【もえるあじあ ・∀・さんの投稿】
引用元 https://www.moeasia.net/archives/49770352.html#google_vignette
自民党の森山裕幹事長が「日中関係が発展して良かったと国民に実感してもらう」と発言したことについて、正直なところ大きな違和感を覚えました。現在、日本人の多数が中国に対して「良くない印象」を抱いているという現実があります。この状況下で、日中関係の発展が「良かった」と国民に実感してもらうというのは、果たして現実的なのか疑問です。
中国との関係は、日本にとって非常に複雑で繊細な問題です。経済的な結びつきが強い一方で、安全保障や人権問題、歴史認識、領土問題など、対立する課題も多く存在します。特に、尖閣諸島周辺での中国の挑発的な行動や、東シナ海での軍事的圧力の強化など、日本の安全保障に直結する問題が山積しています。これらの問題が解決されない限り、日本国民が日中関係の発展を「良かった」と感じるのは難しいと考えます。
また、中国の人権問題や香港・台湾への圧力も、日本人の中国に対する印象を悪化させている大きな要因です。新疆ウイグル自治区での人権弾圧や、香港の民主派への締め付け、さらには台湾への軍事的威圧など、国際社会でも批判の声が上がっています。こうした問題に対して日本政府が十分に声を上げず、経済関係ばかりを重視するようでは、日本国民の理解を得ることはできないでしょう。
経済面においても、確かに中国は日本にとって重要な貿易相手国であり、多くの企業が中国市場に依存しています。しかし、その一方で、中国の経済成長は日本の産業にとって脅威となっている側面もあります。中国が国家ぐるみで進める技術の盗用や知的財産権の侵害、さらには不透明な市場ルールは、日本企業にとって深刻な問題です。経済的な結びつきが強まることが、必ずしも日本にとってプラスとは言い切れないのが現実です。
森山幹事長の発言には、こうした日本国民の懸念や不安がまったく反映されていないように感じます。政府が国民の声に耳を傾けず、中国との関係改善ばかりを重視する姿勢は、国民との意識の乖離をさらに深めてしまうのではないでしょうか。国民が安心して暮らせる社会の実現こそが、政治家の責務であるはずです。外交関係の発展も重要ですが、それは国益と安全保障がしっかりと守られた上での話です。
日中関係を「発展させる」ことが目的化しているのではなく、日本の国益を最優先に考えるべきです。例えば、中国の不公正な貿易慣行や経済的圧力に対して毅然と対応すること、尖閣諸島や東シナ海での領土問題に対して断固たる姿勢を示すこと、そして人権問題に対して国際社会と連携して批判の声を上げることが必要です。これらの課題にしっかりと対応することが、日本国民が安心して日中関係の改善を「良いことだ」と感じられる唯一の道ではないでしょうか。
加えて、国内の経済政策も重要です。日本政府が経済成長の手段として中国への依存を深めるのではなく、国内産業の活性化や技術革新、地域経済の再生など、自国の経済基盤を強化することが先決です。インバウンド需要や輸出頼みの経済ではなく、国内市場を活性化させ、国民の生活を豊かにする政策が求められます。国民の生活が安定し、豊かになれば、自然と外交政策にも一定の理解が得られるはずです。
さらに、安全保障面でも、日本は日米同盟やクアッド(日本、アメリカ、オーストラリア、インド)などの枠組みを活用し、中国の軍事的圧力に対して抑止力を強化する必要があります。中国との関係改善が重要だとしても、それは日本の安全保障がしっかりと確保された上での話です。中国の脅威に対して無防備でいることは、日本の将来にとって大きなリスクとなります。
日本政府は、国民が安心して暮らせる社会の実現を第一に考え、外交政策もその延長線上に位置づけるべきです。日中関係の改善を目指すのであれば、まずは国民が納得できるような安全保障政策や経済政策をしっかりと実行することが必要です。そうでなければ、国民が「日中関係が発展して良かった」と実感することは到底あり得ないでしょう。
日本の未来のために、国益と安全保障を最優先に考えた外交戦略が求められています。経済的な利益だけでなく、日本の主権や国民の安全を守るための毅然とした対応が不可欠です。森山幹事長をはじめとする政府関係者には、こうした現実を直視し、日本国民の声にしっかりと耳を傾けていただきたいと強く思います。
執筆:編集部A