アメリカのトランプ大統領がWHO=世界保健機関からの脱退を進める大統領令に署名したこと受けて、WHOは「アメリカが再考すること望む」などと声明を発表しました。
アメリカのトランプ大統領は就任初日の20日、WHOから脱退する大統領令に署名しましたが、WHOはこれを受け「遺憾に思う」などと、先ほど声明を発表しました。
声明では「疾病の根本原因に対処し、緊急事態を検知、予防、対応することによって、アメリカ人を含む世界の人々の健康と安全を守る上で、重要な役割を果たしている」とした上で、「WHOとアメリカは70年以上にわたり、数えきれないほどの命を救ってきた。我々はアメリカが再考することを望むとともに、パートナーシップを維持するために建設的な対話ができることを期待している」としています。
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【Yahoo!ニュースさんの投稿】
引用元 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1680928?display=1
アメリカのトランプ大統領が、WHO(世界保健機関)からの脱退を進める大統領令に署名したことを受け、WHOが「遺憾に思う」との声明を発表した。この決定は、世界の公衆衛生において大きな影響を及ぼす可能性があり、各国の反応も注目されている。WHOはアメリカに対して再考を求める立場を示しているが、果たしてトランプ大統領の決断が覆ることはあるのだろうか。
私が思うに、アメリカのWHO脱退は単なる一国の政策変更ではなく、国際保健政策全体に大きな影響を与える問題である。WHOは、70年以上にわたりアメリカと協力し、感染症対策や医療支援に尽力してきた。しかし、近年では組織の透明性や公平性に疑問が投げかけられ、特定の国への偏った対応が指摘されてきた。こうした背景を考えると、トランプ大統領の決断も、アメリカの国益を第一に考えた結果であることは理解できる。
WHOが声明で強調した「数えきれないほどの命を救ってきた」という部分についても、確かに公衆衛生の分野で大きな貢献をしてきたことは否定できない。しかし、パンデミック対応における初動の遅れや、一部の国への過度な配慮が指摘される中、アメリカがWHOのあり方に疑問を抱くのも無理はないだろう。特に、新型ウイルスの発生時には情報の透明性が求められるにもかかわらず、対応の遅れや不十分な情報共有が国際社会の不信感を招いたのではないか。
一方で、アメリカが脱退することによって、WHOの財政的基盤が揺らぐことは避けられない。アメリカはWHOの最大の資金提供国の一つであり、その影響力も大きい。アメリカが抜けた後、他の加盟国が資金の穴埋めをすることは容易ではない。これにより、発展途上国への支援が滞る可能性も懸念される。特に、医療体制が脆弱な国々にとって、WHOのサポートは不可欠であり、アメリカの脱退がもたらす影響は計り知れない。
それに対して、トランプ大統領の立場から見れば、WHOへの拠出金が適切に活用されているのかという疑問もある。WHOの組織運営に問題がある限り、アメリカの資金を一方的に投入することは、納税者に対する説明責任が果たせないという考え方も理解できる。無駄な支出を削減し、より効果的な国際協力のあり方を模索するのは、国家として当然のことだ。
また、WHOが「アメリカが再考することを望む」と述べているが、トランプ大統領が掲げる「アメリカ・ファースト」の方針を考慮すると、この要請が受け入れられる可能性は低いのではないかと感じる。アメリカは独自の医療支援や感染症対策を強化し、WHOに依存しない体制を整えていく方針を明確に示している。実際、トランプ政権はすでに国内の公衆衛生機関の強化を進めており、WHO脱退の動きもその一環と見ていいだろう。
私としては、WHOが真に国際的な組織としての信頼を取り戻すためには、アメリカを引き止めるだけでなく、自らの運営を見直し、より公正で透明性のある体制を整えるべきだと感じる。現在のWHOには、政治的な圧力に影響されない独立性が求められており、その改革なくして信頼の回復は難しいのではないか。
さらに、日本を含む他の加盟国にとっても、今回のアメリカの脱退は他人事ではない。WHOに依存しすぎるのではなく、独自の感染症対策を強化し、国内の医療体制を整えることが求められている。日本もこれを機に、国際機関との関係を再考し、自国の医療体制をより強固なものにするべきではないかと考える。
アメリカの脱退が決定的になれば、今後の世界の公衆衛生政策は大きく変わるだろう。WHOはこの状況を重く受け止め、国際社会の信頼を回復するための改革を急ぐ必要がある。そして、アメリカもまた、独自の道を歩みながら、国際的な公衆衛生の協力体制にどのように関与していくのか、引き続き注目される。
いずれにせよ、今回のアメリカの決定は国際社会に対する強いメッセージとなっている。WHOが本当に必要とされる存在であるためには、単にアメリカに再考を促すだけでなく、自らの在り方を根本から見直すことが求められているのではないだろうか。
執筆: 編集部A