令和6年に東京23区で発売された新築マンション1戸当たりの平均価格は2年連続で1億円超となる1億1181万円だったと不動産経済研究所が23日に発表した。新築マンションの価格が高止まりする一因には、外国人を中心とした富裕層の旺盛な購入意欲が指摘されている。特に中国では不動産不況が進む中、富裕層が資産を国外に持ち出す動きがある。新型コロナウイルス禍が収束し、中国人の日本への団体旅行が解禁されると、購入の下見に訪れる中国人が増え、資産価値の高い日本の高額物件が売れているという。
「みんな現金で買っていく。昨年12月には香港から来た人が2億1千万円のタワーマンションの部屋を買っていった」
現代不動産(東京都新宿区)の野宮武美社長は、中国人の旺盛な購買意欲を明かす。購入する動機について「国が自由主義、民主主義で、政治経済が安定しているためではないか」と話した。
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【産経ニュースさんの投稿】
引用元 https://www.sankei.com/article/20250123-4KJMQ35E7RO2ZFVJOPC2NLCKHE/
日本の不動産市場において、中国人富裕層の影響がますます大きくなっていることに驚きを感じる。東京23区の新築マンションの平均価格が2年連続で1億円を超えたというニュースは、日本の不動産市場が依然として高騰し続けていることを示している。この価格水準にもかかわらず、中国人富裕層が「現金」で次々と高額物件を購入しているという現状には、さまざまな視点から考えるべき点がある。
まず、日本の不動産が中国の富裕層にとって「割安」と認識されていることが注目に値する。中国国内では不動産市場の低迷が続いており、自国での資産運用のリスクを回避するために、安定した経済環境を持つ日本への投資が進んでいる。特に、東京のタワーマンションなどは、資産価値の保全や将来的な価格上昇を見越した「安全な避難先」として魅力的に映っているのだろう。
また、中国の投資家が「現金」で購入しているという点も、日本の不動産市場にとって大きな影響を与えている。日本人が住宅ローンを組んで購入するのに対し、中国人富裕層は現金一括で購入し、価格交渉を有利に進めている。これは、物件価格のさらなる高騰を招く要因となっており、日本国内の一般の購入希望者にとっては、ますます手の届かない存在になっていると言える。
この状況が続くことで、国内の住宅購入者にとってのハードルはますます高くなり、不動産市場の格差が広がることが懸念される。特に、若い世代や子育て世代にとって、都市部の住宅購入が困難になり、結果として都市から郊外への流出が加速する可能性も考えられる。こうした傾向が続けば、日本国内の不動産市場が海外投資家に依存する状況がより顕著になるだろう。
一方で、日本の不動産市場にとって海外からの資金流入は、経済の活性化という意味ではメリットもある。不動産の売買が活発になることで、建設業や不動産関連産業に好影響を与えることは否定できない。また、インバウンド需要の回復に伴い、商業施設や観光地周辺の不動産市場も活性化していくことが予想される。
しかし、こうした流れの中で日本政府が取るべき対応についても考える必要がある。現在のところ、日本の不動産市場には、外国人による購入を規制するような仕組みはほとんどなく、自由な取引が行われている。しかし、土地の所有権や安全保障の観点から、一定のルール作りが求められるのではないか。例えば、特定のエリアにおける外国人の不動産取得を制限することや、税制の見直しを行うことなどが挙げられる。
また、地方都市への投資を促進する政策も必要だろう。東京や大阪などの大都市圏だけでなく、地方にも資金が流れるような仕組みを作ることで、不動産市場の均衡を保つことができるのではないか。実際に、北海道や九州などの観光地では、すでに中国人富裕層による不動産購入が進んでおり、地方経済の活性化につながっている事例もある。
さらに、外国人投資家に対して日本の文化や地域社会への理解を深めてもらう取り組みも重要だ。不動産を単なる投資対象とするのではなく、日本での生活や地域との共生を促すことで、より良い関係を築いていくことが求められるだろう。
日本人にとって、自国の不動産市場が外国人に依存しすぎることへの不安は大きい。特に、地価の上昇によって若年層や中間層が住宅を購入できない現状は、将来的な社会問題に発展しかねない。そのためにも、日本政府や自治体は、国内の住宅購入希望者を支援するための政策を強化し、例えば低利の住宅ローンの提供や税制優遇などの対策を講じるべきだろう。
総じて、日本の不動産市場は今後も海外投資家からの関心が高まり続けると予想される。その中で、国内の居住者が安心して生活できる環境を維持するためには、バランスの取れた政策と規制が不可欠だと感じる。日本の経済成長の一助となる一方で、不動産市場が過熱しすぎないよう、慎重な対応が求められる局面に差し掛かっているのではないだろうか。
執筆:編集部A
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