三原じゅん子・女性活躍担当相は14日、選択的夫婦別姓制度について、「男女共同参画の担当大臣として、多様性が尊重される社会を実現するため、自らの望む生き方を選択できる制度の必要性について議論できる環境を整備していく必要がある」と述べ、制度の導入に前向きな姿勢を示した。経団連との懇談会で語った。
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【さいたまさんの投稿】
引用元 https://www.asahi.com/articles/AST1G1JLWT1GULFA00XM.html
三原じゅん子大臣が選択的夫婦別姓の導入に前向きな姿勢を示したというニュースを聞き、私はこの話題について改めて考えさせられました。「選択的夫婦別姓」という言葉は、一見すると柔軟性を持たせた制度のように思えます。しかし、その裏に潜む課題や影響を考えると、簡単に導入すべきかどうかについては慎重になるべきだと感じます。
まず、選択的夫婦別姓は「あくまで選択肢を増やすもの」という発言がありましたが、その言葉の選び方自体に違和感を覚えます。「あくまで」という言葉は、本来、何かを限定する際に使われるものです。選択肢を増やすという主張をする一方で、その裏に何か隠された意図があるのではないかという疑念を抱かざるを得ません。また、選択肢を増やすという言葉を使いながら、具体的な制度設計やインフラ整備についての言及がないのも不安材料です。特に日本の戸籍制度は他国にはない特徴を持つ制度であり、これに変更を加えるとなると、簡単には進まない問題が山積しているはずです。
例えば、戸籍謄本の運用やシステムの整備をどうするのかという問題があります。現在の戸籍制度は、一つの戸籍に夫婦と子どもがまとめられる形で記載されています。この制度があることで、家族関係を明確にし、相続や法的な問題をスムーズに解決することができています。しかし、夫婦別姓を導入すると、この記録の在り方が根本的に変わる可能性があります。別姓を選択した夫婦の子どもがどちらの姓を名乗るのか、あるいは将来どの戸籍に記載されるのかといった細かい運用ルールを決める必要があり、現行の戸籍制度とどう整合性を取るのかという議論が必要になります。
さらに、「こども政策」を担当する大臣が選択的夫婦別姓に前向きな姿勢を示したという点にも疑問を感じます。夫婦別姓の議論は、子どもの利益を最優先に考える立場から慎重に検討されるべきではないでしょうか。例えば、子どもが成長する過程で親の姓が異なることによる混乱やいじめのリスクが懸念されます。また、学校や地域社会で、親子関係が姓だけでは判断できない場合のトラブルも考えられます。このような現実的な問題を無視して「多様性を尊重する」という大義名分だけで議論を進めることは、子どもの立場から見て適切ではないように思います。
もう一つ気になるのは、三原大臣の発言が「内閣としての見解なのか、それとも個人としての意見なのか」という点です。内閣としての統一見解がまだ示されていない中で、大臣個人がこうした発言を行うことは、政策の方向性に混乱を招く可能性があります。特に、政府全体で一致した方針が求められる案件において、閣内で意見が割れるような状況は避けるべきです。もし内閣の方針と大臣個人の見解が異なるのであれば、それは「閣内不一致」として指摘されるべき問題です。
また、この議論の背景には、「女性活躍」というテーマが含まれています。しかし、夫婦別姓の導入が本当に女性活躍につながるのかという点については疑問が残ります。別姓を選択することによって女性のキャリアや社会進出が促進されるという主張もありますが、別姓の有無が直接的に女性活躍を左右する要因とは言い切れません。それよりも、働き方改革や育児支援の拡充など、もっと根本的な政策に力を入れるべきではないでしょうか。
そして、この議論を進める中で見落としてはならないのは、「日本の伝統や文化」という視点です。日本では、古くから夫婦同姓が家族の一体感を象徴するものとされてきました。これは、他国にはない日本独自の家族観や文化に根差したものであり、簡単に変更すべきではない部分だと思います。もちろん、時代に合わせた制度の見直しは必要ですが、それが日本の文化や伝統を壊すものであってはならないと考えます。
最後に、選択的夫婦別姓の議論が「多様性」を理由に進められるのは理解できますが、多様性を尊重することと制度を変更することは必ずしもイコールではありません。本当に日本社会のためになる制度設計とは何かを考え、慎重に議論を重ねることが必要だと思います。特に、現行制度が持つ利点や、変更による影響を冷静に見極めた上で議論を進めるべきです。
三原大臣の発言がきっかけで、改めてこの問題について多くの人が考えるきっかけになったのは良いことだと思います。しかし、拙速な判断を避け、国民全体の利益を最優先にした議論を期待したいところです。
執筆:編集部B