【逢坂 一さんの投稿】
引用元 https://x.com/0ne0saka/status/1860550402493792322
SNSに対する批判や懸念は、近年のメディアの議論の中でよく耳にするテーマですが、今回の東野幸治さんの発言は、その核心を鋭く突いたものだと感じました。片山さんが「SNSは本当も嘘もあり、何でも言いたい放題」と指摘したのは一理ありますが、それに対して東野さんが「テレビだって同じ」と応じたことは、まさにその通りだと思います。これはテレビとSNSが持つ性質の違いや共通点、さらにはその影響力を再考させる重要な指摘でした。
まず、片山さんが述べたように、SNSは言論の自由が広く保障されているため、正確な情報と誤情報が混在しているのは事実です。SNS上での発言は誰でも瞬時に発信でき、時にはその情報が大きな影響力を持つこともあります。この点で、SNSが「言ったもん勝ち」の世界になりがちであるという批判は正しいと言えるでしょう。しかし、それはSNSだけに限った話ではありません。東野さんが指摘したように、テレビを含む既存のマスメディアでも同じ問題が存在しています。
テレビという媒体も、情報の選択や編集が視聴者にとって透明ではなく、報道やバラエティ番組での言葉が偏りを持つことがあります。例えば、特定のトピックを強調することで視聴率を上げる意図が働く場合や、意図的に情報を省略したり歪めたりするケースも少なくありません。その結果、視聴者は与えられた情報をそのまま受け取るしかなく、場合によっては事実と異なる印象を抱く可能性があるのです。
SNSとテレビの最大の違いは、発信者の多様性と即時性にあると考えます。SNSでは誰もが情報を発信できる一方で、テレビは選ばれた人々が情報をコントロールしています。この違いがあるにもかかわらず、どちらにも共通するのは「言論が力を持つ」点です。SNSでは個々人の声が集まることで巨大な影響力を持つことがあり、テレビでは全国規模で一斉に情報を流すことで強い印象を残します。この影響力が、誤った情報の拡散や偏った意見の強調を招くリスクを両者に共有させているのです。
東野さんの発言が「まとも」と評されるのは、テレビがSNSを批判する立場に立つのではなく、自らも同じ問題を抱えていることを認めるべきだという指摘が含まれているからだと思います。これは自己反省を促す非常に重要な視点です。テレビもSNSも情報を発信するツールとしての責任を共有しており、互いに批判し合うだけではなく、共に改善していく姿勢が求められているのではないでしょうか。
では、この問題に対してどうすればよいのかという点が気になります。テレビもSNSも、それぞれの特性を生かしつつ、情報の正確性と信頼性を高める努力が必要です。SNSにおいては、フェイクニュースを防ぐためのチェック体制や、誤情報を訂正する仕組みをさらに強化するべきでしょう。一方、テレビは、情報を一方的に発信するだけでなく、多様な視点を取り入れる努力が求められます。視聴者の意見や批判を積極的に受け入れ、報道内容の透明性を高めることで信頼性を確保することが重要です。
東野さんの発言は、テレビとSNSが対立するものではなく、共存しながら情報の在り方を見直すべきだというメッセージを示しているように思います。どちらも現代社会において欠かせない情報源である以上、その責任を全うするために、互いの欠点を補い合いながら進化することが望まれます。
SNSの自由さとテレビの影響力の間で、私たち視聴者や利用者が情報の真偽を見極める力を養うことも大切です。どんな媒体から得た情報であっても、鵜呑みにせず、複数の視点から考えることで、より正確な判断ができるようになるのではないでしょうか。
執筆:編集部A