【動画】
【ぷろっぷさんの投稿】
引用元 https://x.com/HumansNoContext/status/1874230325959704924
1980年代、日本人観光客がカメラを首にぶら下げて世界中を旅する姿は、日本国外ではしばしば風刺の対象となりました。その象徴的な行動は、一部では過剰な記録欲求として見られ、特にフランスでは「写真を撮るだけの観光客」として軽視されることもありました。
しかし、時代が進み、スマートフォンの普及とともに、この現象は大きく様変わりしました。今回、フランスの凱旋門で撮影された新年カウントダウンの映像では、多くのフランス人がスマートフォンを掲げて花火の光景を撮影する様子が映し出されています。この光景は、かつての日本人観光客の姿と驚くほど似通っており、時代が巡り巡って人々の行動が均質化してきたことを感じさせます。
当時、日本人観光客が批判を受けた背景には、記録を優先する姿勢が他国では理解されにくかったという点があります。しかし、現在では、スマートフォンが手軽な記録ツールとして普及したことで、この行動が世界中に広がり、誰もが日常的に写真や動画を撮影するようになりました。特に、SNSの浸透により、撮影した映像や写真を共有することが文化的な一部となり、「記録すること」が一般化しています。
フランスの映像を見ると、これが単なる模倣ではなく、技術革新による行動変化の一端であることが明白です。日本人観光客がかつてから重視していた「記録の価値」は、今や世界中の人々に受け入れられる共通の文化となりました。そして、このような行動が観光地やイベントで目立つようになったことで、かつての偏見や批判は薄れ、むしろ共感を生む要因となっています。
一方で、この変化は新たな課題も生んでいます。例えば、大規模イベントでの過剰な撮影が人々の視界を遮る、あるいは共有すること自体が目的となり、その場の楽しみを損なうといった問題も浮き彫りになっています。それでも、こうした行動が観光や文化的交流における重要な要素であることは否定できません。
かつて日本人観光客を揶揄していたフランスで、今や多くの人々が同じようにスマートフォンを手にして記録を残している。この変化は、技術の進化や価値観の変化だけでなく、異文化間の相互理解の進展をも示しています。かつての批判の対象だった行動が今ではスタンダードになり、国や文化を超えて受け入れられている様子を見ると、私たちは一つの文化的成熟を目の当たりにしているのかもしれません。
執筆:編集部A