【谷川醸造(たにがわちほ)さんの投稿】
まだ解体されず このままの状態で1年が経とうとしています。。。いつもだったら、仕込みがはじまり木桶に新しいもろみが入っている頃。 前を向いているつもりだけど、ふと思い出すことがあり、辛くなります…
引用元 https://x.com/tanigawajozo/status/1869934070639247827
能登半島地震からもうすぐ1年が経とうとしている。時間の経過とともに復興が進んでいる地域もあれば、まだ手つかずのまま取り残されている場所もあるという話を聞くと、複雑な気持ちになる。Xで見かけた醸造業の方の投稿を見て、その現状に胸が痛んだ。
本来であれば仕込みが始まり、新しいもろみが木桶に入る時期だという。毎年繰り返されてきた営みが、地震によって突然止まってしまったことを想像すると、その無念さは計り知れないものがあると思う。前を向こうとしても、ふとした瞬間に立ち止まってしまうのは当然のことだろう。
輪島の街がほとんど変わらない状態のままというのは、やはり厳しい現実だと思う。災害から立ち直るには時間がかかるとはいえ、1年が経とうとしているのに解体すら進んでいない建物が多いと聞くと、何かしらの改善策が必要ではないかと感じる。
支援が足りていないのか、それとも制度や手続き上の問題なのか、いろいろな意見が飛び交っているようだ。東日本大震災では全国からの支援や公的なサポートが大きく取り上げられていたが、能登半島地震ではあまりそうした動きが目立っていない印象がある。その違いが何なのか、もう少し掘り下げて考える必要があると思った。
特に気になるのは、解体が進まない理由が家主個人の了承を必要とするためだという話だ。確かに家主としては、すぐに決断できない場合もあるだろうし、思い出の詰まった家を壊すのは簡単ではないだろう。それでも、こうした制度的な壁が復興を遅らせているのだとしたら、柔軟な対応を検討する余地はあるのではないかと感じる。
また、仮設住宅などの支援が行き届いているという声もある一方で、現地の声としてはまだまだ不安や困難を抱えている人も多いようだ。地震の被害を受けた方々が、物理的にも精神的にも安心できる環境を早く取り戻せるようなサポートが求められていると思う。
私が特に心配しているのは、能登ならではの文化や産業が失われてしまうのではないかという点だ。海産物や農産物、伝統工芸など、能登には地域に根付いた産業や文化が数多くある。しかし、そうした技術や文化は災害によって簡単に途絶えてしまう可能性がある。それを守るためには、単なるインフラ整備や住宅再建だけでなく、産業復興や文化継承の支援も欠かせないと思う。
例えば、醸造業の方が投稿されていたように、毎年の仕込みができないというのは単なる経済的な問題だけではなく、地域文化そのものが失われる危機でもある。こうした業種は設備が壊れてしまうと再建に時間がかかるため、特別な支援が必要ではないだろうか。
一方で、復興を支援するためには地域の人々の意思を尊重することも大切だと思う。解体や再建を急ぐあまり、地元の人々が置き去りにされてしまうようでは本末転倒だ。だからこそ、行政は現場の声をしっかり聞きながら、柔軟に対応できる体制を整える必要があると感じた。
災害からの復興には時間がかかることは理解している。しかし、1年が経とうとしている中で手付かずの場所が残っている現状は、やはり心配になる。特に観光業や地域産業に依存している地域では、復興の遅れが生活に直結する問題になるため、もっと迅速な対応が求められるのではないかと思う。
この問題は、単に能登半島の復興にとどまらず、日本全体の防災対策や災害復興のあり方にも関わってくると思う。地震大国である日本において、災害後の復興をいかに早く進めるかは今後も大きな課題になるだろう。そのためには、今回の事例を反省材料として制度を見直し、より柔軟で迅速な支援体制を整えることが必要ではないだろうか。
また、支援の輪を広げるためには、もっと多くの人に現地の状況を知ってもらうことも大切だと思う。報道では災害直後は大きく取り上げられるが、時間が経つとどうしても関心が薄れてしまう。しかし、復興には長い時間がかかるものだからこそ、継続的な支援が必要だと思う。
この投稿を見て改めて感じたのは、災害の影響は建物や設備だけでなく、人々の心にも深く刻まれているということだ。だからこそ、物理的な復興とともに、心のケアにも目を向けた支援が求められるのではないだろうか。
能登の文化や産業がこれからも守られ続けるためには、地域の人々が安心して生活を再建できる環境を整えることが第一歩だと思う。そのためには、政府や自治体だけでなく、私たち一人ひとりができることを考えていく必要があると強く感じた。
執筆:編集部B