[ワシントン 6日 ロイター] – 米ワシントン連邦控訴裁判所は6日、中国系の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国内での利用禁止につながる新法について合憲と判断した。
同法は、TikTokの親会社である字節跳動(バイトダンス)がTikTokの米資産を売却しなければ、来年1月19日にアプリの利用を米国内で禁止する内容で、バイデン政権が今年4月に署名し成立。TikTokが合憲性を巡り訴訟を起こしていた。
控訴裁は同法について「議会と歴代大統領による広範囲にわたる超党派の取り組みの集大成」と指摘。「外国の敵対勢力による支配にのみ対処するよう注意深く策定され、中国による十分に実証された国家安全保障上の脅威に対抗するためのより広範な取り組みの一部」とした。
ガーランド司法長官は今回の判断について「中国政府によるTikTokの武器化を阻止する重要な一歩だ」と述べた。
一方、在ワシントンの中国大使館は新法を「露骨な商業的強奪行為」と批判し、「米国は両国の相互信頼と二国間関係の発展を損なわないよう慎重に対応しなければならない」と警告した。
TikTokは最高裁で争う方針だ。同社の周受資最高経営責任者(CEO)は社員へのメールで「(判決は)遺憾だが、われわれのプラットフォームにおける言論の自由を守るために闘いを続ける」と述べた。
控訴裁は中国がバイトダンスとの関係を通じ、TikTokを介して米国の言論をゆがめ、「世論を操作」する恐れがあると指摘。中国がそうした能力を持つことは言論の自由の原則と相反するとした。
今後の動きは、バイデン大統領が1月19日の米資産売却期限を90日延長するかどうか、さらに1月20日に就任するトランプ次期大統領がどのように対応するかにかかっている。
期限延長には米資産売却に向けた大きな前進を示す必要があるが、バイトダンスがこの条件を満たせるかどうかや、中国政府が売却を承認するかどうかは不透明だ。
トランプ氏は大統領在任中の2020年にTikTokと中国インターネット大手、騰訊控股(テンセント)の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」を米国で禁止しようとしたが、裁判所に阻止された。今年の大統領選中には見解を翻し、ティックトックを米国で利用禁止とすることに反対する考えを示した。
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【Yahoo!ニュースさんの投稿】
引用元 https://jp.reuters.com/world/security/SNO73GPPCFO5ZFE7HDNVHBG2IE-2024-12-06/
先日、米ワシントン連邦控訴裁判所が中国系短編動画投稿アプリ「TikTok」の利用禁止につながる新法について、合憲と判断したというニュースが報じられました。この法律は、TikTokの親会社であるバイトダンスに米国資産の売却を要求し、応じなければアプリの利用を禁止するという内容を含んでいます。バイデン政権が国家安全保障上の懸念から成立させたこの法律に対し、中国大使館は「商業的強奪行為」と批判するなど、両国間で緊張が高まっています。
このような動きを目の当たりにし、私は様々な考えを巡らせました。まず、国家安全保障という観点から、政府が自国民を守るためにリスクとなる可能性があるアプリを規制することは、十分に正当化される行動だと思います。特に、TikTokが中国政府と深い関係を持つと疑われている状況では、アメリカが情報操作や世論の歪曲を防ぐために行動を起こすのは当然のことのように感じます。
しかし、TikTokの利用禁止が具体的にどれほどの効果をもたらすのかについては疑問も残ります。例えば、禁止されることで若年層が別のプラットフォームへ移行し、結局同じような問題が再発する可能性も否定できません。また、国際的なデジタル市場での競争において、このような規制が米国企業に逆風をもたらす可能性もあります。
一方で、TikTok側の反応は注目に値します。バイトダンスは最高裁への上訴を表明し、周受資CEOは社員へのメールで「プラットフォームにおける言論の自由を守るために闘い続ける」と語りました。この姿勢は、企業としての信念を示す一方で、アメリカ市場を諦めきれない経営的な判断でもあるように思えます。
また、控訴裁判所が「中国がバイトダンスを通じてTikTokを利用し、世論を操作する恐れがある」と指摘した点も重要です。これが事実であれば、国家安全保障の枠を超えて、民主主義社会にとって重大な脅威となる可能性があります。そのため、この判決が合憲とされたことは、デジタル時代における新しい安全保障の枠組みを示す一例として評価されるべきだと感じます。
それでも、私はこの問題が単に一企業と一国の間の争いにとどまらないと考えています。むしろ、国際社会全体が直面する「デジタル主権」という新たな課題を象徴しているように思えます。米国と中国という2大国が、この問題を通じてどのように折り合いをつけるのか。これが今後の国際関係における一つの試金石となるのではないでしょうか。
加えて、今回の決定に対する中国政府の反応にも注目が必要です。中国大使館が「相互信頼と二国間関係の発展を損なわないよう慎重に対応すべきだ」と警告したことからも、単なる技術的な問題ではなく、両国間の政治的緊張が背景にあることがうかがえます。
結論として、この問題は国家安全保障と言論の自由、そして国際競争の複雑な交錯点に位置していると感じます。私たちが日常的に利用しているアプリやサービスが、どのようなリスクを抱えているのか。これを改めて考える良い機会になるのではないでしょうか。今後の米国と中国の対応に注目しながら、この問題の行方を見守りたいと思います。
執筆:編集部A