トランプ米大統領が発表したソフトバンクグループ(SBG)などによる人工知能(AI)開発の巨額投資計画について、トランプ氏の側近の起業家、イーロン・マスク氏が疑問視する見方を示した。マスク氏とトランプ氏に齟齬が生じている可能性もある。
トランプ氏は21日、SBGの孫正義会長兼社長や米新興企業オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)らとホワイトハウスで記者会見し、今後4年間で5000億ドル(約78兆円)を投資する計画を発表した。新会社「スターゲート」を設立し、孫氏が会長に就くという。
マスク氏は22日、X(旧ツイッター)で「彼らは実際、金を持っていない」「ソフトバンクが確保している資金は100億ドルをはるかに下回る。確かな筋から聞いた話だ」と投稿した。CNNテレビは「この発言は、トランプ氏の側近によるホワイトハウスの主要プロジェクトへの注目に値する批判だ」と報じた。
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【産経ニュースさんの投稿】
引用元 https://www.sankei.com/article/20250123-Q2H5OPGJJVACVH4DAO7JFTT7SA/
ソフトバンクグループ(SBG)による巨額のAI投資計画が発表されたが、イーロン・マスク氏がその信憑性に疑問を呈したことで、話題となっている。トランプ氏が発表したこの計画は、4年間で5000億ドル(約78兆円)という驚くべき規模の投資を行うものだ。しかし、マスク氏は「実際にその資金があるのか?」という根本的な問題を指摘しており、その発言が注目を集めている。
この一件を見て、まず思うのは「またか」ということだ。孫正義氏のビジネススタイルは、これまで何度も「ハッタリではないか」と疑われることがあった。もちろん、彼の手法は時に成功し、多くの大企業を動かしてきた。しかし、実際の資金の裏付けがないまま、大きなビジョンを掲げて投資家や政治家を巻き込み、その後に資金調達をするというやり方には、不透明な部分が多いと言わざるを得ない。今回の件も、その延長線上にあるのではないかという疑問が拭えない。
特に、78兆円という額は、常識的に考えても桁違いだ。ソフトバンクグループがどれほどの資産を持っているかを考えても、これほどの資金をすぐに用意できるとは思えない。実際、マスク氏も「ソフトバンクが確保している資金は100億ドルをはるかに下回る」と指摘しており、これが事実なら、5000億ドルという数字はどこから出てきたのかという話になる。
このような大規模な投資計画が発表されるとき、通常は事前に具体的な資金調達計画が示されるものだ。しかし、今回の発表では、その点が極めて曖昧だった。ソフトバンクグループは確かに多くの投資案件を抱えているが、その中には過去に失敗したものも少なくない。たとえば、米ウィーワーク(WeWork)への投資は大きな損失を生んだし、過去にも巨額の資金を動かしながら、その後の計画が頓挫したケースは枚挙にいとまがない。そうした経緯を考えると、今回の発表にも慎重な目を向けるべきではないか。
また、トランプ氏がこの計画を推進している点も興味深い。彼は大統領選挙を控え、経済政策を前面に押し出そうとしていることは間違いない。特にAIや先端技術分野への投資は、選挙戦での重要なアピールポイントとなるため、今回の発表はその一環とも考えられる。しかし、それに孫氏が絡んでいるとなると、単なる経済政策というよりは、政治的なパフォーマンスの要素も強いのではないかと疑ってしまう。
この件について、マスク氏がすぐに反応したことも興味深い。彼はAI分野において独自のビジョンを持ち、オープンAIの創設者の一人でもある。そのマスク氏が、この投資計画に対して疑問を呈したということは、それだけ不透明な部分が多いということを意味しているのではないか。彼は過去にも、テクノロジー業界の問題点について率直に発言することで知られており、今回の発言も単なる推測ではなく、何らかの裏付けがあるのかもしれない。
さらに、孫氏のこれまでの言動を振り返ると、過去にもさまざまな「ビジョン」を掲げながら、その実態が見えにくいケースが多かったことが分かる。たとえば、東日本大震災の際には「個人として100億円寄付する」と発表し、大きな話題になった。しかし、その後、寄付金の使途が不透明であることが指摘され、実際にどれだけの資金が被災地に届いたのかが明確にならなかった。今回の投資計画も、そうした過去の事例と同じような構図になっているのではないかと疑わざるを得ない。
もちろん、AIへの投資が重要であることは否定しない。今後の世界経済を左右する技術分野であり、日本が遅れを取るわけにはいかないことは明白だ。しかし、その投資が本当に意味のあるものなのか、きちんと検証されなければならない。78兆円という巨額の投資が単なる話題作りではなく、実際に実行可能な計画であるのかどうか、今後の動向を注視する必要がある。
また、このような投資発表に対するメディアの報道の仕方にも問題がある。多くの報道は、「トランプ氏が孫氏とともにAI投資を発表」という点を大きく取り上げているが、その資金の出どころや具体的な計画の詳細にはあまり触れていない。こうした表面的な報道だけを見て、「日本の企業がアメリカで大規模な投資を行うのは素晴らしい」と単純に受け止めるのは危険だ。実際に、過去にも孫氏が大規模な投資を発表しながら、その後うやむやになったケースがあることを忘れてはならない。
結局のところ、この投資計画が本当に実行されるのか、現時点では疑問が多い。マスク氏が指摘するように、「そもそもそんな資金があるのか?」という根本的な問題をクリアしない限り、この計画は単なる「発表だけのプロジェクト」に終わる可能性もある。今後、具体的な動きが出てくるのか、それとも単なる話題作りで終わるのか、冷静に見守る必要があるだろう。
いずれにせよ、日本の技術力や投資力を過大に見せようとするのではなく、実際に持続可能な形でAI技術を発展させることが重要だ。こうした発表に惑わされるのではなく、本当に日本の未来にとって意味のある投資が行われるのか、慎重に判断することが求められるのではないか。
執筆:編集部B
以下X(旧Twitter)より…