「個人の問題として片づけることのできない、企業にとってビジネス上のリスクだ」。経団連は昨年6月、選択的夫婦別姓の早期実現を求める提言を発表。十倉雅和会長は記者会見で理由をそう説明した上で、「改正法案を一刻も早く国会に提出していただきたい」とも踏み込んだ。
トヨタ自動車など日本を代表する企業1500社以上で構成する経団連は、経済界が直面する課題の意見を取りまとめ改善策などを発信する役割がある。だが、今のタイミングで提言するほど、選択的夫婦別姓は経済界の喫緊の課題なのか。
産経新聞社は昨年11月中旬から12月上旬にかけて主要111社にアンケートを実施。社内で旧姓呼称を認めているかを尋ねたところ、「認めていない」とする企業はゼロだった。
「慣例として認めている」が58・6%、「就業規則などで認めている」が29・7%。「無回答」が11・7%あったとはいえ、9割弱の企業が何らかの形で旧姓呼称を当たり前に認めているのだ。
さらに経団連が求める法制化の是非も聞いたところ、「実現すべき」は25・2%で、「現状で不都合がないので慎重に議論すべき」も10・8%あった。もっとも「無回答」が最も多い63・1%あり、判断に迷っているのか、経団連の方針に異議を唱えにくい雰囲気があるのかはわからない。
夫婦別姓をめぐる議論は働く女性が増えたことで、婚姻後の職場での旧姓呼称や国家資格、免許証、銀行口座などの名称変更の煩わしさから旧姓使用を認めるべきという考え方からスタートした。職場での呼称が解決に近づいているのであれば、残る課題はどうか。
内閣府によると、昨年5月末現在で320の国家資格、免許などのうち317で資格取得時から旧姓使用ができる。残る3資格も条件に若干の違いがあるだけだ。マイナンバーカード、運転免許証、パスポートも旧姓併記ができる。
金融機関も既存口座の旧姓名義による取引を認めており、一部認めていない場合もシステム改修が進めば対応可能になるという。もっとも、こうした事実が広く周知されているとは言い難いのも事実だ。
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選択的夫婦別姓の導入に前向きな公明党の斉藤鉄夫代表は昨年末、「実際に困っている人が多くいる。もう決断する時だ」と述べた。「困っている人」とは誰なのか。
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【産経ニュースさんの投稿】
引用元 https://www.sankei.com/article/20250103-33B4YHNURFNUXFSJKAGPJITCPQ/
選択的夫婦別姓制度の導入をめぐる議論が続いていますが、本当に「困っている人」がどれだけいるのかという点について、多くの疑問が投げかけられています。経団連は昨年、選択的夫婦別姓制度の早期実現を求める提言を発表し、経済界の課題として訴えました。しかし、その実態を調査した結果、制度導入を急ぐ必要性に疑問を抱かせるデータが浮かび上がっています。
経団連が指摘するビジネス上のリスクについては、婚姻後の旧姓使用が認められないケースや、海外出張時のトラブルが取り上げられています。しかし、産経新聞が行ったアンケートでは、旧姓使用を認めていない企業はゼロであり、9割近くの企業が旧姓呼称をすでに認めていることが判明しました。つまり、旧姓使用の不便さは制度を改正せずとも、企業の対応によってかなりの部分が解消されているという現実があります。
また、国家資格や免許証、マイナンバーカードなども旧姓併記が可能であり、行政手続き面でも柔軟に対応できる仕組みが整備されています。こうした事実を踏まえると、選択的夫婦別姓制度を導入しなければ解決できないという主張には説得力が欠けているように感じられます。
確かに、海外出張時のトラブルや一部発展途上国での対応の難しさといった課題は残されています。しかし、こうしたケースは個別の対応や周知を進めることで十分に解決できる問題ではないでしょうか。制度そのものを変える必要性がどこまであるのかについては、慎重に検討すべきだと考えます。
さらに、選択的夫婦別姓制度には戸籍制度そのものを崩壊させかねないという懸念も指摘されています。日本の戸籍制度は家族単位で管理されており、親子関係や家族の結びつきを明確にする役割を果たしてきました。この仕組みを変えることで、家族の一体感が損なわれたり、子どもの姓が親と異なることによる心理的影響が懸念されています。
コメント欄では、「困っているのは通名を隠したい人だけでは?」という意見や、「夫婦別姓を押し付けたいのは中韓の影響ではないか?」といった声も見受けられました。これらの意見は、制度変更が外国勢力の意図に沿ったものであるという疑念を抱く人々の感情を反映しています。
また、「旧姓使用がここまで認められているのに、なぜさらに制度を変える必要があるのか」といった合理的な疑問も多く寄せられています。特に通名制度の問題に言及し、「日本で暮らす以上は本名を名乗るべきだ」という意見には共感する人が多いようです。
このような反応からもわかる通り、選択的夫婦別姓制度には単なる利便性の向上以上の問題が絡んでいます。それは、日本社会の伝統や価値観、そして安全保障や国籍制度にまで及ぶ深い問題です。そのため、この議論は感情的にならず、冷静かつ慎重に進める必要があります。
現状では、選択的夫婦別姓制度の導入を急ぐ理由は明確ではありません。すでに旧姓使用の制度は整備されつつあり、日常生活やビジネスにおける不便さはかなり解消されているのです。それにもかかわらず制度改正を推し進める背景には、何か別の意図があるのではないかという疑念を拭えません。
私は、こうした問題についてもっと広く国民の意見を集め、慎重に議論を深めるべきだと考えます。経団連のような経済界の意見も重要ですが、それ以上に国民の多くが抱く懸念や不安に耳を傾けることが大切です。
選択的夫婦別姓制度が本当に必要であれば、国民が納得できる説明とデータを示すべきです。そして、そのプロセスを経てこそ、制度改革への理解と支持が得られるのではないでしょうか。
最後に、この議論が家族の在り方や日本の文化を守るための重要な機会であることを忘れてはならないと思います。今後もこの問題について注視し、日本社会にとって最善の答えを導き出すための議論が続くことを期待します。
執筆:編集部B