このマップによると、なんと東京都と沖縄県を除くすべての道府県が人口減少中。大阪市、名古屋市、福岡市などの大都市は未だに人口増加しているが、都道府県レベルで見るともはやこのような状況なのだ。いつかいちさんにお話を聞いた。
ーーこのテーマに興味を持ったのは?
いつかいち:前に一度「東京23区より人口が少ない都道府県」でマッピングしたところ、東京以外の全ての道府県で赤く塗られる結果となり、大きな反響を呼びました。今回も人口シリーズで攻めてみようと、最新の人口データ(国勢調査と推計人口)からマッピングしてみましした。
ーーマップから見えてきたものは?
いつかいち:結果的には東京都、沖縄県のみ増加し、それ以外の全ての県では減少していました。東京は他県からの人口流入、沖縄は出生率が高いことが一因として挙げられます。そのほか、首都圏の神奈川、千葉、埼玉、関西圏の兵庫や京都、滋賀などベッドタウンにあたる地域では、以前までは増加していましたが、最新のデータでは減少に転じており、都市部も含めて全国的に人口減少であることが読み取れます。
ーー反響を呼びました。
いつかいち:「東京と沖縄しか増えてないの」など全国的な人口減少に驚く声や、首都移転や機能の分散など東京一極集中を抑制するような施策を政府がいち早く打ち出すべきではなどの声があり、世の中の人口減少に対する空気感をうかがえました。本題とは少しズレますが、使用した地図の仕様上、滋賀県の琵琶湖が塗られていない白色のため、「琵琶湖が人口減少してない」「琵琶湖県人口増加!」の声が多数ありました。この思わぬ反響で、予想以上に投稿が拡散しました(笑)。よく見てみると確かに塗られておらず、琵琶湖が県として人口増加しているように見えます(笑)。
2024年は人口や交通、気象など様々な可視化MAPを通して、大きな反響を得ることが出来たように思えます。また来年も違った切り口で可視化MAPを通して情報発信していけたらと思います。
SNSユーザー達から
「外国人も含むと人口が増えている地域(市)も結構あるみたいだね。それが今の日本の現実。」
「沖縄の出生率の高さを見ると日本の少子化問題は根本的には金ではないという事がわかる。もちろん子育て世代に金は思いっきり配るべきだが。あと沖縄は沖縄戦で相当亡くなっており高齢者が少ないのもある。」
「もしかしてみんな琵琶湖に移住してる?」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。読者のみなさんがお住まいの都道府県の人口はどのような状況だろうか。
[全文は引用元へ…]
【まいどなニュースさんの投稿】
【いつかいちくんさんの投稿】
話題になった可視化マップ(いつかいちくんさん提供)
引用元 https://maidonanews.jp/article/15574556
日本の人口減少について改めて考えさせられる内容だった。東京都と沖縄県だけが人口を維持、あるいは増加しているという現実は衝撃的だった。全国のほとんどの地域が人口減少している状況を見ると、このままでは地方の衰退がさらに加速するのではないかと不安になる。
特に東京都が増加を続けている点については、東京一極集中の問題が深刻化していることを物語っていると思う。地方から若者が流入し続ける一方で、地方は人口が減少し高齢化が進んでいる。この偏りは経済や社会基盤に与える影響も大きく、将来的なリスクを考えると早急な対策が必要だと感じた。
沖縄県が人口を維持できている理由についても興味深かった。出生率が全国でも高いことが要因とされているが、やはり子育てしやすい環境や文化的背景も関係しているのではないだろうか。少子化が叫ばれる中で、沖縄のような地域がなぜ出生率を維持できているのかをもっと詳しく調べ、他の地域にも応用できる対策を講じるべきだと強く思った。
一方で、外国人の増加も人口維持の要因になっているという指摘には複雑な気持ちになった。外国人労働者や留学生の受け入れが増えているのは事実だが、それが日本人の減少を補う形になっているのは根本的な解決策とは言えないと感じる。むしろ日本人が安心して生活できる環境を整えることが先決だと思う。
人口減少は単なる数字の問題ではなく、地域経済やインフラ維持にも直結する重大な課題だ。地方では学校や病院の閉鎖が相次ぎ、生活の利便性が下がることでさらに人口流出が進むという悪循環に陥っている。この流れを止めるには、地方への投資や移住促進策を強化するしかないと感じた。
東京と沖縄以外のすべての都道府県が人口減少している現実を突きつけられると、国として地方活性化にもっと本腰を入れる必要があると痛感する。例えば企業誘致やテレワークの推進、移住者への支援強化など具体的な施策を展開するべきではないだろうか。
特に若い世代が地方に定着しやすい環境づくりが重要だと思う。教育機関や医療機関の充実はもちろんのこと、働きやすい環境や子育て支援の拡充が欠かせない。沖縄が出生率を維持できているのは、コミュニティの強さや家族のつながりが背景にあると言われているが、こうした点は全国で参考にできる部分が多いと感じた。
地図を見て笑いを誘った琵琶湖の白色部分についても考えさせられた。実際は単なる表示のミスだったが、これが人口減少の深刻さを和らげる効果を生んだというのも皮肉な話だ。こうしたユーモアが注目される一方で、現実の問題は決して軽視できない。
外国人が増えている地域があるという意見も多く見られたが、それだけでは日本の人口減少問題は解決しないと思う。長期的には日本人の出生率をどう改善するかが最大の課題になるだろう。そのためには子育て支援や教育費の負担軽減、働き方改革など多角的なアプローチが必要だと感じた。
特に都市部への人口集中は、地方から人材や資源を奪う形になっており、格差を広げているように思う。地方への分散を促すためには、首都機能の移転や地方創生への投資を大胆に進める必要がある。現状では東京に依存しすぎており、このバランスを見直すことが求められていると感じた。
東京の増加傾向は、外国人労働者の増加や経済的な魅力によるものだろうが、地方との差が開きすぎると国全体のバランスが崩れる。沖縄が出生率の高さで人口を維持できている点は評価できるが、それ以外の地域では急速な高齢化と人口減少が同時に進んでいる現実が重くのしかかる。
人口減少が続けば、社会保障制度やインフラ維持が厳しくなるのは明らかだ。特に地方では医療や介護サービスが縮小される可能性もあり、高齢者が暮らしにくくなる事態も考えられる。こうした問題を避けるためには、地域ごとの特性を生かした持続可能な施策を展開するしかないと思う。
SNSのコメントにもあったように、外国人の増加が人口を支えているという意見は現実を反映している。ただ、それが根本的な解決策になっているかどうかは疑問だ。外国人労働者に頼るのではなく、日本人が安心して生活できる社会づくりを進めるべきだと考える。
首都移転や地方への機能分散も議論されているが、もっと具体的な行動に移す必要があると思う。国全体の未来を考えると、一極集中を緩和し、地方に活力を取り戻す取り組みが欠かせない。
地方が活性化しなければ日本の将来は厳しいものになるだろう。今の状況を見ると、国も自治体も早急に対応を強化し、少子化対策や地域振興策を進める必要があると痛感した。
執筆:編集部B