中国のSNS・小紅書(RED)に「日本人はもう善人を装うことはなくなった」との投稿があり、大きな反響を呼んだ。
投稿主は過去に3度日本を訪れており、1度目が2008年、2度目が14年、そして3度目が今年だった。1度目は「まだ小さかったのでそれほど印象に残っていない」とし、2度目の訪日が最も印象深かったと回想。「日本人はみんな礼儀正しくて、特にサービス業の人は90度のお辞儀が基本だった。買い物しても丁寧にお礼を言ってくれ、ホテルの人はこちらが見えなくなるまで手を振って見送ってくれた」と振り返り、「春風のようだった」とその心地良さを表現した。
一方で、今回の訪日では「全体として以前のような雰囲気がなくなったように感じた。国民全体が冷たく、気が抜けた感じになった。いくつか高めのホテルに泊まったが、スタッフの態度は普通か、ちょっと冷淡とも言えるくらいだった。もちろん、私たちの国のサービスレベルが全体的に高まったことで、日本が特別とは感じなくなったというのもあるだろうけど」とつづった。
また、電車の優先席に座る数人の若者の写真(顔はスタンプで隠している)をアップし、「彼らを撮影したのは40分くらいずっと優先席に座っていたから(ずっと日本語でおしゃべりしていたため日本人だと思われる)。途中、中国人観光客のおばあさんが乗ってきた。一目で高齢者と分かったが、彼らは譲ろうとしなかった」と指摘。「私も譲らなかったが、私が座っていたのは優先席ではないし、私は子どもを連れていたから」と説明した。
中国のネットユーザーからは「同感。今は(日本の)全国民があきらめた感じだ」「民度がどんどん落ちてきているだけの話」「時代が変わったからな」「世代が違うからさ。今は何かにつけてパワハラと言われるから上の世代も部下にきつく指導できないんだよ」「(日本は)もともと表面的な礼儀正しさだし」「経済が停滞して人々の収入が減ってるんだ。それは笑顔にもなれないよ」といった声が上がった。
また、「日本人って本当に席を譲ることが少ないと思う」「去年日本に行った時に、ベビーカーに一人を乗せ、もう一人を抱いているお母さんが立ったまま電車に乗ってた。車内の人は誰も反応せず。見ていられなくなって私が席を譲った」「日本旅行に行った時、夫が妊婦さんに席を譲ったら相手はぽかーんとしていた」「日本人は席を譲らないらしい。譲ると高齢者のプライドを傷つけるからって」との声も。
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【テリマカシ 。。さんの投稿】
引用元 https://www.recordchina.co.jp/b945948-s25-c30-d0052.html
『日本人はもう善人を装わなくなった』というタイトルが注目を集める中、中国SNSで話題となった訪日中国人の投稿が議論を呼んでいます。この投稿は、3度目の日本旅行を経験した中国人が過去の訪日体験と比較しながら、日本の印象が変わったことを率直に語ったものです。
投稿者は、1度目の訪日が2008年、2度目が2014年、3度目が今年だったと説明しています。特に2度目の訪問時には、日本のサービスや接客態度に深い感銘を受けたと回想していました。当時はホテルスタッフが深々とお辞儀をし、見えなくなるまで手を振って見送ってくれるなど、礼儀正しく温かい対応に感動したと述べています。その体験を「春風のようだった」と表現するほど印象的だったようです。
しかし、今回の訪日では以前のような雰囲気は感じられなかったと語っています。投稿者によると、「スタッフの態度が普通か、少し冷たくなった印象を受けた」とのことです。さらに、「もちろん、中国のサービスレベルが向上したことも影響しているかもしれないが、日本が特別とは感じなくなった」と分析しています。この変化に対して中国SNS上では、「日本人の民度がどんどん落ちている」との声が多く寄せられました。
具体的な例として投稿者は、電車内で優先席に座る若者の写真をアップしました。写真には日本人と思われる若者が40分間ずっと優先席を占拠し、おしゃべりを続けていた様子が写っていました。その間、中国人観光客の高齢女性が乗車しても誰も席を譲らなかったと指摘しています。自身は優先席ではない場所に座っていたため譲らなかったと説明しつつも、この光景に違和感を覚えたと述べています。
この投稿を受けて、中国のネットユーザーからはさまざまな意見が飛び交いました。「同感。今の日本は疲弊している」「もともと礼儀正しさは表面的なものだった」「経済停滞が笑顔を奪った」といったコメントが目立ちました。また、日本人が席を譲らないことについても議論が交わされ、「私も以前、日本で妊婦に席を譲ったら驚かれた」「譲ると相手のプライドを傷つけるからでは?」などの経験談が語られました。
こうした話題は日本国内でも注目されています。近年、オーバーツーリズムの影響で観光地や公共交通機関が混雑し、日本人が疲弊しているとの指摘もあります。道を尋ねられて親切に対応してもお礼を言われないといった経験から、親切心が薄れているという意見も少なくありません。
さらに、日本国内では優先席に関する意識の違いも議論されています。優先席は必要な人が優先的に使うべき場所ですが、見た目ではわからない疾患や事情を抱える人もいるため、譲らないからといって必ずしも「冷たい」と決めつけることはできません。しかし、海外から見れば日本の公共マナーに疑問を抱かれる場面があるのも事実です。
「善人を装う」という表現についても賛否が分かれます。日本人は礼儀を重んじる文化を持ちつつも、表面的ではなく真心を込めて対応することを大切にしてきました。そのため、礼儀正しさを“装い”と捉えられることに違和感を覚える日本人も多いでしょう。
一方で、時代の変化や国際化が進む中で、接客業に対する過度な期待や礼儀正しさの基準に変化が生まれている可能性も考えられます。特に、労働環境の厳しさやサービス業の負担増によって、かつてのような余裕を持った対応が難しくなっていることも背景にあるでしょう。
今回の投稿は、日本と中国の文化や価値観の違いを浮き彫りにしました。日本人にとっては当たり前のことが外国人からは冷たく映る場合もあり、その逆もまた然りです。特に国際観光都市としての日本の役割が強まる中、こうした相互理解を深める議論は今後も重要になってくるでしょう。
この件について、日本人の間では「仏の顔も三度まで」という言葉が引き合いに出されることもあります。日本人はこれまで観光客に対して寛容に対応してきましたが、あまりにも過度な要求や礼儀を欠く態度には疲れを感じる人も増えています。善人を装うのではなく、本来の礼儀を守りつつ相手に誠実に接することが求められているのかもしれません。
いずれにしても、この投稿が話題となった背景には、互いの文化や価値観を再確認し合う機会が求められている現状があります。日本と中国の交流がさらに深まるためには、お互いに歩み寄り、理解し合う努力が必要不可欠だと感じさせられる出来事でした。
執筆:編集部B