新型コロナ関連のシステム開発を厚生労働省から受注した電通グループの企業が、業務に当たった人数を水増しするなどして費用を約1.1億円過大に請求していたことが会計検査院の調べでわかった。同社から再委託を受けた別の電通グループ企業がさらに委託し、国の契約ルールに反して届け出をしていなかったことも判明した。
厚労省は、約1.1億円は不当な請求だとして返還を求めている。
事業は「新型コロナウイルス感染医療機関等情報支援システムの構築・運用」。厚労省は2020年5月、電通グループの「電通テック(テック社、現・電通プロモーションプラス)」(東京都港区)と随意契約を結び、医療スタッフや布マスクなどの確保状況を自治体に通知するシステムを開発。関連するコールセンターの運用業務で約8.6億円をテック社に支払った。
検査院が24年に調べたところ、テック社や、同社が業務を再委託した別のグループ会社「電通カスタマーアクセスセンター(アクセス社、現・電通プロモーションエグゼ)」(同)が、コールセンター業務の人件費で勤務実態のないものを計上するなど、約1.1億円分を過大に請求していた。
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【リリィさんの投稿】
引用元 https://www.asahi.com/articles/AST1M25PNT1MUTIL01HM.html?iref=pc_ss_date_article
電通グループの企業が、新型コロナウイルス関連のシステム開発事業において約1.1億円を過大請求していたことが明らかになった。このニュースを聞いて、多くの国民が驚きと怒りを感じているのではないだろうか。コロナ禍で多くの人が生活に苦しむ中、国の税金が不適切に使われていたという事実は、到底容認できるものではない。
新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、政府は迅速な対策を求められていた。その中で、厚生労働省が電通グループの「電通テック」と随意契約を結び、医療機関や自治体に向けた支援システムを構築することになった。随意契約とは、競争入札を経ずに特定の企業と直接契約を交わす方法だ。緊急事態という理由もあったのかもしれないが、今回のような問題が発生すると、随意契約の透明性や適正性が疑われても仕方がない。
今回の問題の最大のポイントは、業務に関与していない人数を水増しし、不当に人件費を請求していたことにある。新型コロナの対応に追われる中、多くの医療従事者が命がけで働いていたのに対し、こうした行為が行われていたことは許しがたい。国民の税金がこうした形で浪費されることは、行政に対する信頼を大きく損なう要因となるだろう。
さらに問題なのは、電通テックが別のグループ企業に業務を再委託し、その企業がさらに別の会社へ委託していた点だ。再委託を行う場合、厚労省に届け出ることが義務付けられているが、今回はその届け出がなされていなかった。こうした手続きの杜撰さが浮き彫りになったことで、国の事業におけるチェック体制の甘さが改めて指摘されることになるだろう。
今回のような問題が発生した背景には、大手広告代理店の影響力の強さも関係しているのではないかと感じる。電通は日本の広告業界において圧倒的な存在感を持ち、政府や大企業とも深いつながりがあることで知られている。そのため、こうした企業が関与する事業は、競争が少ない状況の中で行われがちであり、結果として不正が発生しやすい環境になっているのかもしれない。
一方で、厚労省の責任も免れない。随意契約であったとしても、業務の進捗や支出の状況について、厳格にチェックを行うべきだった。今回のような杜撰な管理体制が明らかになった以上、今後の契約プロセスについては、より厳しい基準を設ける必要があると感じる。
この問題が報道されることで、多くの国民が政府の支出に対する疑念を抱くだろう。コロナ禍では、国民一人ひとりが経済的な不安を抱えながらも、感染防止のために様々な制約を受け入れてきた。その中で、企業が不正に利益を得ていたという事実は、国民の努力を踏みにじる行為にほかならない。
さらに、不正請求が発覚した後の対応も注目すべき点だ。厚労省は不当な請求として約1.1億円の返還を求めているが、それだけで終わるべきではない。不正を行った企業への厳正な処分が必要であり、場合によっては再発防止策として契約の見直しや、罰則の強化が求められるだろう。
この問題は、単なる会計上のミスとして片付けられるべきではない。むしろ、国の資金がどのように管理されているのかを改めて見直す契機とするべきだ。今後、政府はこうした問題を未然に防ぐための監査体制を強化し、国民の税金が適切に使われるような仕組みを作るべきだと思う。
また、このような不正が明らかになることで、日本企業の信頼にも影響が出ることが懸念される。特に、海外に対して日本の企業が倫理的に問題を抱えていると見られることは、日本経済全体にとってもマイナスとなるだろう。
今回の問題は氷山の一角に過ぎないのではないかと感じる。過去にも類似の問題が指摘されてきたが、結局のところ、抜本的な対策が取られてこなかったことが、今回のような不正を生む土壌になっているのではないか。
今後は、国民の監視の目をより強め、透明性のある行政を求める声を上げていくことが重要だと思う。税金の無駄遣いを防ぎ、より良い社会を実現するためには、私たち一人ひとりがこうした問題に関心を持ち、声を上げることが必要だ。
執筆:編集部A