奈良県の山下真知事は16日、県議会閉会後の記者会見で、奈良公園(奈良市)で来年10月に予定する韓国のK-POPアーティストによるコンサートについて、「奈良らしい場所でお客さんに残る印象も強い。奈良のファンが増える効果も期待できる」と述べた。一方、会場設営費などの事業費が約2億7000万円に上ることについては「費用対効果の観点からほかに適地があるか検討したい」と語った。
イベントは韓国・忠清南道との文化交流の一環として無料コンサートなどを開催される。9000人規模の来客を見込んでおり、16日の県議会本会議で費用約2億5000万円を盛り込んだ令和6年度一般会計補正予算案が可決された。
山下氏は、事業費が高額だとして一部で問題視されている点に関して「忠清南道側の意向を踏まえ、大きなステージを作ったり、照明やレーザー光線、またオープンスペースなので警備も配置したりしなければならない」と述べた。担当者に金額を提示された際は「まあちょっと高いなと思ったが、プロが見積もりを出しているので、そんなものかなと思った」と振り返った。
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【産経ニュースさんの投稿】
引用元 https://www.sankei.com/article/20241217-4XVMQSANIBDJNBN3K7D5RF4WLY/
奈良県の山下真知事が来年10月に奈良公園で予定されている韓国のK-POPアーティストによるコンサートについて「奈良のファンが増える効果が期待できる」と発言したことは、文化交流の推進として一定の意義を持つかもしれません。しかし、約2億7000万円という高額な事業費については、多くの県民が納得しがたい部分があるのではないでしょうか。私もその一人です。
今回のイベントは、韓国・忠清南道との文化交流の一環として無料で開催されるということですが、問題はその費用対効果にあります。無料で観客を招待するイベントにこれほどの税金を投入することが本当に妥当なのか、大きな疑問が残ります。山下知事自身も「まあちょっと高いな」と感じたというコメントをしていますが、それでもプロの見積もりだから仕方ないと納得してしまったというのは、県民に対する説明としては弱いと感じます。
奈良公園は、奈良県が誇る歴史的な観光名所であり、その景観や文化遺産を守ることが県の使命の一つであるはずです。そこに大規模なステージやレーザー光線を設置し、多額の費用をかけてイベントを行うことが本当に「奈良らしい」と言えるのかどうか、非常に疑問です。また、イベントによる環境への影響や警備のためのコストも高額であることから、他にもっと適した場所があるのではないかと思わざるを得ません。
また、今回のイベントは韓国との文化交流を目的としていますが、なぜ特定の国だけにこれほどの重点を置くのかも気になります。奈良県は他の国々とも友好提携を結んでいますが、今回のような大規模なイベントは行われていません。これがバランスを欠いた対応であると感じる県民も多いのではないでしょうか。多文化共生や国際交流を推進するなら、特定の国に偏らない公平な取り組みが必要だと考えます。
さらに、無料イベントでありながら9000人規模の来客を見込んでいるという点も、現実的かどうか疑問です。仮に目標を達成したとしても、その多くが県外からの観光客である可能性もあり、奈良県民が直接的な恩恵を受けられるかどうかは不透明です。一方で、税金は県民が負担しているわけですから、この点についても不公平感を感じざるを得ません。
個人的には、このような高額なイベントに県民の税金を投入するよりも、もっと地元に密着した文化振興や観光事業に活用するべきだと考えます。たとえば、奈良の伝統文化を発信するイベントや、地元の観光資源を活用した持続可能な観光プランを考案することの方が、長期的な視点で見て奈良県の発展につながるのではないでしょうか。
もちろん、山下知事がこのイベントを通じて奈良の魅力を広くアピールしたいという意図は理解します。しかし、そのために投入される税金の額や、その効果が本当に見合うものかどうかは、県民に対する説明が十分とは言えません。透明性のある議論が必要であり、県民の意見をもっと反映させた決定をしていただきたいと思います。
奈良県が持つ歴史や文化は、日本全体にとっても貴重な財産です。それを未来の世代に引き継いでいくためにも、今回のような大規模イベントが奈良県の発展にどれほど寄与するのかを慎重に検討し、県民の理解を得る努力を続けてほしいと願います。
執筆:編集部A