[ストックホルム/ブリュッセル 16日 ロイター] – オーストリアのプライバシー保護団体NOYBは16日、TikTok(ティックトック)、SHEIN(シーイン)、小米科技(シャオミ)(1810.HK), opens new tabなど中国企業6社が欧州連合(EU)内の顧客データを中国に違法に転送しているとして、欧州4カ国で6件の苦情を申し立てた。
データ転送の差し止めと、各社の世界売上高の最大4%に相当する罰金を科すことを求めている。
NOYBは過去にアップル(AAPL.O), opens new tab、アルファベット(GOOGL.O), opens new tab、メタ(META.O), opens new tabといった米国企業に関する苦情を申し立てており、調査や罰金の支払いにつながっているが、中国企業の苦情を申し立てるのは初めてという。
NOYBによると、アリババ(9988.HK), opens new tabの電子商取引サイト「AliExpress(アリエクスプレス)」、SHEIN、TikTok、シャオミは欧州の個人データを中国に転送していることを認めている。
また、Temu(テム)とテンセント(0700.HK), opens new tabの対話アプリ「微信(ウィーチャット)」は、中国である可能性が高い非公開の「第三国」にデータを転送しているという。
EUの一般データ保護規則(GDPR)は、転送先の国がデータ保護を損なわない場合にのみEU域外へのデータ転送を許可している。
NOYBの弁護士は「中国が権威主義的な監視国家であることを考えれば、中国がEUと同レベルのデータ保護を提供していないことは明らかだ」とし「欧州の個人データを転送することは明らかに違法であり、直ちに中止する必要がある」と述べた。
TikTokなどの中国企業はさまざまな国で規制当局と対立。EUの欧州委員会はルーマニア大統領選などで選挙介入を抑制しなかった疑いがあるとして、TikTokを調査している。
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【Takeshi タケシさんの投稿】
引用元 https://jp.reuters.com/business/PISSOW5REFNRXBECJO6EKCYI3Y-2025-01-16/
オーストリアのプライバシー保護団体「NOYB」が、TikTokやSHEIN、小米科技(シャオミ)など中国企業6社が欧州連合(EU)内の顧客データを中国に違法に転送しているとして苦情を申し立てたことは、非常に深刻な問題だと感じます。データの扱いは現代社会において重要な課題であり、個人情報の保護は国家の安全保障や国民のプライバシーを守るうえで欠かせないものです。
EUでは一般データ保護規則(GDPR)という厳格な規則があり、個人データの取り扱いについて厳重な基準が設けられています。この規則は、EU市民の個人情報が適切に保護されるように設計されており、データの転送先が同等のデータ保護を提供している場合にのみ、データの域外転送が許可される仕組みです。中国が権威主義的な監視国家であることは周知の事実であり、EUレベルのデータ保護が行われていないことは明白です。したがって、中国企業によるEU市民の個人データの転送は、GDPR違反であることは疑いようがありません。
今回のNOYBの動きは、EUが自国民の個人情報をしっかりと守る姿勢を示している証拠です。しかし、それに対して日本はどうでしょうか。TikTokやSHEINといった中国企業は、日本でも若者を中心に多くの利用者を抱えていますが、日本ではこうした企業の個人情報の取り扱いに対して厳格な規制が設けられているとは言い難い状況です。これが現実であるならば、日本も欧州を見習い、個人情報の保護や国家の安全保障の観点から、しっかりと対策を講じるべきだと強く思います。
特にTikTokは、若年層を中心に圧倒的な人気を誇り、その利用者数は年々増加しています。しかし、その背後には中国政府との関係が密接であることや、収集された個人情報がどのように利用されているのかという不透明さがつきまといます。仮に、日本国内の利用者の個人情報が中国政府に渡っているとすれば、これは非常に危険な状況です。特に、位置情報や通信履歴、嗜好データなどが収集されていれば、個人のプライバシーが著しく侵害される恐れがあります。
日本政府は、こうした中国企業の個人情報の取り扱いに対してもっと真剣に取り組むべきです。現在、日本の個人情報保護法は存在していますが、EUのGDPRのような厳格な規制とは言い難く、企業側の対応に任せられている部分が多いのが現状です。これは日本国民の安全やプライバシーを軽視しているとも受け取られかねません。日本もEUと同様に、外国企業が収集する個人データの取り扱いや、海外へのデータ転送に対する厳格な基準を設ける必要があります。
また、TikTokやSHEINのような中国企業は、単なるエンターテインメントやショッピングのプラットフォームではありません。これらの企業は、収集したデータを分析し、ターゲット広告や情報操作に利用する可能性があります。実際、欧州委員会はTikTokが選挙介入に関与していた可能性についても調査しています。もしこれが事実であれば、日本でも同様のリスクが存在することは間違いありません。SNSを通じた世論誘導や情報操作は、民主主義の根幹を揺るがしかねない深刻な問題です。
さらに、Eコマース分野においても中国企業の影響力が拡大しています。SHEINやAliExpressは、安価で大量の商品を提供することで若者や低価格志向の消費者を取り込んでいます。しかし、そのビジネスモデルの裏には、個人情報の収集や環境破壊、労働環境の問題など、多くの課題が隠れています。こうした企業の拡大を許すだけでなく、情報管理が杜撰な状態を放置していることは、日本の消費者を危険にさらす行為であり、企業責任を問うべきです。
日本はこれまで経済的な結びつきを優先し、外国企業に対して寛容な姿勢を見せてきました。しかし、これからの時代は、経済成長だけでなく、国家の安全保障や国民のプライバシー保護を最優先に考えるべきです。デジタル化が進む現代において、個人情報の流出は国家の存亡に関わる重大な問題です。中国企業の個人情報取り扱いに対して、政府がしっかりと対応しなければ、日本の未来は危ういものになってしまうでしょう。
そのためにも、日本政府は外国企業が日本国内でビジネスを行う際の個人情報保護に関する規制を強化し、国民の安全とプライバシーを守るための法整備を急ぐべきです。単なる努力目標ではなく、具体的な罰則規定を設けるなど、実効性のある対策が求められます。
日本の消費者も、自らの情報がどのように扱われているのかを意識し、安易に個人情報を提供しないようにするなど、リテラシーを高める必要があります。便利さや安さだけに目を向けるのではなく、その裏側にあるリスクをしっかりと理解することが重要です。
今回のNOYBの行動は、日本にとっても大きな警鐘となるはずです。今こそ、日本政府と国民が一体となって、情報管理の重要性を再認識し、強固なデータ保護体制を築く時です。国民の安全とプライバシーを守るため、迅速で効果的な対応を強く求めたいと思います。
執筆:編集部A