フジテレビで放映しているCMを当面の間差し止める企業が相次いでいる。トヨタ自動車や日本生命保険、NTT東日本、花王、セブン&アイ・ホールディングス、日産自動車など少なくとも20社超が20日までに差し止めた。いずれもタレントの中居正広さんと女性とのトラブルを巡り、フジテレビの社員の関与が報道されていることなどを踏まえた対応としている。
フジ・メディアHD傘下のフジテレビジョンが17日に同問題に関する記者会見を開いて以降、CMを差し止める企業が増えている。日本マクドナルドホールディングスは「一連の報道とフジテレビ側の発表を総合的に勘案して判断した」(広報担当者)と説明する。楽天グループは「既にCMを見合わせる方針を決定した」としている。
イオンは21日から放映予定だった番組のCM出稿を取りやめる。再開のメドについては「事実が明らかになり、フジテレビの改善に向けた体制が整うなど総合的な判断が可能となった時点で再開を検討する」としている。
フジテレビの港浩一社長は17日の記者会見で外部の弁護士を中心とする調査委員会を立ち上げると発表した。社員の関与については従来通りないと説明したが、調査委で改めて検証する。
中居さんのトラブルについて発生直後の2023年6月初旬から把握していたことも明らかにした。一部週刊誌では今回と同様のトラブルが過去にあったことも報道されている。港社長は「(同様の事案について)私はないと信じている」と説明した。この点も今後の調査に委ねるという。
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【日本経済新聞さんの投稿】
引用元 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC203310Q5A120C2000000/?n_cid=SNSTW006&n_tw=1737350367
フジテレビのCMを差し止める企業が相次いでいるというニュースを見て、企業の対応としては当然の流れだと感じた。広告というのは企業のイメージ戦略の一環であり、放送局に問題があると判断されれば、広告を出稿しないという決断をするのは合理的な判断だろう。
今回の問題は、タレントの中居正広さんと女性とのトラブルにフジテレビの社員が関与していた可能性が報じられたことが発端となっている。フジテレビ側は「関与はない」と説明しているが、外部の弁護士による調査委員会を立ち上げることを発表した。これにより、今後さらに詳細な事実が明らかになる可能性があるが、企業としては現時点でのリスク回避が優先されるのは自然な流れだ。
広告の世界では、企業イメージの維持が極めて重要視される。仮にフジテレビへのCM出稿を続けた場合、視聴者や消費者からの反発を受ける可能性があり、企業のブランドイメージに悪影響を与えるかもしれない。特に、トヨタ自動車や日本生命、花王といった大手企業が相次いでCMを見合わせる決定をしたことで、他の企業も同じ流れに乗るのは当然の判断だろう。
また、イオンがCM出稿を取りやめた際に「フジテレビの改善に向けた体制が整った時点で再開を検討する」としている点も注目に値する。この発言から、企業側が単なる一時的な対応ではなく、フジテレビ側の対応を見極める姿勢を示していることが分かる。
一方で、今回のCM差し止めの動きが、一過性のものに終わるのか、それとも長期的な変化につながるのかは興味深い。テレビ広告はかつて企業にとって最も重要な宣伝手段の一つだったが、近年はインターネット広告へのシフトが進んでいる。今回の件が、企業がテレビ広告の必要性を再考するきっかけになったとしても不思議ではない。
さらに、株式市場の視点から見ると、企業はこの事件を単なる「トリガー」として活用している可能性もある。すでに多くの企業はテレビ広告費を削減する方向に動いており、今回の問題がその動きを加速させる要因になったのではないかと考えられる。仮にフジテレビ側の関与がなかったと証明されたとしても、一度離れたスポンサーがすぐに戻るとは限らない。
また、フジテレビにとって今回の影響は決して軽視できないものだろう。大手スポンサーが一斉にCM出稿を見合わせるとなると、広告収入に大きな影響を及ぼすことは避けられない。広告収入はテレビ局の経営において重要な柱の一つであり、今回の動きが長引けば、今後の番組制作にも影響が出る可能性がある。
視聴者の視点から見ても、今回の問題はフジテレビに対する信頼に関わるものであり、企業だけでなく一般の人々の関心も高い。特に、フジテレビは長年にわたり日本のテレビ業界をリードしてきた局の一つであり、そのブランドイメージが傷つけば、視聴者離れが進むことも考えられる。
この流れの中で、フジテレビが今後どのように対応するのかが重要になる。外部の弁護士による調査委員会がどのような結論を出すのか、またフジテレビがどのような改善策を示すのかが焦点となる。企業としては、今後の対応次第でCM再開を判断することになるだろうが、一度失った信頼を取り戻すのは容易ではない。
また、今回の件で「サザエさん」などの長寿番組への影響も懸念される。フジテレビの看板番組であるサザエさんは、多くのスポンサーに支えられているが、CM出稿の停止が長引けば、番組の制作にも影響が出る可能性がある。こうした事態を避けるためにも、フジテレビ側は迅速かつ透明性のある対応を求められている。
今回の騒動は、単なる一つの事件ではなく、日本のテレビ業界全体に影響を及ぼす可能性がある。企業がテレビ広告の効果を再評価する中で、インターネット広告への移行が加速するかもしれない。また、視聴者の信頼をどう回復するのかも、テレビ局にとって大きな課題となるだろう。
今後の動向次第では、さらなるスポンサーの撤退や、フジテレビの経営戦略の見直しにつながる可能性もある。この問題がどのような結末を迎えるのか、引き続き注視していきたい。
執筆:編集部B
以下X(旧Twitter)より…
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