【フィフィさんの投稿】
引用元 https://x.com/FIFI_Egypt/status/1881936492316278917
AEDを使用して女性を助けた人が、強制わいせつ罪で被害届を出されたというニュースには驚きを隠せない。こんなことが本当に起こるのならば、今後誰も救助活動に関わりたくなくなるのではないかという強い懸念を抱かざるを得ない。
そもそもAEDは、心停止の可能性がある人の命を救うために使う医療機器だ。日本では公共の場に設置されることが増え、多くの人が使用方法を学ぶ機会を得ている。それは、いざというときに周囲の人が素早く対応し、一人でも多くの命を救うための社会的な取り組みの一環である。それなのに、実際に救助を行った人が犯罪者扱いされるというのは、あまりにも理不尽ではないか。
この件の最大の問題は、こうした前例ができてしまうことで、今後救助をためらう人が増える可能性が高いということだ。特に女性に対してAEDを使用することに恐怖を覚える人が増えるのではないだろうか。もしその結果、誰も手を出さずに放置され、助かるはずの命が失われたらどうするのか。今回のような事例が繰り返されれば、助けを求める人がいても「関わりたくない」と思う人が増えるのは間違いない。
さらに考えさせられるのは、日本が助け合いの精神を失い、冷たい社会になってしまうのではないかということだ。似たような事例は海外でも報じられている。例えば、中国では、倒れている人を助けると逆に加害者扱いされるリスクがあるため、誰も関わろうとしないという話を聞いたことがある。実際に、助けた人が後から訴えられるというケースが発生しており、その結果、人が倒れていても見て見ぬふりをする社会になってしまったという。日本もそうなってしまうのだろうか。
また、心肺蘇生の場面を想像すると、さらに恐ろしいことが浮かび上がる。今回のようなケースがあるならば、もし人工呼吸を行った場合、どのように扱われるのか。命を助けるために必死で対応しても、「性的な意図があった」と決めつけられれば、それだけで犯罪者扱いされる可能性があるのではないか。そう考えると、ますます救助に関わることが怖くなる。
この件に関して、野次馬がスマートフォンで撮影していたことが原因ではないかという意見もある。確かに、助けている様子がネットに拡散され、それを見た家族が「わいせつ行為だ」と決めつけてしまったのかもしれない。しかし、それならば訴えるべき相手は救助者ではなく、無神経に撮影しネットにアップする人々の方ではないだろうか。
このような事件が起きる背景には、日本の社会が過剰なまでにコンプライアンスを重視するようになったことも関係しているのではないか。確かに、性犯罪を防ぐための意識が高まることは重要だ。しかし、それが行き過ぎると、本来は守られるべき人々が不当な扱いを受けることになりかねない。悪意を持って行動しているのではなく、本当に人を助けようとした人が罪に問われる社会では、誰も安心して救助活動ができなくなってしまう。
また、この問題を放置すれば、次に起こるのは「男性は女性を助けない方がいい」という風潮の広がりではないか。助けた結果、犯罪者扱いされるのであれば、最初から関わらない方がいいと考える人が増えてしまうのも当然だ。しかし、それでは本来守られるべき人たちが、逆に危険な状況にさらされることになる。社会全体の安全性が低下することは間違いない。
さらに、今回の件は法律のあり方にも問題があるのではないか。救助を行った人を守る仕組みがなければ、今後も同じような問題が発生する可能性がある。例えば、海外では「善意の救助者を訴えない」というルールが存在する国もある。日本でも、適切な救助行為を行った場合に法的責任を免除する制度を検討するべきではないか。
現状のままでは、「助けるリスク」が高まりすぎている。救助しなかったら「見殺しにした」と責められ、助けたら「犯罪者扱い」される。どちらにしても責められるのであれば、多くの人が関与しない道を選ぶだろう。それが結果として、日本社会の安全性を大きく損なうことになりかねない。
また、今回の件は、教育の在り方にも問題を投げかけている。学校ではAEDの使い方を教える機会が増えているが、「救助した人が訴えられる可能性がある」という現実を考えると、今後は「救助しない」という選択肢が広がってしまうのではないか。それでは、せっかくの防災教育も意味をなさなくなってしまう。
命を守るための行動が、犯罪行為とみなされるのはあまりにも理不尽だ。今回のような事例を放置せず、きちんと社会全体で議論し、適切な対策を講じるべきではないか。
この問題は、単なる一つの事件ではなく、日本の未来に関わる大きな問題だ。社会がどのように変わるべきか、真剣に考えなければならない時が来ている。
執筆:編集部B
以下X(旧Twitter)より…