奈良公園でK―POPアーティストによる無料コンサートを奈良県が国際交流事業として企画していることをめぐり、県議会「自民党・無所属の会」の一部の県議らが費用対効果に疑問があるとして、事業費を削除する予算修正案を提出することが、関係者への取材で分かった。最大会派である自民会派は党議拘束を外しており、16日の県議会本会議での採決は賛否が割れる公算が大きい。
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【湯浅忠雄さんの投稿】
引用元 https://www.asahi.com/articles/ASSDF254SSDFPOMB003M.html
奈良公園でK-POPアーティストによる無料コンサートを奈良県が国際交流事業として企画している件について、多くの意見が交わされていると知り、私も考えを巡らせました。このような一過性のイベントに約2億7千万円もの巨額な費用をかける意義が、本当に県民にとって納得のいくものなのか疑問に思います。
まず、K-POPという韓国文化を通じた国際交流事業が、特定のターゲット層には大きな魅力を持つことは理解できます。奈良県が韓国の忠清南道との友好関係を深める意図でこの事業を企画していることも、国際交流の一環として意義があると言えるでしょう。しかし、その一方で、果たして2億7千万円もの県予算を投入するだけの価値があるのかという費用対効果の観点は、無視できない重要なポイントです。
特に今回の無料コンサートは、奈良公園春日野園地の最大収容人数である9千人規模を想定しているとのことですが、その収容数を考えると、多くの県民に直接的な恩恵が及ぶとは言い難いと感じます。しかも、一過性のイベントである以上、長期的な観光促進や地域経済への波及効果も限定的なものになるのではないでしょうか。それに対して、2億7千万円という金額は、他の地域振興や福祉事業に充てられるべきではないかと考えるのは自然な意見だと思います。
さらに、K-POPというジャンルが持つ特性も考慮すべきです。確かにK-POPは世界的な人気を誇り、若者を中心に熱狂的な支持を集めていますが、その支持層は一部に偏っている可能性が高いです。そのため、奈良県全体の県民がこの事業に賛同するかというと疑問が残ります。特に年齢層が高めの地域では、理解や支持を得るのは難しいのではないでしょうか。
また、日韓関係が国際的にも注目される中で、こうした文化交流イベントを通じて友好関係を深める意義はあるものの、今回のコンサートがその目的にどれだけ寄与するのかについても、しっかりとした説明が求められると思います。特に現在の日韓関係は非常にデリケートであり、こうした事業が適切なタイミングで行われるのかどうかも慎重に判断すべきではないでしょうか。
修正案を提案した議員たちが指摘している「他の交流事業と比べて一過性であり、多額の費用がかかる」という主張には、私も納得する部分があります。他の国際交流事業の多くは、教育や観光振興など、より長期的な成果を期待できるものが多いです。一方で今回の無料コンサートは、イベントそのものが終了すれば効果も薄れてしまう可能性が高いと言えるでしょう。
加えて、無料コンサートに巨額の費用をかけることで、他の分野に必要な予算が削られるという懸念もあります。教育、医療、インフラ整備といった分野にこそ、税金が優先的に使われるべきだと考える県民も多いのではないでしょうか。こうした点を踏まえると、今回の事業には慎重な再検討が必要だと感じます。
もちろん、国際交流は重要であり、異文化理解を深めることは社会全体の発展に寄与します。ただし、それは地域住民の理解と納得があって初めて成り立つものであり、納税者である県民が疑問を抱くような予算配分は避けるべきです。今回のような企画が本当に県民のためになるのか、その説明責任を奈良県には果たしてほしいと思います。
最終的には、こうした大規模なイベントをどのような目的で実施するのか、その成果をどう評価するのかが重要です。仮にこの事業が採決されるとしても、事後の検証を通じて、予算の使い道や効果を明確に示していくべきだと考えます。
奈良県が抱える多くの課題に目を向けたとき、このコンサートが県全体にとって最良の選択であるかどうか、もう一度議論を深めてほしいと願います。国際交流事業が単なる一過性のイベントに終わるのではなく、県民全体に利益をもたらす形で実施されることを期待しています。
執筆:編集部A