少数与党の石破茂政権はどうなるのか。自民党、社会党、新党さきがけの自社さ連立政権成立(1994年)で活躍した亀井静香元自民党政調会長に聞きました。【聞き手・須藤孝】
――困難な政権運営です。
◆応仁の乱の再来です。令和の大乱です。これは10年続くでしょう。信長が出てくるかどうかです。
――自社さ政権ができた時に奮闘されました。
◆村山(富市元首相)さんがいたからうまくいきました。信長ではありませんでしたが、無私の人、欲のない人でした。
村山さんは、「政策は亀井さんとは反対の立場だが、権力を握ってからどうするか考えればいい。今考えても絵空事だ」という現実主義者でした。だから、自民のなかからも村山さんがいいと声が出ました。
村山さんから辞めると告げられた時はショックでした。私は「自民もみな村山さん、村山さんだ」と言いましたが、村山さんは「亀井さん、そう言ってくれるのはありがたいが、多数党が首相を出すべきだ。今なら、自民から首相が出ても、社会党をまとめて応援させることができる。しかし、この先も自分にその力があるかどうかわからない。だから今辞める」とおっしゃられた。
地位に恋々としない、偉い方でした。すぐに橋本(龍太郎元首相)さんに電話をしました。「村山さんに感謝してほしい」とね。今は村山さんがいないなあ。
――石破さんはどうでしょう。
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[全文は引用元へ…]
【毎日新聞 政治プレミアさんの投稿】
引用元 https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20250103/pol/00m/010/006000c
亀井静香氏が語る「令和の大乱」という言葉には、今の日本政治が抱える深刻な課題が凝縮されているように感じます。自民党の現状、そして石破茂氏が率いるかもしれない政権について考えると、日本の政治がこれからどう変わっていくのか、不安と期待が入り混じった複雑な思いが湧いてきます。
現在の自民党は、かつてのような盤石な体制とは言い難く、党内の結束も揺らいでいるように見えます。亀井氏が「自民党は夕日」と表現したのは、その衰退を象徴していると感じました。確かに、今の自民党は内輪揉めや利権争いが目立ち、国民の期待に応える政策が打ち出せていない印象があります。過去には、保守政党としての矜持を持ち、国益を第一に考えた政治を行ってきたはずですが、現在はその姿勢が薄れているように思います。
石破茂氏についても、多くの人が「次のリーダー」としての期待を寄せている一方で、党内の支持基盤が弱いという現実があります。石破氏は、防衛や地方創生に関して明確なビジョンを持ち、国民に分かりやすく説明する能力に長けています。しかし、政治は理想論だけでは成り立ちません。党内の調整や各方面への根回しといった現実的な政治手腕も求められます。石破氏が少数与党で政権を担うことになれば、今以上に政治の安定性が失われる可能性も否めません。
過去の自社さ連立政権と比較すると、当時の村山富市元首相は、無私で現実主義的なリーダーでした。亀井氏が語るように、村山氏は自らの立場や欲にとらわれず、現実を見据えた判断を下していました。こうしたリーダーシップがあったからこそ、自民党との連立が成り立ち、一定の安定を保てたのでしょう。しかし、今の政治にはそのような覚悟を持った人物が見当たりません。石破氏がどれほどの覚悟を持って政権運営に臨むのかが問われるでしょう。
また、今の政治には「反対のための反対」が多く、建設的な議論がなされていない印象を受けます。与野党の対立が激しくなるばかりで、国民の生活に直結する政策が後回しにされているのではないでしょうか。国民が本当に求めているのは、党派を超えて日本の未来を真剣に考える政治家の存在です。そう考えると、石破氏がリーダーシップを発揮するためには、党内の反発を乗り越え、幅広い層と連携していく努力が必要不可欠だと感じます。
さらに、今後の日本が直面する課題は非常に多岐にわたります。経済の立て直し、少子高齢化、エネルギー問題、安全保障など、一つひとつが重い課題です。これらを乗り越えるためには、単なる人気取りの政策ではなく、実効性のある施策が求められます。石破氏がその役割を担えるかどうかは、やはり疑問が残ります。特に、外交・安全保障においては、強いリーダーシップが不可欠です。周辺国との緊張が高まる中、日本の主権と安全を守るための強い意志が求められます。
日本の政治が今、求めているのは、信念と責任感を持ち、現実を直視して行動できるリーダーです。過去の村山氏のように、無私で国のために尽くせる人物が必要です。しかし、現在の政治家には、そうした姿勢が見えにくいのが現実です。石破氏がその役割を果たせるかどうか、国民の目は厳しく向けられています。
また、石破氏に限らず、次のリーダーとなるべき人物が見当たらないという現実も、深刻な問題です。党内外を問わず、日本の未来を真剣に考え、行動できる政治家がもっと出てこなければ、日本の政治はますます迷走するでしょう。国民としては、政治家に対して厳しくも冷静な目を向け、適切な判断を下す必要があります。
最後に、亀井静香氏の「令和の大乱」という言葉は、今の日本政治の混迷を的確に表しています。この混迷の中から、真のリーダーが現れるのか、それとも日本の政治がさらに混迷を深めてしまうのか。私たち国民の関心と行動が、未来の日本を左右するのだと強く感じました。
執筆:編集部A
在日外国人高齢者・障害者等福祉…