【光州聯合ニュース】韓国の光州地裁が、日本による植民地時代に強制徴用された韓国人被害者の遺族19人が三菱マテリアル(旧三菱鉱業)を相手取って起こした損害賠償訴訟で原告14人に勝訴判決を下し、類似した訴訟の慰謝料に比べ約4倍の1人当たり4億ウォン(約4400万円)を支払うよう命じたことが、24日までに分かった。
原告側は被害者1人当たり1億ウォンを請求したが、光州地裁が職権で算定額を増やした。
同地裁は、違法行為のいきさつや被害の程度などとともに、被告が長期間にわたり補償や賠償を強く拒否してきたことや、違法行為の発生から長い年月が経過し、遅延損害金を加算しないことにした事情などを総合的に考慮したと説明した。
これに対し、原告の代理を務める弁護士団体「民主社会のための弁護士会」(民弁)は歓迎する立場を示した。
強制徴用を巡る訴訟では、存命の被害者の場合で最高1億5000万ウォンの慰謝料が認められたことがある。
しかし、同様の訴訟が相次いで起こされ、被害者の遺族が原告となる訴訟が増えてからは、慰謝料の認定額は1億ウォン前後となっていた。
このような状況で光州地裁が1人当たりの慰謝料の金額を4億ウォンまで増額したのは、消滅時効により慰謝料が認められなかった遺族に配慮したものと分析される。
損害賠償請求権の消滅時効の起算点は、大法院(最高裁)の全員合議体による判決で徴用被害者の司法による救済が可能になった2018年10月30日で、これより3年が過ぎると消滅時効と判断される。
今回の訴訟の原告は慰謝料の認定額のうち相続分として一部のみを受け取ると予想されたが、認定額が引き上げられたことで原告1人当たり約5000万ウォンから1億ウォンと、請求額に近い金額が受け取れる見通しとなった。
ただ、被告側は控訴すると予想されるため、控訴審で認定額が変わる可能性は残っている。
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【保守速報さんの投稿】
引用元 https://jp.yna.co.kr/view/AJP20241122004300882?input=tw
韓国の光州地裁が、旧三菱鉱業を相手取った強制徴用被害者遺族の損害賠償訴訟で、原告に有利な判決を下したというニュースは、日韓関係における歴史問題の複雑さを再び浮き彫りにするものでした。この判決が与える影響や、背景にある法的・歴史的な問題について考えさせられます。
まず、今回の判決で特筆すべきは、慰謝料がこれまでの判例を大きく超える金額に増額された点です。原告側が請求した1人当たり1億ウォンをはるかに上回る4億ウォンが認定されたことは異例であり、司法の独自判断によるものと考えられます。光州地裁が違法行為の重大性や補償が長期間拒まれてきた経緯を考慮したと説明しているように、被害者側に寄り添った形での判決であることがうかがえます。しかし、同時にこのような判決が日韓両国の関係にどのような影響を及ぼすかについても注目せざるを得ません。
強制徴用問題は、日本にとっても韓国にとっても感情的なテーマであり、これまでも外交問題として繰り返し取り上げられてきました。日本政府や企業は1965年の日韓請求権協定に基づき、徴用工問題は「完全かつ最終的に解決済み」であるとの立場を取っています。そのため、今回のような判決は、日本側から見れば国際約束に反するものとして受け止められるでしょう。このような状況が続けば、日韓関係のさらなる悪化を招きかねない懸念があります。
さらに、被告企業である旧三菱鉱業、現在の三菱マテリアルが控訴する可能性が高いことも指摘されています。控訴審において判決がどうなるかは未知数ですが、仮に判決が維持される場合、日本企業が実際に賠償金を支払うかどうかが焦点となります。これまでの事例では、賠償金の支払いを拒否する企業が多く、韓国国内で日本企業の資産が差し押さえられる事態に発展することもありました。このような事態が再び起これば、経済面での関係悪化も避けられないでしょう。
また、今回の判決では、被害者の遺族に対する慰謝料の認定額が引き上げられた背景に、消滅時効に配慮した地裁の姿勢があるとされています。消滅時効という法的な問題を克服するために、司法が独自の解釈で被害者遺族を救済する道を選んだと考えられますが、これが日本側から見れば「法の曲解」と捉えられる可能性もあります。司法の判断としては妥当であると評価する意見もある一方で、国際法の観点から見た時にどのように評価されるかが今後の争点になるでしょう。
このような状況を受けて、日韓両国の政府や関係者がどのように対応するかが問われています。韓国の司法が被害者遺族に配慮する姿勢を示すこと自体は理解できますが、それが国際関係や経済的な側面で不必要な対立を引き起こすことがあれば、本末転倒と言えます。一方で、日本政府や企業も、過去の問題に対する適切な姿勢を示しつつ、国益を守るための対応を慎重に行う必要があります。
さらに、被害者遺族が原告となる訴訟が増加している現状を踏まえると、今回のような判決が新たな波紋を呼ぶ可能性があります。この問題を解決するためには、司法判断だけに頼るのではなく、日韓間での本格的な対話が不可欠です。感情的な対立を煽るのではなく、両国が冷静に問題解決に向けた道を模索することが必要です。
今回の判決は、日韓関係の課題を浮き彫りにしただけでなく、これからの両国間の対応が問われる重要な試金石となるでしょう。未来志向の関係構築を目指すためには、双方が冷静に対話を進める姿勢を示すことが求められます。
執筆:編集部A