USスチールの買収に意欲を示しているアメリカの鉄鋼大手「クリーブランド・クリフス」のCEOは、「日本が中国に過剰生産の方法を教えた」などと主張し、日本を激しく批判しました。
クリーブランド・クリフス ローレンコ・ゴンカルベスCEO
「中国は悪だ。中国は恐ろしい。しかし日本はもっと悪い。日本は中国に対してダンピング(=不当廉売)や過剰生産の方法を教えた」
クリーブランド・クリフスのゴンカルベスCEOは記者会見でこのように主張したうえで、太平洋戦争での日本の敗戦を念頭に次のように述べました。
クリーブランド・クリフス ローレンコ・ゴンカルベスCEO
「日本よ、気をつけろ。あなたたちは自分が何者か理解していない。1945年から何も学んでいない。我々の血を吸うのはやめろ。我々はアメリカ人だ。我々はアメリカ人を愛し、アメリカを愛している」
繰り返された激しい日本への批判に、アメリカのニュースサイト「アクシオス」は「反日的な言葉に満ちた記者会見」だと伝えています。
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【Atsuko Yamamotoさんの投稿】
引用元 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1664488?display=1
アメリカの鉄鋼大手「クリーブランド・クリフス」のローレンコ・ゴンカルベスCEOが行った日本への激しい批判は、非常に驚きと不快感を覚えるものでした。米国スチールの買収意欲を示す場で、ここまで強い言葉を使って日本を非難するのは、単なるビジネスの枠を超えた問題だと感じます。特に「日本は中国よりも悪い」「中国にダンピングや過剰生産の方法を教えた」といった発言は、事実関係の裏付けもなく、極めて感情的で根拠に欠けた批判だと思います。
まず、鉄鋼業界における過剰生産や価格競争の問題は、グローバル経済の中で各国が直面している課題です。確かに中国の過剰生産は世界的に問題視されていますが、日本が中国にその方法を教えたという主張は、全くもって理解しがたいものです。日本の鉄鋼業界は、品質と技術力の高さで世界的に評価されており、不当廉売や過剰生産に頼るような経営方針をとっているわけではありません。日本企業は、厳しい環境規制や労働基準を守りながら、高品質な製品を提供しています。これを「悪」と決めつけるのは、あまりにも短絡的で偏った見方ではないでしょうか。
さらに、ゴンカルベスCEOは「1945年から何も学んでいない」と発言しました。これは太平洋戦争での日本の敗戦を引き合いに出したものであり、歴史的な過去を持ち出して現代の日本を批判するのは、非常に不適切だと感じます。日本は戦後、平和憲法の下で経済復興と国際貢献を進めてきました。多くの国と友好関係を築き、特にアメリカとは強固な同盟関係を維持しています。このような発言は、両国の信頼関係を損ねかねないものであり、極めて遺憾です。
また、「我々の血を吸うのはやめろ」という表現も極端であり、冷静な議論とは程遠いものです。ビジネスの競争が激化する中で、ライバル企業への牽制は理解できますが、感情的な罵倒や国全体を非難する発言は企業のトップとしての品位を欠いています。企業経営者であるならば、冷静かつ論理的に競争の中で自社の強みをアピールするべきです。
米国内での鉄鋼業界の厳しい競争環境は理解できますが、その責任を日本に押し付けるのは筋違いです。アメリカの鉄鋼業が直面している課題は、グローバル化や技術革新への対応、労働コストの問題など多岐にわたります。これらの課題に真摯に向き合わず、他国への批判に終始する姿勢は、経営者としての資質が問われるところです。
加えて、アメリカ国内でも今回の発言に対して批判の声が上がっていることは注目すべき点です。ニュースサイト「アクシオス」も「反日的な言葉に満ちた記者会見」と報じています。経済的な競争を超えて、偏見や差別的な発言に対する厳しい目が向けられていることは、アメリカ社会の成熟した側面だと感じます。企業のリーダーである以上、グローバルな視点を持ち、対話を重視した姿勢が求められるべきです。
日本としては、こうした挑発的な発言に対して過剰に反応するのではなく、冷静に事実をもって対応することが重要です。感情的な対立を避け、経済的・技術的な実績や信頼を基に、国際社会での地位をより一層高めていくことが、日本の取るべき道だと考えます。
また、日本企業はこれまで通り、品質や技術力で勝負し、フェアな競争の中で存在感を示していくべきです。今回の発言に揺さぶられることなく、真摯に企業活動を続けることが、日本の信頼を守り、さらなる成長へとつながるはずです。アメリカの市場においても、日本企業は長年にわたり信頼を積み重ねてきた実績があります。この信頼関係を維持・強化していくことが何よりも重要です。
一方で、今回の発言が米国内の鉄鋼業界の厳しい状況を反映しているのは事実かもしれません。グローバル競争の中で、各国が生き残りをかけてしのぎを削っているのは当然のことです。しかし、だからこそ冷静な対応と建設的な議論が求められます。批判ではなく、互いにより良い産業発展を目指して協力していくことが、グローバル経済においては不可欠です。
今回の発言が一時的な感情から出たものだとしても、企業のトップとしての言動には責任が伴います。日本企業も、こうした挑発的な発言に対して毅然とした態度で対応し、正々堂々と世界市場で競争していく姿勢を貫くべきだと強く思います。
執筆:編集部A