児童手当を高校生年代(16~18歳)にまで広げた代わりに税の扶養控除を縮小する政府方針に対し、公明党が現行の水準を維持するよう求める方向で調整していることが23日、分かった。既に国民民主党は維持要求を明言しており、足並みがそろう形。年末の税制改正協議での最終決定に向け、縮小派の自民党を含めた3党で議論が再燃しそうだ。 高校生年代を育てる人は現在、扶養控除として年収から38万円を引いて所得税額を計算できる。だが今年10月、子育て支援の一環として児童手当の支給対象が拡充されたことに関連し、2024年度の政府税制改正大綱で25万円に引き下げる方針が盛り込まれた。住民税の控除は年33万円から12万円となる。 15歳以下の扶養控除が既に廃止されており、バランスを踏まえた措置。ただ高校生年代は教育費がかさむことを考慮し、縮小にとどめた。公明は昨年の協議でも少子化対策に逆行するとして引き下げに反対していた。
所得税は26年分から、住民税は27年度分から実施するかどうかを最終決定する。
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【破綻国家研究所さんの投稿】
引用元 https://news.yahoo.co.jp/articles/b170805cc46a8b93493075d0ad2b16e06aafa165
今回の高校生扶養控除の縮小方針に関する報道について、感想を述べたいと思います。このような税制の変更は、多くの家庭に影響を及ぼす可能性があるため、慎重な議論が求められることは言うまでもありません。
まず、高校生扶養控除が現行の38万円から25万円へ縮小されることについて考えてみます。確かに、児童手当が16歳から18歳の高校生年代にまで拡充されたことは、少子化対策や子育て支援の観点から一定の意義があると感じます。しかし、その一方で扶養控除を縮小することで、家庭の税負担が増える結果となる場合、この施策全体の効果が薄れるのではないかと懸念されます。特に高校生年代は教育費が大きくかかる時期であり、家庭によっては塾や部活動の費用、進学に向けた準備などの支出が非常に高額になることもあります。そうした背景を考えると、単に「児童手当を拡充したから扶養控除を縮小する」というバランス論だけでは、家庭の実情を十分に反映していないのではないでしょうか。
また、扶養控除の縮小による影響は、特に中間所得層や多子世帯に大きいと予想されます。低所得世帯では児童手当の恩恵が比較的大きい一方、扶養控除の縮小による増税分が実質的な負担増につながる中間層にとっては、手当の拡充があまり実感として伝わらない可能性があります。加えて、多子世帯の場合、子どもが複数人いることで手当は増えるものの、それ以上に扶養控除の縮小が家計を圧迫する事態も考えられます。これでは、少子化対策に逆行するとの批判が出るのも理解できます。
特に今回、公明党が扶養控除の現行水準を維持するよう主張していることには注目すべきだと感じます。同党が少子化対策や子育て支援に力を入れてきた姿勢を考えれば、この動きは一貫性があるものと言えるでしょう。一方で、自民党が税負担の「公平性」や財政の健全化を重視して扶養控除の縮小を進めようとする姿勢も理解できなくはありません。最終的な結論は、これらの意見をどのように調整するかにかかっていると思います。
また、所得税と住民税の控除額がそれぞれ26年分、27年度分から変更される予定であることにも触れておきます。この段階的な変更には、家庭が急激な変化に対応しやすくする配慮があるのかもしれませんが、決定のタイミングが目前に迫る中、家庭の計画に影響を与える可能性が高いです。そのため、政府や関係機関は早めに詳細な説明を行い、国民への周知を徹底すべきだと感じます。情報不足が家庭の不安を煽ることになれば、政策全体への信頼を損なうことにもつながるでしょう。
それに加えて、15歳以下の扶養控除が既に廃止されているという事実も見逃せません。今回の高校生扶養控除縮小は、「バランスを踏まえた措置」とされていますが、この「バランス」が家庭にとってどれほど妥当なのかは疑問が残ります。高校生年代は、単に教育費がかかるだけでなく、将来の進学や就職を見据えた重要な時期です。この時期の家庭負担が増えるような政策は、本当に子育て支援として機能するのかどうか、改めて問い直す必要があるでしょう。
個人的には、児童手当の拡充と扶養控除の縮小をセットで考えること自体には一定の合理性を認めますが、その設計が「現実の家庭のニーズ」に十分に応えられているかどうかが重要だと感じます。単純に数値を見て「手当が増えた分、控除を減らしてもバランスが取れている」という論理ではなく、実際の家庭の負担感や、少子化対策としての効果をもっと丁寧に検証してほしいと思います。
さらに、少子化対策全体として見た場合、政府はもっと包括的な視点を持つべきだと考えます。例えば、保育や教育費の負担軽減だけでなく、働きながら子育てをする環境の整備や、若い世代が安心して子どもを持てるような住宅支援なども重要です。今回の扶養控除縮小に関連する議論をきっかけに、子育て支援全体のあり方について再検討する機会を作るべきだと思います。
最後に、税制改正の議論がどのような結論に至るにせよ、国民の視点に立った政策運営が求められます。この政策が本当に「子育て支援」になるのか、あるいは「税負担の増加」になるのか、最終的な判断は政府がしっかりと説明責任を果たすことにかかっているでしょう。
執筆:編集部A