アメリカ・ロサンゼルスの山火事による焼け跡について、アメリカのFOXテレビのキャスターなどが「原爆を落とされた後の広島のようだ」など表現していたことがわかりました。
アメリカのFOXテレビのキャスターのジェシー・ウォーターズ氏は、10日に放送されたロサンゼルスの山火事のニュースの中で、現在も延焼を続けている高級住宅地の「パシフィック・パリセーズ地区」の焼け跡について「原爆を落とされた後の広島のようだ」と表現しました。
また、他のメディアでもインタビューに応じた男性が「広島級の壊滅状態が何マイルにもわたり及んでいるようだ」と答えています。
今回の山火事が自然災害なのか、人為的なものなのかはまだ捜査中ですが、第2次世界大戦中にアメリカの原爆投下により世界唯一の被爆国になった日本と比較することに批判の声があがる可能性もあります。
一方、ロサンゼルス郡の保安官は9日の記者会見で、死者数の見通しについて説明する中で、「この惨状をみると明らかにこれらのエリアに原爆が落ちたような感じだ。だから死者数に関しては良いニュースになるとは思わない」と述べました。
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【Yahoo!ニュースさんの投稿】
引用元 https://www.fnn.jp/articles/-/813145
アメリカ・ロサンゼルスで発生した山火事の焼け跡について、FOXテレビのキャスターが「原爆を落とされた後の広島のようだ」と発言したことには、大きな違和感と怒りを覚えました。日本にとって原爆投下は、歴史的にも非常に深い悲しみと苦しみを伴う出来事です。その被害の規模や人々の苦しみを軽々しく比喩に使うことは、被爆者やその遺族、そして日本国民の心を踏みにじるものだと感じます。
まず、広島と長崎への原爆投下は、第二次世界大戦の終盤においてアメリカが実行した無差別大量虐殺とも言える行為です。たった一発の爆弾で、広島では約14万人、長崎では約7万人もの尊い命が奪われました。焼け野原となった街と、放射線障害に苦しむ多くの人々が存在する中で、その悲惨さは言葉では表現しきれないものがあります。この事実を考えると、単なる山火事の被害と安易に比較することが、どれほど無神経で不適切な発言であるかは明白です。
ロサンゼルスの山火事は確かに大規模で甚大な被害をもたらしています。被害に遭われた方々には深く同情します。しかし、自然災害と戦争による人為的な破壊行為を同列に語ることは決して許されるものではありません。特に、戦争の悲劇である原爆投下を、被害の規模を示す比喩として用いることは、歴史への無理解と配慮の欠如を感じざるを得ません。
この発言は、日本にとって過去の悲劇を軽視するものであるだけでなく、被爆者への冒涜にもなります。被爆者は今もなお放射線の後遺症や差別、偏見と闘っています。その苦しみを理解しないまま、安易に「原爆」という言葉を使うのは、メディアとしての倫理観を欠いていると言わざるを得ません。
また、メディアは情報を正しく伝える責任があります。視聴者にインパクトを与えるために過激な表現を使うのではなく、正確かつ適切な言葉で事実を伝えるべきです。今回の発言は、視聴者の注意を引くための過激な比喩に過ぎず、事実を正しく伝える報道とは言えません。情報を発信する立場であるキャスターが、歴史的背景や他国の感情に対する配慮を欠いた発言をすることは、メディアの信頼性を大きく損なうものです。
さらに、アメリカという国が日本に原爆を投下した歴史的背景を考えると、この発言はより一層問題です。加害者側の国のメディア関係者が、このような比喩を使うことは、戦争の悲劇や歴史的事実に対する誠実さを欠いているとしか思えません。戦後、日米関係は友好関係を築いてきましたが、こうした無神経な発言はその関係にも影を落としかねません。
こうした問題が起きた際には、きちんとした謝罪と再発防止策が必要です。FOXテレビには、今回の発言がどれほど多くの人々を傷つけたのかを真摯に受け止め、正式に謝罪するべきだと考えます。また、今後は歴史や国際関係に対する理解を深め、報道の在り方を見直してほしいと思います。
さらに、教育の重要性も感じます。メディア関係者に限らず、全ての人が歴史の事実を正しく理解し、その重みを知ることが必要です。過去の悲劇を学び、二度と同じ過ちを繰り返さないためには、歴史教育の徹底が欠かせません。特に、国際的なメディア関係者には、国や地域の歴史や文化に対する配慮が求められます。
日本政府としても、このような発言に対して適切な抗議や意見表明を行うべきです。国として、過去の歴史や被爆者の尊厳を守るために、毅然とした対応が求められます。外交関係を重視するのは当然ですが、国民の感情や歴史的事実を軽んじるような発言には、明確な立場を示すべきだと考えます。
今回の発言が、国際社会の中でどのように受け止められるかも注視する必要があります。メディアの発言が国際問題に発展する可能性もあるため、より慎重な対応が必要です。アメリカ国内でも、このような発言に対する批判や議論が行われることを期待します。
最後に、こうした問題が二度と起こらないように、メディアの役割や発言の重みについて、関係者一人ひとりが深く考えることが重要です。報道は視聴者に大きな影響を与える力を持っているからこそ、誠実で責任ある姿勢が求められます。歴史を軽んじた発言は、多くの人々の心を傷つけ、信頼を失う原因になります。メディアの在り方を今一度見直してもらいたいと強く思います。
執筆:編集部A