茨城県は10日、来年度の採用試験から事務職の国籍要件を外し、どの国籍の人でも試験を受けられるようにする方針を明らかにした。県議会総務企画委員会で報告した。
県によると、来年4月以降実施する採用試験から国籍要件を外す。日本人と同じ試験を日本語で受けてもらうことを想定している。入庁後は外国人としての語学力や経験を生かし、県内外国人のサポートやインバウンド(訪日外国人客)誘致などの業務にあたることが想定されるという。
一方で、取り締まりや許認可、税の賦課・徴収などの公権力行使には携われず、決裁権がある本庁課長級などの管理職には就けない。県は既に医師、看護師、保健師など一部職種では国籍要件を外している。
[全文は引用元へ…]
【サキガケさんの投稿】
引用元 https://www.yomiuri.co.jp/national/20241210-OYT1T50179/
茨城県が来年度から事務職の採用試験における国籍要件を外す方針を発表したとの報道を目にし、さまざまな考えが浮かびました。この方針がどのような影響を与えるのかを考えるとともに、疑問や懸念も感じます。
まず、この方針の背景には、グローバル化が進む現代社会において、多様な人材を活用したいという意図があるのだと考えられます。外国人としての語学力や経験を生かし、県内外国人のサポートやインバウンド誘致などに従事することで、地域の発展に寄与することを目的としているのでしょう。特に、外国人観光客の増加が経済にプラスの影響を与えるとされる中で、こうした取り組みは一定の意味を持つと思います。
しかしながら、採用試験の国籍要件を外すことに対しては慎重な議論が必要だと感じます。茨城県は「取り締まりや許認可、税の賦課・徴収などの公権力行使には携われない」と明言しており、その点では一定の制約が設けられているようです。しかし、地方自治体という公共機関が外国人を採用することで、国民の間で不安や懸念を招く可能性があるのではないでしょうか。特に、日本の行政機関においては、公平性と信頼性が何よりも重視されるべきです。
さらに、この方針が実際にどのように運用されるのかについても注視する必要があります。採用された外国人職員がどのような業務に従事し、どのように地域社会に貢献していくのかが明確でなければ、県民の理解を得るのは難しいでしょう。また、言語や文化の違いによるコミュニケーションの課題が発生する可能性も否定できません。これに対するサポート体制をどのように整えるのかが重要だと思います。
茨城県はすでに医師や看護師、保健師などの職種で国籍要件を外しています。これらの職種においては専門性が求められるため、国籍にかかわらず適切な人材を採用することが合理的といえます。しかし、事務職という幅広い業務を担うポジションで同じような方針を適用することには、一部の県民から異論が出る可能性もあります。採用基準や業務内容についての透明性が確保されなければ、不信感が広がることも懸念されます。
また、外国人職員が入庁後に「日本人と同じ試験を日本語で受ける」とされていますが、その適性をどのように評価するのかも課題となり得ます。日本語での業務が必須である以上、言語能力に問題があれば業務に支障を来すことも考えられます。したがって、採用後の研修や支援体制が重要となりますが、その具体的な計画が明らかにされていない点は気がかりです。
一方で、地方自治体が外国人を積極的に採用することには一定のメリットもあります。例えば、外国人観光客の対応や、県内で暮らす外国人住民への支援業務など、外国人職員の視点や経験が活かされる場面は確かに存在します。また、県として多様性を受け入れる姿勢を示すことで、国際的な評価が向上し、地域の魅力を発信する一助となるかもしれません。
ただし、多様性を受け入れることと、国民の信頼を失わないようにすることのバランスを取ることが求められます。日本の地方自治体が外国人を採用することが広がる中で、同様の取り組みを行う他の自治体とともに、慎重な議論と運用が必要だと思います。国籍要件を外すことによってもたらされるメリットとデメリットをしっかりと見極め、県民にとって利益となるような形で方針を進めてほしいと願います。
執筆:編集部A