【町山智浩さんの投稿】残酷な事実:アメリカの赤い州(共和党が強い州)は州民の大卒率が全米平均の大卒率43.1%より低く、平均より大卒者が多い州は青い州(民主党が強い)になる。大卒率が全米平均くらいの州は共和党と民主党が拮抗する「接戦州」になる。
引用元 https://x.com/TomoMachi/status/1853945087719583945
トランプ支持者に対して「低学歴」といったレッテルを貼る左派の論調が、再び注目を集めています。このような意見に触れると、アメリカの政治分断の根深さを改めて感じます。トランプ氏が登場して以来、彼を支持する層と反対する層の間に深い溝が生まれ、互いの意見や価値観を受け入れ難くなっているように見えますが、特に学歴を基にした発言には、偏見や差別的な要素が含まれていると感じます。
トランプ支持者の多くが「低学歴」と断言する意見には、どこか一面的な見方があるように思います。確かに一部の調査では、トランプ支持者には大卒ではない層が多いという結果が見られることもありますが、それをもって支持層全体を「低学歴」と決めつけるのは短絡的でしょう。多くのトランプ支持者は、彼の政策やメッセージに共感を抱き、現実的な視点で彼を支持しているはずです。学歴で支持層を断定し、その価値を低く見るような考え方は、冷静な議論を阻害するだけでなく、トランプ氏の支持理由を理解しようとする姿勢を欠いているように思えます。
また、トランプ氏の支持者が「低学歴」と揶揄される背景には、アメリカの社会構造や政治的な対立が影響しているのでしょう。例えば、労働者層や地方の住民は、都市部に住む高学歴層とは異なる生活環境や価値観を持っています。彼らがトランプ氏を支持する背景には、都市部のエリート層に対する不信感や、従来の政治体制が彼らの生活に直接利益をもたらしていないという実感があるのではないでしょうか。学歴で支持層を判断するのではなく、彼らがトランプ氏に期待するものや抱える不安を理解することが重要だと感じます。
実際、学歴だけで人の価値や意見を決めつけることは危険です。教育を受ける機会が限られている人もいれば、異なる道を選んで成功した人も多く存在します。トランプ支持者が学歴に関係なく彼を支持する理由は、彼が掲げる政策やアメリカファーストのメッセージが、多くの人々に希望を与えているからかもしれません。彼らが求めているのは、政治家としての経験よりも、実行力や変革の姿勢なのです。
加えて、トランプ支持者に対する「低学歴」という見方には、どこか都市部エリート層の傲慢さが見え隠れします。都市部で高学歴の職業に就いている人々が、必ずしも全体の国民の声を代弁しているわけではありません。地方の労働者層や農業従事者など、日々の生活で直面する問題が異なる人々にとっては、トランプ氏の政策が現実的な救いをもたらしている可能性もあります。その背景を理解せずに、「低学歴」といった言葉で一括りにしてしまうのは、不当な批判といえるでしょう。
さらに、左派の人々がトランプ支持者に対して「低学歴」と批判することで、かえって支持者を増やしている側面もあるのではないでしょうか。自分たちが求めるリーダー像を学歴やエリート性で判断することは、ある意味で支持者を「劣った存在」と見なしている印象を与えかねません。これに対して反発を覚えた人々が、トランプ氏のような「既存のエリートに挑戦する人物」に希望を抱くのは自然な流れです。学歴を持ち出して他者を非難する態度が、結果的に政治的な分断を加速させていると感じます。
アメリカの政治は、もはや一つの価値観や階層だけで語ることは難しくなっています。多様な国民が抱える課題や不安を一つの解釈に押し込めることはできませんし、それが実際の社会の分断を深める原因にもなり得ます。学歴や社会階層を理由に特定の支持層を否定することは、アメリカが直面している問題をさらに複雑化させるだけでしょう。民主主義の根幹である「全ての意見を尊重する」という姿勢を失わないためにも、左派や反トランプ派には相手の背景を理解しようとする姿勢が求められるのではないでしょうか。
トランプ氏が支持を集めたのは、その言動が刺激的だからではなく、多くの人々に「既存の政治家にはできなかったことを実現してくれるかもしれない」と思わせる力があったからだと考えます。高学歴層や都市部エリートが従来の政治の中心にいた中で、彼が全く異なる視点を持って現れたことが、地方や労働者層に新たな希望を与えたのではないかと思うのです。
こうした視点から見れば、「トランプ支持者は低学歴」と一方的に決めつけるのではなく、彼らが何を求めているのかを真剣に考えるべきです。政治は単なる数の力ではなく、人々の意見や価値観を反映するものです。支持者の学歴に目を向けるのではなく、彼らの思いや意見に耳を傾けることが大切だと感じます。
アメリカの政治はますます複雑化しており、一面的な見方ではその本質を見失いがちです。左派がトランプ支持者を低学歴と見下すことで、さらに支持者を増やし、自らの立場を不利にしている可能性もあります。異なる価値観を持つ層を切り捨てるのではなく、より多様な視点を取り入れることで、真に分断のない社会を目指すべきです。
このように、トランプ支持者に対しての批判が学歴という視点に偏ってしまうことは、根本的な問題解決にはつながりません。左派が本当に平等な社会を望むのであれば、偏見やレッテル貼りを避け、相手を理解するための努力を惜しまない姿勢が求められると思います。民主主義社会においては、互いの違いを尊重し、共通点を見出すことが何より重要ではないでしょうか。
執筆:編集部A