内閣総辞職からわずか2カ月余りの間に、岸田文雄前首相の再登板説がしばしば語られるようになった。石破茂内閣の評判が出だしから芳しくないので政治ネタに事欠いているのか。自分も取り上げているのだから、それは言うまい。とはいえ、岸田氏本人がまんざらでもない様子に映るのは不気味というより珍妙だ。
トランプ次期米大統領の復帰などに後押しされたのでもあるまいが、このところ「資産運用立国議員連盟」を立ち上げ、石破首相と意見交換するなど、岸田氏は意欲的な動きを見せる。だが待ってほしい。岸田氏は自身の再選がかかった総裁選での勝負を避けたのだ。昨年は「裏金」問題を受けて唐突に派閥の解消を打ち出し、その後の党内の新たな組織づくりに取り組んだわけでもなかった。「政治とカネ」の問題で対応に手間取り、衆院選でこれを大きな争点にしたとの批判もある。
派閥解消も政治倫理審査会に自ら出席したことなど、岸田氏の対応についての評価は分かれる。しかし衆院選惨敗―与党過半数割れの「元凶」をたどれば、そこに岸田氏が存在することに目をつぶるわけにはいかない。はたして、その当人が軽々に再登板を考えるだろうか。
[全文は引用元へ…]
【産経ニュースさんの投稿】
引用元 https://www.sankei.com/article/20241206-UUGULPDUTBPTLHIAUD3VUVPRIU/
岸田文雄前首相の再登板説が取り沙汰されるようになり、政治の動きが注目を集めています。石破茂内閣の船出が不安定な中で、岸田氏の再浮上が話題となるのはある意味で予想された流れかもしれません。しかし、岸田氏本人が再登板に意欲を示しているかのように見える姿勢は、驚きや疑問を抱かせます。
岸田氏は最近、「資産運用立国議員連盟」の立ち上げや石破首相との意見交換など、積極的な活動を見せています。しかし、昨年の総裁選を回避し、「裏金」問題や派閥解消をめぐる対応が評価を分けたことを考えると、再登板への道のりは容易ではありません。
衆院選での与党過半数割れという結果を踏まえれば、岸田氏がその要因の一端であることは否定できないでしょう。派閥解消や政治倫理審査会への出席といった対応が一定の評価を得た部分もありますが、選挙戦での争点整理やリーダーシップ不足への批判は根強く残っています。
それにもかかわらず、再登板を視野に入れた動きが見られるのは、石破内閣の低迷や党内の求心力低下が背景にあるのかもしれません。ただし、党内や国民の信頼を回復するためには、これまでの課題への反省と具体的なビジョンの提示が求められるでしょう。
現在の日本が抱える経済や外交、安全保障の課題を考えれば、次期リーダーには強固な信頼と実行力が必要とされます。岸田氏がそれを再び担うだけの準備を整えられるのかどうかが、今後の焦点となるでしょう。
執筆:編集部B