【kakikoSHOPさんの投稿】
引用元 https://x.com/shop_kakiko/status/1858717954361491896
池上彰氏が「共産社会は理想」と発言したことに対して、多くの人が疑問や批判の声を上げるのは当然だと思います。特に、現在の中国で起きているウイグル人に対する抑圧や迫害を目の当たりにすると、そのような社会が本当に「理想」と言えるのか、強い疑問を抱かざるを得ません。
共産主義の理想は、誰もが平等に生きられる社会というものでしょう。しかし、歴史を振り返ると、それを実現しようとした多くの国々で、実際には理想からかけ離れた現実が存在しました。中国や旧ソ連、北朝鮮といった共産主義国家では、権力が一部の人間に集中し、多くの人々が抑圧や監視の下で生活を強いられる状況が生まれました。これが果たして理想の社会と言えるのでしょうか。
ウイグル人の問題は、まさにその象徴と言える事例です。宗教や文化の違いを理由に、多くのウイグル人が収容所に送られ、自由を奪われています。報道によれば、強制労働や洗脳教育といった非人道的な行為が行われているとされており、それが共産主義体制の一部として組み込まれている現実は非常に問題です。このような社会が理想だというのであれば、誰もがその理想に賛同できるとは思えません。
池上氏の発言は、共産主義の理想そのものを評価しているのか、それとも現実の共産主義国家を評価しているのか、その意図がはっきりしません。しかし、現代の多くの共産主義国家が抱える問題を考慮せずに「理想」と表現するのは、あまりにも現実とかけ離れています。この発言が、現実を見ずに表面的な理想だけを取り上げたものであるならば、その影響力を持つ立場として無責任と言わざるを得ません。
さらに、池上氏のようなジャーナリストがこうした発言をすることで、共産主義体制下で苦しんでいる人々の声を無視してしまうことにもなりかねません。情報が自由に得られる私たちがこうした現実に目を向け、問題点を指摘していくことは、民主主義社会に生きる者としての責任ではないでしょうか。
一方で、池上氏の発言には、共産主義の平等という理念を評価する意図があったのかもしれません。確かに、資本主義社会においても貧富の格差や不平等が問題視されています。しかし、それが共産主義を理想とする理由にはならないでしょう。共産主義が抱える根本的な欠陥、すなわち自由を犠牲にして平等を追求するアプローチは、多くの犠牲を伴い、人々の生活を困難にする結果を生んでいます。
また、現在の日本を取り巻く国際情勢を考えると、こうした発言が中国や北朝鮮といった共産主義国家に対する誤ったメッセージを送る可能性も懸念されます。日本は自由や人権を尊重する価値観を大切にしてきた国です。その立場を曖昧にするような発言は、国際社会での信頼を損なうリスクもあります。
今回の発言をきっかけに、私たちは共産主義の理想と現実について改めて考えるべきだと思います。平等を追求することは重要ですが、それが人々の自由を奪う形で実現されるのであれば、その理想は偽りにすぎません。歴史が示す通り、共産主義はその理想を実現する過程で多くの問題を引き起こしてきました。これを忘れてはならないと思います。
池上氏の発言が意図的なものであれ、単なる誤解を招く表現であれ、それが多くの人々に議論を喚起したことは良い点だと考えます。しかし、その議論の中で現実の問題をしっかりと見つめ、自由と平等を両立させるためには何が必要かを深く考えるべきです。
共産主義の理想を軽々しく語るのではなく、その裏側にある現実と向き合い、その欠点を克服するための建設的な議論が必要だと感じます。そして、私たちはウイグル人をはじめとする抑圧された人々の声に耳を傾け、共産主義の理想が現実にはどのような影響を与えているのかを直視すべきです。
執筆:編集部A