2020年から約3年間、日本の電車で痴漢を行ってきた中国人痴漢グループが話題だ。中国の広州市共産党委員会宣伝部が捜査し、グループのトップの男を特定。公安部が男を捜索したが、中国本土にはおらず、逮捕はできなかったという。香港メディア「香港01」が19日までに報じた。
もともとは英BBCの記者が1年間、日本の公共機関での痴漢事情について潜入取材した記事がきっかけだった。中国人の痴漢グループが存在することを突き止め、そのグループが盗撮映像をネットで中国人向けに販売していたことを報道していたのだ。
日本は世界的に“痴漢大国”として知られており、英国やカナダでは「日本旅行の際には痴漢に注意するように」と呼び掛けているほどだという。
痴漢という言葉は日本独自のもので、中国では単なる「バカ」という意味になる。中国で痴漢は「色情狂」「色狼」という言葉だったが、近年は台湾、香港、中国本土でも日本のような痴漢や盗撮が広まっており、痴漢という言葉が日本的な意味で理解されるようになったそうだ。
BBCが日本における中国人痴漢グループの存在を報じたため、同宣伝部が捜査をスタートし、公安部がグループのトップの男を特定し捜索したが、中国にはいなかった。
痴漢グループは15人で、「チーおじさん」の名前で盗撮動画を販売していた。トップは「唐卓蘭」という名前の27歳。20年4月に学生ビザで日本に入国し、21年1月に盗撮動画サイトを開設したという情報がある。
「唐」がグループメンバーに電車やバスでの痴漢のノウハウを伝授し、主に3人の共犯者と共に痴漢を繰り返していたという。その様子を盗撮した動画をネット販売し、1日5000~1万元(約10万~20万円)を稼いでいた。他のメンバーは編集担当だったそう。
「唐」は東京のタワーマンション暮らしをしていたが、現在、日本を出国し、中国本土にもいないようだ。