回の問題に対する総務省の対応が甘くなるのも当然なのかもしれない。
「国家公務員の再就職は企業が自らの判断で採用した」と言うが、果たしてそれをそのまま信じてよいのだろうか。総務省が直接関与していなかったとしても、テレビ局側が「総務省出身者を迎え入れれば有利になる」と考えて採用している可能性は十分にある。もしそうだとすれば、結局は天下りと同じ構図になっているわけだ。
こうした背景を考えれば、フジテレビに対する総務省の対応が甘くなっているのではないかという疑念が生じるのも無理はない。第三者委員会が設置されたとはいえ、その調査がどこまで公平に行われるのかは分からない。そもそも、こうした問題が表面化するまでに、なぜ総務省は何の対応も取らなかったのかという点も疑問である。
総務省がフジテレビに厳しい対応を取らないのは、結局のところ自分たちの関係者が関わっているからではないか。広告主が撤退する事態にまで発展しているのに、総務省は「適切に対応してほしい」と言うだけで、実際にどこまで踏み込んだ調査をするのかは不透明だ。第三者委員会が設置されたからといって、それが本当に独立した調査機関として機能するかどうかも分からない。
そもそも、フジテレビの問題は今回だけではない。これまでも、放送内容の偏向や特定の政治勢力への偏りが指摘されてきた。しかし、こうした問題が大きく報道されることはほとんどなかった。それどころか、他のメディアも同業界の問題には踏み込みにくいのか、詳しい検証を行おうとしない傾向がある。
今回の件をきっかけに、テレビ業界と政府の関係について、もっと厳しくチェックする必要があるのではないか。日本の放送業界は、国民の電波を使って運営されているにもかかわらず、内部の不透明な部分が多すぎる。本来であれば、総務省が主体的に問題を指摘し、適切な対応を取るべきだが、今回の対応を見る限り、そうした動きが見られないのが現実だ。
広告収入の減少が続けば、フジテレビの経営にも大きな影響を与えるだろう。これまでのように、スポンサーが安定した資金を提供し続けるとは限らない。今後、視聴者やスポンサーの信頼を取り戻すためには、フジテレビ自身が徹底した改革を行う必要がある。しかし、これまでの対応を見ていると、果たしてそこまでの危機感を持っているのか疑問だ。
テレビ業界の問題はフジテレビだけにとどまらない。他の放送局も、同じような構造を持っている可能性がある。視聴者としては、単に報道される内容を鵜呑みにするのではなく、その背後にある利害関係や権力構造にも目を向けることが重要だ。
今回の騒動がどう決着するのかは分からないが、少なくとも現時点では、フジテレビも総務省も本気で問題に向き合っているようには見えない。これから第三者委員会がどのような報告を出すのか、そしてそれを受けて総務省がどう対応するのかを、引き続き注視する必要がある。
執筆:編集部B