【橋本琴絵さんの投稿】
引用元 https://x.com/hashimotokotoe/status/1874503709381833032?s=51&t=y6FRh0RxEu0xkYqbQQsRrQ
夫婦別姓については、昨今多くの議論が交わされていますが、その多くが「個人的な理由」や「利便性」という点に焦点を当てています。確かに、それらの理由も無視できないかもしれません。しかし、日本全体の秩序や文化的背景を考えた時、これを制度として安易に採用することには慎重であるべきです。歴史的にも日本の家制度は、社会の安定や秩序を支える役割を果たしてきました。そのため、個々の希望だけで制度を変えることが、長い目で見て日本社会全体にどのような影響を及ぼすのかを深く考える必要があります。
よく挙げられる理由の一つに、女性が結婚後も自分の姓を職場で使い続けたいというものがあります。しかし、現在の制度でも通称使用は認められており、実際に多くの女性が通称で仕事をしています。この点を踏まえると、夫婦別姓を制度として導入しなければならない理由はそれほど強くないように思われます。また、日本の現行制度では、夫婦が夫または妻のどちらの姓を選ぶか自由に決めることができます。この柔軟性は、他国の制度と比較しても平等性が高いと評価されており、むしろ独自の誇るべき文化的特徴ではないでしょうか。
さらに、夫婦別姓を推進する意見の中には「男女平等」という主張が見受けられますが、実際のところ、夫婦別姓が必ずしも平等につながるとは限りません。姓の統一には、家族の一体感や絆を強化するという側面があります。これは日本の社会において長らく重要視されてきた価値観です。この価値観を軽視してまで制度を変える必要が本当にあるのか疑問です。夫婦別姓の導入が家族制度を崩壊させ、社会の基盤を揺るがす可能性があるという懸念もあります。特に、姓の分離が進むことで家族のつながりが希薄化し、社会全体で孤立が増えるという指摘も無視できません。
また、夫婦別姓の導入に伴う実務的な問題も懸念されます。たとえば、戸籍制度の変更や行政の手続きが複雑化する可能性があります。日本の戸籍制度は、家族単位で記録を管理するという効率性があり、これによって迅速な行政手続きが可能となっています。この仕組みを変更することは、膨大なコストや労力を必要とし、その影響が社会全体に及ぶことは避けられません。
欧米諸国で夫婦別姓が広まった背景には、それぞれの歴史や文化があります。特に欧米では、かつて夫の姓を強制的に名乗らなければならなかったという問題がありました。しかし、日本の現行制度は最初から夫婦が姓を選ぶ自由を持っており、この点ではすでに進んでいるとも言えます。日本は独自の文化を尊重しながらも、柔軟に対応する方法を模索するべきです。外圧に流されることなく、自国の歴史や文化を踏まえた議論を重ねる必要があります。
夫婦別姓の是非を論じる際には、個々の意見を尊重する一方で、日本社会全体の安定性や文化的な背景を見失わないことが重要です。現行制度の中でも十分に柔軟性があると考えられる今、急激な制度変更を行うのではなく、現行制度をより良く活用する方法を考えることが賢明ではないでしょうか。
執筆:編集部A