退任間際のバイデン米大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を阻止する命令を出したことを巡り、USスチールのデビッド・ブリット最高経営責任者(CEO)は3日(現地時間)、世界最大の鉄鋼生産国である中国を念頭に「北京の中国共産党指導者たちは路上で小躍りして(喜んで)いる」とコメントし、「政治的腐敗と戦う」と痛烈に非難した。「日本を侮辱した」と断じており、日本のSNSでも注目された。全米鉄鋼労働組合(USW)はバイデン氏を支持しており、買収される現場と業界団体や政治家など「外野」との温度差は広がるばかりだ。
ブリットCEOはコメントでバイデン氏の決定を「恥ずべき腐敗行為」と断罪。「わが社の将来、労働者、そして国家安全保障に損害を与えた」と激怒した。「重要な経済および国家安全保障同盟国である日本を侮辱し、米国の競争力を危険にさらした」と日米関係への影響にも言及した。
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【産経ニュースさんの投稿】
引用元 https://www.sankei.com/article/20250104-KL4BNZWJHFFHFISDHMSWS6KSOU/
日鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画が、米国政府によって阻止された件について、多くの議論が巻き起こっています。この決定に対し、USスチールのブリットCEOは「恥ずべき腐敗行為」と断じ、日本を侮辱した上に、自社の将来や労働者、そして国家安全保障をも損ねたと激怒しています。このような強い表現が使われる背景には、一連の決定が日米間だけでなく、中国への影響も含む広範な問題を孕んでいることがあるように思います。
まず、ブリットCEOの発言に表れているのは、米国政府の今回の決定が、自国の企業や労働者の利益を損ねるだけでなく、日本という重要な同盟国に対しても深刻な侮辱を与えるものだという視点です。日本製鉄は世界的な鉄鋼業界のリーダーであり、その技術や品質は広く評価されています。こうした日本企業による米国企業の買収が、国家安全保障上の問題として阻止されたことは、米国が日本を信頼していないかのような印象を与える結果となっています。同盟関係を重視するならば、このような決定は慎重に行われるべきだったのではないでしょうか。
さらに、ブリットCEOが「中国が小躍りする」と指摘していることも見逃せません。日本製鉄による買収が阻止されたことで、結果的に中国企業が競争上の優位に立つ可能性があると懸念されているのです。これは、単に日米間の問題ではなく、中国という第三国に対して有利な状況を生み出してしまうリスクを内包しています。中国は既に鉄鋼業界で圧倒的なシェアを持っており、今回の決定がさらにその影響力を拡大させる結果となるのではないかとの懸念が広がっています。
また、国家安全保障という理由で買収が阻止されたことについても疑問が残ります。日本は長年にわたり米国の最も重要な同盟国の一つであり、経済的にも軍事的にも強い結びつきを持っています。それにもかかわらず、今回のような措置が取られたことは、日米間の信頼関係を損ねる可能性があります。国家安全保障の名の下に行われる決定が、本当にその目的に合致しているのか、透明性を持って説明されるべきです。
一方で、日本側としても、この問題を冷静に捉える必要があると思います。米国の決定に対し、感情的に反応するだけではなく、日米間の協議を通じて誤解を解消し、信頼関係を再構築する努力が求められるでしょう。また、日本企業が中国企業と区別されるための透明性を高めることも重要です。これは、単に米国市場だけでなく、他の国々との経済的な関係を強化するためにも不可欠な取り組みとなるでしょう。
さらに、この問題が国内に与える影響についても考える必要があります。米国政府の決定が日本国内での反米感情を高める結果となれば、日米間の経済的・政治的な協力に悪影響を及ぼす可能性があります。これを避けるためにも、政府は積極的に対応し、国民の理解を得る努力を続けるべきです。
最後に、この問題は単なる経済的な争いではなく、国家間の信頼と協力が試される重要な局面だと考えます。日米関係は、単に経済的な利益だけでなく、アジア太平洋地域の安定と平和にとっても欠かせないものです。今回のような事例が将来的に両国関係に悪影響を与えないよう、両国が建設的な対話を重ねることが望まれます。
執筆:編集部A