レギュラーガソリンの全国平均価格は175.7円/L(12月11日時点 資源エネルギー庁調べ)。前週から0.3円の値上がりで5週連続の上昇となった。近年は2008年8月に185.1円を記録し、以降は上下動を繰り返してきたが、これに迫ってきている。不況と物価高が続く中、二輪四輪ユーザーの負担は増すばかりだ。
そんな中、自民、公明、国民民主3党が12月11日、会談を行い、ガソリン税に上乗せされている「暫定税率」の廃止で合意した。これによりリッターあたり25.1円ガソリンが安くなるのだ。
実に朗報だが、そもそも「暫定税率」は不当に徴収されてきた税金だ。
その名のとおり「暫定税率」は一時的なもので、ガソリン税の28.7円に暫定税率25.1円が加算されてきた。これにガソリン自体の価格や消費税10%が加わり、ガソリン税に対しても消費税がかかっている。
暫定税率が導入されたのは1974年の田中角栄政権。道路の建設や整備の財源不足に対応するためのもので、1979年以降は25・1円にアップした。その後、延長が続けられ、2008年3月末に期限切れを迎えたが、当時の福田康夫内閣が存続を図り、2009年4月には一般財源化された。
つまり本来の道路整備ではなく、一般財源=「普通の税金」として使われるにもかかわらず、二輪四輪ユーザーから税金として徴収され続けていた。実に理不尽な課税だったと言わざるを得ない。
「暫定税率の廃止」は以前から叫ばれていたが、直接の引き金となったのは国民民主党の影響が大きい。同党は、2024年1~6月に開催された通常国会で暫定税率の廃止を含む法案を提出。結局、廃案となったが、12月6日、衆議院に単独で再び法案を提出していた。
この法案では、凍結されているトリガー条項(ガソリン価格が高騰した場合、一時的に暫定税率を停止する措置)を適用し、2年後までをめどに「暫定税率」を廃止することを訴えていた。ところが与党が譲歩し、いきなり「暫定税率廃止」にまで合意した格好だ。
なお話題になっている「年収103万円の壁」についても178万円を目指して2025年から引き上げることで合意した。
しかし暫定税率がなくなった分、新たな税制が創設される可能性が高い。また具体的にいつ廃止されるか、などの詳細は現時点では不明。法案のとおり「2年後」とならないよう即刻廃止を求めたい。
今後も動向を注視する必要があるが、理不尽な税金が一つでもなくなることは二輪四輪ユーザーとして素直に喜ぶべきだろう。今後も実態に即していないルールを少しでもなくしてほしいものだ。
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【himuroさんの投稿】
引用元 https://news.webike.net/bikenews/428742/
暫定税率の廃止が決まったというニュースを聞き、まずは素直に良い動きだと感じました。この理不尽な課税がようやく終わりを迎えるというのは、二輪四輪ユーザーにとって大きな朗報です。しかし、その背景や今後について考えると、手放しで喜ぶにはまだ早いのではないかという思いも浮かびます。
まず、暫定税率という制度そのものについて振り返ると、その不合理さが際立ちます。1974年に田中角栄政権下で導入されたこの税率は、当初は道路整備の財源不足に対応するためのものでした。その後、目的税として徴収される形が続きましたが、2009年には一般財源化され、税金の使い道が曖昧になりました。本来の目的から外れているにもかかわらず、ずっと課税され続けてきたことは、多くの国民にとって納得のいかないものでした。
さらに、この税制が二輪四輪ユーザーに重くのしかかってきた影響も見逃せません。特に物価高や燃料費の高騰が続く昨今、ガソリン価格が高止まりしている現状では、暫定税率の存在は負担をさらに増大させる要因でした。実際にガソリン税に加算される形で、消費税まで上乗せされているという構造は、二重課税と感じる人も多かったのではないでしょうか。このような仕組みが続いていたこと自体が問題だったと言えます。
今回の廃止決定には、国民民主党の法案提出が直接的なきっかけとなったとのことです。通常国会で一度廃案となりながらも、再び法案を提出し、結果的に与党が譲歩する形で暫定税率廃止に至ったという流れは、まさに粘り強い交渉の成果と言えるでしょう。ただし、これがどれほど迅速に実行されるのかは、まだ未知数です。現時点で具体的な廃止時期が示されていない以上、遅延が発生する可能性は否定できません。法案が訴えた「2年後」よりも早い段階で実現することを強く望みます。
また、暫定税率が廃止された後の影響についても考える必要があります。ガソリン価格がリッターあたり25.1円安くなるのは、二輪四輪ユーザーにとって大きな恩恵です。しかし、その分の税収減を補うために、新たな税制が導入される可能性が指摘されています。この懸念が現実となる場合、負担が別の形で国民に押し付けられるのではないかという疑念もあります。
さらに、暫定税率が廃止されても、トリガー条項の適用が依然として凍結されている問題も残っています。この条項はガソリン価格が一定以上に高騰した際に課税を一時的に停止する仕組みですが、これが機能していれば暫定税率の影響を和らげることができたはずです。廃止が決まった今、この条項の意義は薄れるかもしれませんが、国民の利益を守るために本来の目的を果たす形で運用すべきだったのではないかと感じます。
政府が今回の廃止決定をどのように進めていくのか、今後の動向を注視する必要があります。廃止に向けた具体的なプロセスや、新たな税制が導入される場合の内容については、国民に対して十分な説明が求められます。暫定税率の廃止が実現すれば、間違いなく多くのユーザーにとって経済的な負担が軽減されるでしょう。しかし、その一方で、新たな負担が生じるような事態があれば本末転倒です。
私は、このニュースをきっかけに、これまで不当に徴収されてきた税金や、他の不合理なルールについても見直しの動きが広がることを期待しています。暫定税率が長年にわたり存続してきた背景には、政府や行政の怠慢があったと言わざるを得ません。その反省を踏まえ、今後は実態に即した制度を整備し、国民にとって透明性のある運営が行われるべきです。
暫定税率の廃止が、単なる一時的な政策変更に終わるのではなく、今後の税制改革や国民生活の改善につながるよう期待したいと思います。引き続き、この問題についての議論が活発に行われることを望みます。
執筆:編集部A