内閣府が16日公表した2023年度の名目国内総生産(GDP)は599兆円と過去最高を更新した。安倍晋三政権が15年に掲げた600兆円の目標まで、あと一歩に迫る。「雇用・所得環境が改善するもとで、緩やかな回復が続くことが期待される」。新藤義孝経済再生担当相はこの日、談話を公表し、日本経済の先行きに期待感を示した。だが、世界に目を向けると、25年には日本の名目GDPがインドに抜かれて5位に転落する可能性があるなど、国力の低下も危惧される。
円安、ドル換算で目減り
国際通貨基金(IMF)が4月に公表した最新の推計では、日本の名目GDPは25年に4・31兆ドル(約663兆円)になる見通し。インドは4・34兆ドルと日本を上回り、世界4位に躍り出る。